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映画 『アンナプルナ南壁 -7,400mの男たち』(☆☆☆☆)

ついに初冠雪まで観測され、
いよいよタイムリミットが近づいてきた御嶽山の救助活動。
それを阻む一因に、
御嶽山が3000m級の高山であることが挙げられているわけだが
(だからこそ、早々と初冠雪も記録されてしまうわけだが)、
今作はタイトルの通り標高7400mの位置にある、
ヒマラヤ屈指の難所アンナプルナ南壁での救助活動の顛末を描いた
ドキュメンタリー映画である。

つい最近も、「安全な山」発言でマイミクさんにたしなめられたばかりなのだが、
そんなワシでもメンバー全員が第一キャンプで咳をし始めたら、
さすがに撤退するよ。別段記録に興味があるわけでもないし…。
ところが、今作の救助対象であるイナキ・オチョア・デ・オルツァのチームは
それでも、「致死率40%」とまで言われる難所に挑んだんだから、
ワシみたいな腰抜けからしたら無謀としか思えない。
で、案の定彼は高山病にかかり極限の状況に陥る。
チームメイトのホリアは、チーム全滅の危機を救うべくSOSを発信。
そのSOSに、世界各地から「現代登山ドリームチーム」とも言える面々が、
救助に駆けつけた。
しかし、イナキがいるのは標高7400mの、しかも尾根の途中。
その地点に到着するだけでも命がけなのに、
生死の危険が目前に迫っている人間を、
無事に山から降ろすということまでやってのけなければならない。
当然、救助は失敗(ぶっちゃけ自業自得のような気もするんだが…)。
今作の監督は、当時を振り返ろうと、
この救助に参加した人々に追跡取材を始めた。
今作は、言ってみればそのインタビュー集である。

参加者のひとりはこう言う。
「誰かの身に何かが起きれば、ただ救うことしか考えられない。
他の選択肢は存在しないんだ」
確かに、場所が場所だけに、
救助に行けるのは彼らしかいないと言ってもいいだろう。
そして、これは続けて観た『K2 初登頂の真実』でも語られることだが、
「オレたちは英雄なんかじゃない。英雄になるために参加してるわけでもない」
ということである。
滅私とかそういうことじゃなく、
山に登ったことがある人だけがわかる、「山登りの間の絆」が
彼らを突き動かすのである。
それは、たとえワシが上るような低山でも同じで、
登山道ですれ違ったら必ず挨拶をするとか、
すごく低いレベルで言えばそうこうことなのである。
彼らは、常に同じ目標を持った同志なのである。
同志ならば、助け合うのは当然ということである。
登山家の魂に触れる佳作と言えるだろう。

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