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映画 『ジャージー・ボーイズ』(☆☆☆☆)

「シェリー」や「君の瞳に恋してる」など、
オールディーズを彩る名曲を多く世に送り出した、
「フォー・シーズンズ」のリードヴォーカルである
フランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)を中心に、
その成り立ちから栄光、そして転落という波乱万丈の半生を描いた
ミュージカルを基にした映画。

戦後間もないアメリカのニュージャージー。
貧民街だった彼らの故郷から抜け出す方法は、
兵隊かギャングか有名になることだと言われていた。
その中でフランキーには、天性の美声があった。
それを見出したニック(マイケル・ロメンダ)は、メンバーを揃えて、
やがて「フォー・シーズンズ」を結成。
瞬く間にスターダムを駆け上がっていくが、
そこは元々素行の悪い連中の寄せ集め。
カネも握っていた独裁者のニックは、
ついに他のメンバーに無断で多額の借金を作っていたことが判明。
ニュージャージーを取り仕切るジップ(クリストファー・ウォーケン)の仲介と、
フランキーのニックに対する恩義でその問題はなんとか治まるが、
「フォー・シーズンズ」は空中分解。
しかもフランキーは、ニックの借金を全部背負って
アメリカ中を巡業することになりなってしまう。
家族とも疎遠になり、しかも将来を嘱望されていたフランキーの娘が、
当時ショウビズ界で流行りだしていたドラッグに取り込まれて、
ついには死亡。
家族を顧みなかった報いだと感じたフランキーは、すっかり憔悴してしまうのだが…。

ショウビズの世界で成功するということ。
あるいは、成功し続けるということ。
その中で友情や愛情を、いかに育み、いかに保ち続けるのか。
その難しさを、オールディーズに乗せて見事に語っているのが今作と言えるだろう。
また、ショウビズとギャング(日本で言えばヤクザ)の不即不離の関係や、
アメリカ的な契約関係など、
50~60年代のショウビズの裏側にも触れられていて興味深い作品。
『硫黄島』二部作など重厚な作風が特徴の
クリント・イーストウッド監督ではあるが、
もともとはエンタテインメント映画の俳優。
その辺の空気感もよく心得ており、今作はなかなか軽快な仕上がり。
芸の幅の広い監督さんである。
映画の中では悲しい出来事も起こるが、
それでも前を向いて進み続ける彼らと、
彼らの紡ぎ出す曲たちを聞いていると、
良い気分になってくることうけあいである。

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