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映画 『みつばちの大地』(☆☆☆)

ここ数年、日本でもミツバチの大量死などが問題視されているが、
その現象はどうやら全世界的なものらしい。
祖父の代から養蜂をやっていた今作の監督は世界各地を巡り、
大量死の原因や、養蜂によってもたらされるさまざまな利益、
さらにはミツバチの品種改良についても掘り下げていくドキュメンタリー。

ミツバチの大量死に関しては、
バロア病や腐蛆病といった蜂内の伝染病や、
養蜂の大規模化による密生と近親交配による弱体化、
さらには農薬散布による益虫害虫無差別殺戮が、
複合的に発生している、というのが真相のようである。
しかし、養蜂業は今や世界的に産業化してしまったため、
密生はある程度避けられないのではないだろうか。
しかし、密生するリスクは大きい。
病気の蔓延が早まる可能性が高いし、
分蜂(新しい女王蜂とともに一定割合の働き蜂が出て、巣を分けること)も
大規模養蜂業者では作業的に適当に行われているのが実情である
(養蜂業者にとって分蜂は事業拡大に直結するため、
自分の巣箱に即座に移してしまうのである)。
そうなると、当然近親交配のリスクも高まるだろう。
そういう意味では痛し痒しというのが現状と言えるだろう。

ミツバチがもたらす利益は、何も蜂蜜だけではない。
健康食品として重宝されているプロポリスや、
山間における貴重なタンパク源の一つ蜂の子などはもちろんのこと、
大規模農場における受粉作業においては重要な働き手となっているのである。
中国では、大躍進政策によってまず穀物を食い荒らすスズメをまず殺し、
そのせいで大量発生した虫(おそらくイナゴの類だろう)とともに、
ミツバチも大量に殺してしまった。
そのせいで、中国では人間が受粉作業をやっている
(あの国は、何でもかんでも人海戦術だなぁ…)。
しかし、受粉に関してはミツバチの方がはるかに優れているらしく、
そういう意味ではまだ大躍進政策の爪痕が残っているとも言える。

品種改良に関しては、まず南米でその試みが始まったそうだが、
免疫能力の向上と引き換えに凶暴化してしまい、
北米はその被害に悩まされている一方、
その蜂を巣ごと捕まえて養蜂業をやっているたくましいお方の事例を紹介。
その結果を踏まえてオーストラリアでは、
慎重に品種改良がおこなわれているという話を紹介。
これがうまくいけば、強靭な女王蜂を世界に輸出することも可能になりそうで、
新たな産業化への期待を見せている。

作中で「家畜化」というように表現されていたが、
ある意味では既に「家畜化」してしまっている感のあるミツバチ。
今作では様々なカメラなどを使った美しい映像や繊細な映像なども注目で、
小難しく考えなくても環境映像的に楽しめる作品になっている。
最近、日本でのミツバチ大量死に関してはあまり聞かなくなったが、
何がしかの対策などは打ってるのだろうか。
テレビショッピングで、プロポリスをただ売ってばかりいる場合では、
もしかしたら無いかもしれないわけだが…。

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