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映画 『悪魔は誰だ』(☆☆☆☆)

だいたい時効ものっていうのは、
時効に向かって話が盛り上がっていくものだが、
今作は逆に時効からすべてが始まるといってもいい作品。
そして、タイトル通り「悪魔」が誰なのかを観客に問うていく作品でもある。
まぁ、ワシは見事に騙されたわけだが、
痛快に騙されたのでむしろいい気分である。

しかし、みんな本当の意味の悪魔ではなく、
それぞれが抱える事情を斟酌する必要があり、
そういう意味では誰もが悪魔に堕する危険を孕んでいるとも言える
(『母の身終い』のアランに同じことが言える)。
多くの人間は、悪魔になりたくてなるのではない。
むしろ、良心があるからこそ悪魔に堕する場合があるわけで、
「悪」という字に「心」があるように、
悪もまた心なのである。

今作に関しては、あまり多くを書きたくない。
是非観てもらいたい。そういう作品である。
それにしても、今年の韓国映画はワシ的には豊作である。
翻って邦画ときたら、完全に二時間ドラマと競合関係にあり、
言ってみれば「たわけ(田分け)」の状態である。
地上波では、昼は過去作、夜は毎日どこかで新作が放送され、
BSでは毎日過去作、
CSもテレビ局系のチャンネルなどではBSと同様のありさまである。
で、映画はと言えば、二時間ドラマとそう変わりない脚本である。
このままでは、共倒れであろう。

映画 『悪童日記』(☆☆☆☆)

戦争が人間を歪めていくということを、
見事なまでに描き切った怪作。
時代の歪みって、こういう弱いところに向かっちゃうんだよねぇ。

第二次世界大戦末期のハンガリー(枢軸国の一つ)。
軍人の父とその妻は、双子(今作の主人公)を
妻の母のところに疎開させることにした。
父は再び戦地に戻り、母は双子を疎開先に送ると
「必ず迎えに来るからね」と言い置いていずこかへ。
疎開先には母の母(ヴィジュアル的にはマツコDX的)がいて、
「働かざる者食うべからず」とばかりに薪を割らせ、水を汲ませる。
そして双子のことを「メス犬の子供たち」と呼ぶのである。
双子は、とんでもないところに来たと思いながらも、
「僕たちは強くならなければ生きていけない」と思い定め、
痛みに耐える訓練をし、盗みを覚え、空腹や寒さに耐える訓練も自らに課した。
そうして終戦を迎え、母が迎えに来(ココで母の本性が露になる)、
続けて父が迎えに来るが、
すっかりたくましく成長し、もはや両親を必要とはしなくなっていた
(ある意味では違うのだが)。
むしろ、双子は互いが引き離されることこそが、
何よりもつらいと思うようになっていたのだ。
そして彼らは、強くなるための最後の「訓練」を行うのだが…。

疎開先での話が主になるが、このテの話は
『はだしのゲン』なんかでも語られている、
疎開先あるあるみたいな話である。
しかし、彼ら双子はその中でサバイヴするために、
「悪童」となり、盗み、傷つけ、ユスるのである。
そういう話は戦後の混乱期の日本でも見られたことだし、
そういう意味でもあるある的ではあるのだが、
作中で「汝殺すべからず」という『十戒』の一節を持ち出し、
「でも実際にはみんな殺しあってるじゃないか」と司祭に詰め寄るのである。
宗教道徳なんてものは、ある意味いい加減なもので、
十字軍などはその顕著な例と言えるだろう。
まして、第二次世界大戦などは、キリスト教徒同士が殺しあってるわけで、
そこには宗教道徳もくそもないといえる。
『フューリー』の予告編の中でも
「平和は理想だが、歴史は残酷だ」と言っているように、
彼ら双子は環境に適応した結果悪童になったに過ぎないのである。

ワシは、「世の中を悪くするのは、いつの世も大人だ」と思っている。
彼ら双子は、大人の模倣をしているに過ぎない。
大人が教育によって子供たちをより良い方向に導いてやらなければ
(まぁ、この「良い方向」というのも欺瞞なわけだが)、
世の中が良くなるはずなどないのである。
純粋な双子が、いかに周りの大人によって悪に染まっていくのか、
見事に活写した、やはり「怪作」と呼ぶべき作品だろう。

映画 『母の身終い』(☆☆☆☆)

いくつになっても、子供のことは心配でたまらない。
まして、自分の死期が迫ってる
(今作の場合、自分で設定してしまうわけだが)となれば…。
そういう意味では、『海洋天堂』と見比べて、
東洋と西洋の死生観を比較するという見方も面白いわけである。

数日前の産経新聞の曾野綾子さんのエッセイで
「(前略)法灯は厳格に厳しく、そして高く掲げられるものだ。
(中略)しかし、個人の暮らしでは、信仰は誰でも守れるものに基準を置く。
(中略)信仰は寛大なものである。(後略)」
と書かれていた。
『ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム』の時も書いたが、
キリスト教圏において自殺は宗教上の罪であり、
作中にも出てくるように大多数の国では自殺の幇助は刑法上の罪である。
一方で、認知症や植物状態をアイデンティティの喪失と考えて、
その状態になる前、すなわち個人としての尊厳を保っているうちに死にたい
「尊厳死」を認めている国もいくつかある
(今作ではスイスが登場する)。
息子アラン(ヴァンサン・ランドン)は、金ほしさに危ない橋を渡って服役し、
刑期を終えて出所したばかり。
身を寄せた母イヴェット(エレーヌ・ヴァンサン)は、
アランの服役前から脳腫瘍を患っており、しかもすでに末期。
その上母は、尊厳死を真剣に考えており、
既に書類も揃えて準備万端といったところ。
どうやら、イヴェットの夫(=アランの父)が死んだときに、
ずいぶんと苦労をさせられたようなのだが、
息子そしてはそれが承服できず…。
しかし、病院側から「もう薬が効いていないようだ」という最後通告を受け、
母はいよいよ尊厳死に向けて最後の手続きを整えるのだ。
おそらく、息子も母も互いに迷惑をかけたくない、
そういう思いを抱きながら、それをお互い口に出せずに
この場に至ってしまったということなのだろう。
実際、病院のベッドの上で、チューブだらけにされて、
無理やり命を長らえさせるのは、看取る方にとっても、看取られる方にとっても、
決していい気持のするものではないと、
ワシの数少ない実体験からも言えるのである。
そういう意味では、ワシは尊厳死に反対ではないわけで、
しかも現実問題として世界的に見て数の多いといわれる
日本の自殺の原因の中で(あくまでも特定できるものだけだが)
「健康問題」を挙げるものが圧倒的に多いわけである。
まして日本は特定の宗教倫理がない国であり、
そういう意味ではもっと多様な価値観を提示できていいはずの国なのである
(だからこそ、毎年3万人前後の自殺者が出ているともいえるわけだが)。
逆にアランは、母親の病気を何とかしたいという思いで、
危ない橋を渡ったに違いない。
本当は、もっと大事なものがこの二人の間には必要だったんだろうけれども、
ガン治療は何かと金がかかる。
お互いそれがわかっているからこそ、
息子は危ない橋を渡り、母は自ら命を絶つことを考えたのだろう。

ただ、アランと火遊びする女性の話は、
あんまり意味なかったように思われるんだが、どうだろうか。

映画 『ヘラクレス』(☆☆☆)

半神半人の神話と言うよりは、貴種流離譚。
ヘラクレスの物語というよりは、
「ピープルズ・チャンピオン」ことロック様
(ドウェイン・ジョンソンのプロレスラー時代のリングネーム)の物語。
もっと言えば、『ザ・ヘラクレス』がいちおう半神半人のヘラクレスだったのに対し
(神の力もちゃんと使うしね)、
今作のは人間離れした怪力の持ち主ではあるが、おそらく完全なる人間。
だからこそ仲間も必要だし、手練手管だって使う。
「12の難行」も置き換えられる部分は人間に置き換えたりしてるし、
あくまでもヘラクレスにハクをつけるための物語に過ぎない。
そういう意味でも今作は、貴種流離譚として捉える方が妥当だし、
広告の文句通り「偽りの伝説」に彩られた虚飾の英雄から、
「真の英雄」へと成長するビルドゥング・ロマンス(成長譚)とも見ることができるだろう。

ドウェイン・ジョンソンという素材を生かし切ったという意味では、
今までの出演作の中では上位に入るだろうが、
ストーリー自体はありきたりなので、
アクション映画らしく「ストーリーなど飾り」と割り切って、
筋肉が躍動する様を存分に楽しむのが正解の映画。

映画 『U Want Me 2 Kill Him/ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム』(☆☆☆☆)

『ディス/コネクト』とは違う意味でネットの怖さを見せつける作品。
しかも、実話ベースである分、インパクトだけならこっちの方が上とも言える。
しかし、人ひとり振り向かせるために、ここまでするもんかねぇ。

今作では敵役みたいな扱いになるジョン(トビー・レグボ)ではあるが、
キャラの立ちっぷりで言えば主人公のマーク(ジェイミー・ブラックリー)より
はるかに上だろう。
ラストを見てもわかるように、相当な虚言癖の持ち主であり、
しかもなかなかの構築力。
この妄想力をうまく使えば、作家や脚本家だって夢ではないだろうに…。
しかし、学校では家庭環境のせいもあっていじめられている。
そこから抜け出したかったっていうのはわかるんだけど、
巻き添えにされたマークはいいとばっちりである。
マークはマークで、フツーの青年。
ただ、少々視野が狭いというか、思い詰めてしまうところがある。
考え方によっては、思い込みの激しいマークの心が、
刺激的なジョンの妄想に見事染め上げられてしまったと言える。
しかし、その結末がああいう方向に向くとはねぇ…。
ジョンの心の闇も相当なものである。
正直、助かってしまって一番ショックだったのは、
マークよりもジョン本人だったのではないだろうか。

日本では、このケースは間違いなくひっそりと自殺コースだろうが、
キリスト教圏では自殺は宗教上罪とされているので、
こういう回りくどいことになるのかもしれないが、
学校というある意味閉じた社会の中で息苦しさを感じている
子どもがいるのは何も日本だけではないということを、
改めて思い知らせてくれる、そんな作品である。

映画 『FRANK −フランク−』(☆☆☆)

ワシ的には、笑えるとか面白いとか、そういう映画ではなかった。
かと言って、さほど興味深い作品でもないわけで…。
「天才とは、何かが欠けている」を地で行く、バンドのオリジナルメンバー。
対して、今作の狂言回し役ともいえるジョン(ドーナル・グリーソン)は、
バンドマンに憧れ作曲もやっているが、才能ははっきり言って無い。
しかし、ひょんなことからこの変人だらけのバンドに参加することになり、
これをテコに自分もバンドマンとして何とかやっていけるのでは…、
と勘違いするようになり、
それがバンド全体に亀裂を生むことになるのだが…。

有名になることが、表現者のすべてではないと、
いちおう表現者を目指しているワシも思うのだが、
かと言って漫然と音楽を作っているばかりでは、
単なるシュミと変わるところがないし、
目的もなしに作っていてもモチベーションが上がってこないと思うんだけどねぇ
(メンバー個々人にはそれなりのモチベーションの源泉があるのかもしれないが、
その辺の描写がほとんどないので何とも言えないわけだが)。
そういう意味では、ジョンの野心がバンドの方向付けをしたわけで
(ただし、その方向性は彼らにとって間違ったものではあったが)、
結局はジョンの野心を遂げるための踏み台になってしまった
(だからこそ、メンバーから手痛いしっぺ返しを食らうわけだが)。

病んでる人が社会に参加するということには、
あるいはまだまだ壁が存在するということを、
暗示している作品なのかもしれないが、
一方で「それはそれでいいんじゃない?」という、
多様な価値観を提示しているとも考えられるわけで、
やや抽象的な内容であるだけに、解釈の幅が出てくるわけであるが、
それにしても少々難解に過ぎるような気もするわけで…。
評価しにくい作品ではある。

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-26

東京09R くるみ賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑤ニシノラッシュ
  ○ ①ダイワエキスパート
  ▲ ④スペチアーレ

東京10R 甲斐路S(3上1600万下 芝中 1点)
  ◎ ⑨ファントムライト
  ○ ④サトノフェラーリ
  ▲ ⑥トーセンアルニカ

東京11R ブラジルC(3上OP D中)
  ◎ ②ヴォーグトルネード 東京相性買って
  ○ ⑫ランウェイワルツ   安定感買って
  ▲ ④ツクバコガネオー  相手なりに走る
  △ ⑤ノースショアビーチ  勝負強さ買って

京都08R なでしこ賞(2歳500万下 D短 1点)
  ◎ ⑧ワンダフルラスター
  ○ ①フォンタネットポー
  ▲ ⑩ブルドッグボス

京都09R 壬生特別(3上1000万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑯キンシノキセキ
  ○ ④メイショウブイダン
  ▲ ⑬ラヴァーズポイント

京都10R 英雄ディープインパクトC(3上1600万下 芝長 1点)
  ◎ ①トウシンモンステラ
  ○ ⑦ジャイアントリープ
  ▲ ⑤リメインサイレント

京都11R 菊花賞(3歳GⅠ 芝長)
  ◎ ⑭トゥザワールド
  ○ ⑮ワンアンドオンリー
  ▲ ④サウンズオブアース
 本命は、2冠とも僅差で敗れてきた⑭。
 とはいえ、京都相性も良さそうだし、
 このレースと結びつきの強い中山芝2000mを勝っているので、
 少なくとも連軸としては好適と言えるだろう。
 対抗には、ダービー馬⑮。
 唯一のGⅠ馬でもあるし、秋初戦も無難にこなしたので、逆転も充分だ。
 3番手には、前走で⑮の2着だった④。
 やや消去法気味ではあるが、現状で調子の良さそうな馬を買ってみようと思う。

京都12R 大山崎特別(3上1000万下 D短 2点)
  ◎ ⑪ピンポン
  ○ ⑯サトノデプロマット
  ▲ ⑨フミノファルコン

福島10R 秋元湖特別(3上500万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑤タイセイララバイ
  ○ ③スーパーアース
  ▲ ⑦エクスシア

福島11R みちのくS(3上1600万下 芝短 3点)
  ◎ ⑥ミッドナイトクロス
  ○ ⑯モズハツコイ
  ▲ ⑩ユキノアイオロス

福島12R 小峰城特別(3上500万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑭シングンジョーカー
  ○ ⑫ヴァンセンヌ
  ▲ ⑥ラナキナリオ

映画 『イコライザー』(☆☆☆)

アメリカでも昔からある「闇の処刑人」的な話なのではあるが、
途中から主人公(デンゼル・ワシントン)のやることの
スケールがでかすぎて闇に葬る感がどんどんなくなっていく。
そもそも主人公が万能すぎて、
そんじょそこらの小悪党じゃ全く太刀打ちできないレベル。
単体としては、まあまあ観れるレベルではあるが、
アメリカじゃあ早くも続編が期待されてるとか、
アメリカもいよいよ原作の泉が枯れたのか…。

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-25

10/18の結果
 2勝(府中牝馬S、清水S) 2分(プラタナス賞、堀川特別) 5敗
  回収率 57.7%

10/19の結果
 4勝(昇仙峡特別、鳴滝特別、秋華賞、蔵王特別) 1分(アイルランドトロフィー) 5敗
  回収率 70.6%
  年間回収率 65.1%
  通算回収率 73.2%

秋華賞は、○◎▲の順とほぼ完璧な予想。
当たる時ってこんなもんなんだよねぇ。
しかも、全体的には現在の年間回収率の水準にとどまっており、
まぁ秋のGⅠシーズンに向けてようやく片目が開いた、といったところだろう。
このまま、次々と当てて行きたいわけでありますが…。
10/25、10/26の買い方は以下の通り。
 東京:条件戦=複勝 OP以上=ワイド
 京都:条件戦=複勝 OP以上=ワイド
 福島:条件戦=複勝 OP以上=ワイド

東京09R アイビーS(2歳OP 芝中)
  ◎ ⑧ロジチャリス
  ○ ③フォワードカフェ
  ▲ ⑤レッドルモンド

東京10R 神奈川新聞杯(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ③コスモミレネール
  ○ ①メドウヒルズ
  ▲ ⑩ボーイフレンド
  △ ⑥ラリングクライ

東京11R 富士S(3上GⅢ 芝短)
  ◎ ⑬ブレイズアトレイル
  ○ ⑯ステファノス
  ▲ ⑭ダノンシャーク
 本命は、東京での実績に疑問はあるものの前走を評価して⑬。
 近走の安定感を感じさせる内容からも、着実に成長を見せており、
 重賞初制覇も充分と見る。
 対抗には、休み明けの前走を無難にこなした⑯。
 3歳馬の中では実績は低いが、
 皐月賞だけ見れば他3頭よりも先着しており、今回も期待してみたい。
 3番手には、去年の覇者⑭。
 まだ、標準斤量で出られるので、状態万全なら逆転も充分と見ている。

京都09R 北野特別(3上1000万下 芝中 ①点)
  ◎ ①レコンダイト
  ○ ⑦アグリッパーバイオ
  ▲ ④アドマイヤスピカ

京都10R 観月橋S(3上1600万下 D中 ①点)
  ◎ ②グレイスフルリープ
  ○ ⑥ドコフクカゼ
  ▲ ④アスカノロマン
  △ ⑩ミッキースマホ

京都11R 室町S(3上OP D短)
  ◎ ②エイシンゴージャス 連勝の勢いで
  ○ ①ナガラオリオン    京都相性買って
  ▲ ⑫メイショウノーベル  1200mなら

福島10R 伊達特別(3上500万下 芝中 1点)
  ◎ ⑦ハッピーモーメント
  ○ ④ウインインスパイア
  ▲ ③オメガユニコーン

福島11R フルーツラインC(3上1000万下 D短 ①点)
  ◎ ②エイシンテキサス
  ○ ⑯ヒルノケアンズ
  ▲ ⑮シュトラール
  △ ①ヴァーノン

福島12R 会津特別(3上500万下 芝短 ①点)
  ◎ ④ヤマニンマルキーザ
  ○ ①セシリア
  ▲ ②プラチナブロンド

映画 『泣く男』(☆☆☆)

タイトルの意味が最後まで観ないとわからないのだが、
観終わって切ない気持ちになる映画。
ゴン(チャン・ドンゴン)には、母親と離ればなれになった子供の気持ちが、
痛いほどわかっていたのである。
だからこそ、最後の仕事を結局は引き受けたのだろう。
おそらく、自分の死に場所と心得て…。
そして、だからこそ他のヤツの手にかかって死ぬことは、
彼としてはあってはならないことであり、
当然母親のモギョン(キム・ミニ)を死なせるわけにはいかないわけである。

ただ、南北関係無しの韓国映画は、
どうしても既視感が漂ってしまう。
現在「ノワール系」の映画は、香港やフランスなどでも盛んに撮られており、
また純粋にガンアクションという意味で言えば、
やはりアメリカの量産ぶりには負けるだろう。
そういう中において今作は、
アジア系ではシンパシーを感じるものの、
他の作品の中で埋もれてしまうような
インパクトの弱い作品に落ち着いてしまったのが残念。
広告でゴンの行動原理がある程度ばれてしまっているので、
ラストもあまり驚くものではなかったしね。
そういう意味では、広告が失敗作と言えなくもない。
少々もったいない作品ではある。

映画 『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(☆☆☆)

グレース・ケリー(作中ではニコール・キッドマン)が
モナコに嫁いだことぐらいはワシも知っているが、
なにせまだ生まれてなかったもんで、
それ以降のことは知りませんでした。
今作に関してモナコ公室は
「過度に美化されている」と批判的なようで、
しかもネットで調べても今作のようなことが実際にあったかどうかも、
イマイチ判然としないので、
今作をどこまで史実としてとらえていいのかわからんわけですが…。
しかし、「国家に嫁ぐ」という毅然たる覚悟と、
それに殉じて戦ったということ自体が事実であるとするならば、
それは美化云々以前に立派なお覚悟としか言いようがないし、
もともとが女優であるわけだから、
「見事大役を果たした」ということにもなるわけである。

今作を観て、二人の王妃のことが頭をよぎった。
一人は、イギリス皇太子妃プリンセス・ダイアナである。
グレースの夫レーニエ大公も相当な放蕩者であったそうだが
(作中にもそれらしい描写があるが)、
ダイアナの夫チャールズはついに別れることになったわけで、
そういう意味では国家の危機がレーニエとグレースの絆を強めた。
逆に言えば、イギリス王室にはそれほどの危機がなかった
(むしろダイアナの死後危機が訪れたと言ってもいいかも)ために、
忍耐を強いられることがなかったのが、
チャールズとダイアナにとっての不幸だったと言えるかもしれない。
もう一人は日本の現皇太子妃雅子妃殿下である。
彼女の場合、皇太子にどう言われているのかはわからないが、
「国家に嫁ぐ」という覚悟が明らかに足りないように思われる。
権力者としては、レーニエ大公にも劣るが、
権威という意味においてはバチカンの王たるローマ法王に比するぐらいなのだから、
世界的に見ても相当な王室のはずなのである。
にもかかわらず、やっていることは一般家庭とそう変わらない、
良くも悪くも権威を感じさせないものである。
グレースのような毅然たる態度も、
あくまでも、家庭の静謐を守るために使いうばかりである。

なんとも評価のしにくい映画。
作中で言われるように「おとぎ話」として観るのが正解なのかもしれない。

映画 『少女は異世界で戦った』(☆)

世界観構成はなかなか面白いんだけど
(特に敵となる教団がかなりヤバイ)、他の要素はマジでクソ。
とりわけひどいのは、ウリであるはずのアクション。
アクション映画にはちょっとうるさいワシではあるが、
その点を差し引いても到底評価できるものではない。
受け手である戦闘員に頼り切ってるのが見え見えのバトルシーンはもちろん、
致命的なのは拳銃の弾数合わない問題。
じゃあリボルバー使わなきゃいいのに…。
アイドルとしてのステージシーンもクチパクだし
(クチパク自体を否定するわけではないが…)、
やっつけ仕事感マンマンの出来に、あきれ返るばかりである。

とはいえ、『イン・ザ・ヒーロー』以来、
日本のアクション映画の現場の冷え込みっぷりというか、
いかにアクション俳優の活躍の場が限られているかというのを、
改めて思い知らされる。
子供相手とか(最近は新しい視聴層が広がってるわけだが…)、
アイドルマニア相手とか、そういうコアな層にしか訴求できないもんなのかねぇ
(そういう意味では映画業界自体が今やあまりマス相手じゃない感じもするが…)。
結局マスに訴求できるイケメンとかそういうのを引っ張ってこないと
(それを生み出してるのが、子供相手の『仮面ライダー』とか、
『スーパー戦隊シリーズ』だったりするんだが…)、
アクション映画が成立しないっていうのは、
なんともお寒いと思うわけである。

映画 『誰よりも狙われた男』(☆☆☆)

日本で言えば『公安警察』的な話ではあるが、
そこは陸続きのヨーロッパ。
そうでなくても、9・11以降注目を集める国際港湾都市ハンブルグである。
イスラム過激派が相手となれば、
イヤでも敏感にならざるを得ない状況にあるわけである。
バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)率いる諜報チームは、
そういうテロリズムを芽のうちに摘むのではなく、
一網打尽にしようという戦略をとっている。
だから、テロリストらしき男が侵入したと聞けば、
それを泳がせ、その意図を探り、ネットワークを解析し、
大物をあぶり出し、巣ごと破壊しようというのである。
そのためには、一般人(と、今作の場合言い切れないところもあるが)だって、
脅したりなだめたりして利用する
(この辺は『公安警察』に近いところがある)。
しかし、世界的な大物となれば、「世界の警察」アメリカの
影の荒事担当であるCIAさんも黙っていないわけである。
バッハマンは、過去にCIAさんと因縁があるようで、
その辺もラストに向けて俄然盛り上がりを見せる要素になってくるのだが…。

人権と経済と政治と平和。
これらが同じ方向を向いていれば、誰も困らないんだろうけど、
まぁそんなこと有り得ないわけで、
いかに「貧困の撲滅」を唱えても、
格差問題という「相対的貧困」の問題はまず解決できないだろうし、
人権に関する考え方だって「イスラム国」の例を引くまでもなく、
一宗教の宗派間でさえ千差万別なのである。
ある意味では、バッハマンのように泳がせることで、
過激派の活動が助長されているという面もあるし、
人権派(と呼ばれる)弁護士などが過剰な人権意識を振りかざすことで、
過激派が異国で活動する助けになってしまっている場合も、
今作のようにありうるわけである。
作中のセリフにあるように
「どんな善人にも悪の面が皆無ということはない」のであるから、
右が正しくもあり、左が正しくもあるのだ。

左寄り新聞の代表格と言われる朝日新聞が、
誤報問題で槍玉に挙げられているが、
それは言論界にとっては自分で自分の首を締める行為になりかねないことを、
彼らは理解しているのだろうか。
今作のラストのようにならなければいいが…とも思う。
そういう意味では示唆に富んだ今日的な作品ではあるが、
そこまでセンセーショナルな作品でもないし、
現代は残念ながらリアルの方がラディカルで、
今作の内容でもやや手ぬるく見えてしまうというのがザンネンなポイント。
フィクションの力が、そういう意味でも試されてるわけである。

映画 『ローマの教室で ~我らの佳き日々~』(☆☆☆)

ざっくり言うと、イタリア版『金八先生』。
しかし、主人公がひとりというわけではないので、
さまざまなことが同時進行で起こるという意味では、
『金八』よりも時間当たりの濃度はこちらの方が濃いだろう。
しかも、いろんなアプローチを楽しめるので飽きさせない。
とはいえ、さほど物語として盛り上がりがあるわけではないので、
日常っぽい展開をご希望の方向けの映画と言えるだろう。

公私の峻別をしているつもりでも、責任のある立場ゆえ見て見ぬふりできない校長。
生徒と距離を取ってるつもりでも、存在感が漂う教師。
それこそ金八よろしく家庭の事情にまで立ち入るが、
完全に情熱が空回りしてる教師。
教師と生徒の距離の取り方の難しさっていうのは万国共通のようで、
特に男女の関係を疑われるケースがあったりすると、
ドラマ以上にドロドロした話になったりもするだろう。
そういう教育の現場で起こるあれこれを、
元教師であるイタリア人作家の書いたエッセイをもとに映画化しているだけに、
描写もなかなか秀逸なのではあるが、
元がエッセイだけに作りが全体的に地味。
もっとも、教育の現場なんていうのは、
地味な日常の積み重ねなんだろうから、本来はこういうもんなんだろうけど、
それにしても日本の教師の生徒って、
ココまで立ち入らないようにしてる感じが強くするわけで…
(イタリアだって、こういう事例はおそらくレアケースなんだろうけど)。
もっとも、日本じゃあ親御さんの力が強過ぎるし、
今や体罰も封じられて教師の立場自体が危ういって話もあるぐらいだから、
家庭の事情に首突っ込めないっていうのもあるんだろうけど…。

イタリアの教育事情を知る上では有益な作品と言えるのではないだろうか。

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-19

東京09R 昇仙峡特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ④エバーグリーン
  ○ ⑦ダイワアクシス
  ▲ ①キミノナハセンター

東京10R 赤富士S(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ⑤ドレミファドン
  ○ ⑫サンライズスマート
  ▲ ⑬オリオンザジャパン
  △ ⑮ギャザーロージズ

東京11R アイルランドトロフィー(3上OP 芝中)
  ◎ ③アロマカフェ   惜しい競馬続く
  ○ ②エイシンヒカリ  連勝の勢いで
  ▲ ⑥スーパームーン 東京相性買って

京都09R もみじS(2歳OP 芝短)
  ◎ ⑦ブリクスト
  ○ ⑨ドルメロ
  ▲ ⑥リッパーザウィン

京都10R 鳴滝特別(3上1000万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑦エーティータラント
  ○ ⑥エイシンハドソン
  ▲ ⑩サンライズタイセイ

京都11R 秋華賞(3歳GⅠ 芝中)
  ◎ ④ヌーヴォレコルト
  ○ ⑥ショウナンパンドラ
  ▲ ⑫タガノエトワール
 本命は、ハープスターの不在を守るオークス馬④で決まりだろう。
 トライアルでも勝利し、ココまで順調に来ているので、
 勢力図が変わっていなければココは連勝機だろう。
 逆転の1番手は、まだ掲示板を外していない⑥と見る。
 勝ちみに遅いという不安点はあるものの、
 京都実績もあるし、芝2000mも(2-1-0-0)と相性が良さげ。
 なんと言っても④とまだ直接対決が無いところが推しであろう。
 3番手には、未勝利勝ちから前走いきなり④にコンマ2秒差まで接近した⑫。
 フロックだったら、ずっこけ間違いなしだが、
 まだ底を見せていない可能性もあり、一気の逆転も考慮して推してみる。

京都12R 藤森S(3上1600万下 D短 1点)
  ◎ ⑫ラピダメンテ
  ○ ⑭マルヴァーンヒルズ
  ▲ ⑤タガノトネール

福島10R 蔵王特別(3上500万下 芝長 ①点)
  ◎ ⑤マルクナッテ
  ○ ③ジャングルパサー
  ▲ ⑨サンドラバローズ

福島11R 福島民友C(3上OP 芝短)
  ◎ ⑮バーバラ        距離実績高い
  ○ ⑧アンバルブライベン 斤量恵まれた
  ▲ ⑯アンゲネーム     前走評価して

福島12R 遠刈田特別(3上500万下 芝中 1点)
  ◎ ①テイエムレンジャー
  ○ ⑥エスユーハリケーン
  ▲ ⑦アーマークラッド

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-18

10/11の結果
 1勝(山中湖特別) 1分(オクトーバーS) 4敗
  回収率 40.0%

10/12の結果
 2勝(テレビ静岡賞、りんどう賞) 4敗
  回収率 28.0%

10/13の結果
 4敗
  回収率 0.0%

10/14の結果
 1勝(久多特別) 2敗
  回収率 35.0%
  年間回収率 65.1%
  通算回収率 73.2%

今開催も厳しいスタート。
ダメさが中途半端なのが、またタチが悪い。
こうなると、ワラにもすがるような思いで
福島に期待するしかなくなってしまうわけだが、
福島も決して得意じゃないだけに、正直不安しかないわけで…。
10/18、10/19の買い方は以下の通り。
 東京:条件戦=複勝 OP以上=ワイド
 京都:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 福島:条件戦=複勝 OP以上=枠連

東京09R プラタナス賞(2歳500万下 D短 2点)
  ◎ ⑭タップザット
  ○ ①ストロングトリトン
  ▲ ⑨クイーンマグノリア
  △ ④ヘニースウィフト

東京10R 白秋S(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ①エポワス
  ○ ⑨チェリーヒロイン
  ▲ ⑪エールブリーズ
  △ ⑤ハングリージャック

東京11R 府中牝馬S(3上GⅡ 芝中)
  ◎ ②キャトルフィーユ
  ○ ③スマートレイアー
  ▲ ⑫ホエールキャプチャ
 本命は、間隔は空いたが前走ついに重賞制覇に手が届いた②。
 近5走も、全て掲示板を外していない充実ぶり。
 東京コースとあまり相性が良くないのだが、
 左回り自体が全くダメなわけではなさそうなので、今回は推してみる。
 対抗には、距離相性が良さそうな③。
 実績も高いし、東京実績もある。前走も惜しい内容だし、
 鞍上とうまく噛み合えば逆転も充分だろう。
 3番手には、東京コースとの相性が良い⑫。
 とはいえ、得意なはずの東京コースで行われた安田記念での大敗など、
 そろそろ年齢的に厳しいものがあるような気もするので、押さえ程度で…。

京都09R 紫菊賞(2歳500万下 芝中 1点)
  ◎ ③ゴールドメダリオン
  ○ ⑥レントラー
  ▲ ⑤トーセンバジル

京都10R 堀川特別(3上1000万下 芝中 2点)
  ◎ ⑨フェータルローズ
  ○ ③イリュミナンス
  ▲ ⑪アドマイヤアロマ

京都11R 清水S(3上1600万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑩トーセンソレイユ
  ○ ④リヴェレンテ
  ▲ ⑪エアジェルブロワ
  △ ②フルーキー

福島10R 天童特別(3上500万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑮マイネヴァリエンテ
  ○ ⑨ワキノコクリュウ
  ▲ ⑧ケントヒーロー

福島11R 三春駒特別(3上1000万下 芝中 ①点)
  ◎ ②メイショウエゾフジ 
  ○ ①クリノサンタクルス
  ▲ ④ブライトボーイ

福島12R 鳴子特別(3上500万下 D中 ①点)
  ◎ ⑨ゼンノコリオリ
  ○ ③ショウナンアトラス
  ▲ ⑦バイタルフォルム

映画 『K2 初登頂の真実』(☆☆☆☆)

2010年公開の『アイガー北壁』辺りから、
世界的に「山映画」がちょいちょい見られるようになってきた。
今作は、その中でも『ヒマラヤ 運命の山』に近い、
初登頂の快挙に絡む疑惑に関する話ではあるが、
『ヒマラヤ~』ほど後味は悪くない。
というのも、今作は戦後間もない敗戦国イタリアを勇気づけようと結成された
「K2登頂イタリアナショナルチーム」結成から、
初登頂にありがちな様々なトラブルを乗り越えて、
初登頂を果たすまでの顛末を、
虚実入り混ぜて映画化したものだからである。
キャラの味付けがいちいちイタリアらしくて、
個性が出ているのが、なかなか良いんじゃないだろうか。

ただ、疑惑絡みというのは、
そもそもこのチームを結成したデジオ教授は、
当時イタリア登山界で名声の高かったカシンという男を
最終メンバーから外してしまうところから始まる。
チームの精神的支柱になったであろう彼の離脱から、
このチームの歯車は微妙に狂い出す。
その最たるものは、登頂アタックをするメンバーに、
チームの実力者であるボナッティを外してしまったことである
(確かに、性格的にやや難のある男ではあるのだが…)。
おそらくこの2つの事象に共通するのは、
「初登頂の名誉を我が物としたい」ということであろう。
こういうのがあまり露骨になると、「後味の悪い物語」になってしまうのだが、
今作のネタ元が、実はその外されたボナッティの報告書であることが、
ある意味救いとなっている
(もちろん、ひがみととれる描写もあるわけだが…)。
周りには、最終キャンプに酸素ボンベをほぼ単独で担ぎ上げた
彼を称賛する者もいたが、彼自身は
「オレは登頂したわけじゃないし、(ボンベのことは)義務でやっただけだよ」
と言い、さらに、
「このチーム全員が英雄だよ」
というのである
(この辺が『アンナプルナ南壁 7400mの男たち』と共通するところなのだが)。
先ほども書いたように、オレは彼の報告書が元になっているわけだから、
これらの発言が後付けである疑念は無くは無いのだが、
しかしこういう感情がある意味登山家共通の感情であることを、
『アンナプルナ~』で証明しているので、
おそらく彼の発言は真実なのであろう。
結果的に、デジオ教授が目指した
「チームワークによる登頂」とは程遠い形で初登頂は実現されたわけだが、
当時はそれを隠して「チーム全体による登頂」と発表し、
登頂者の個人名を公表しなかった。
しかし、そもそもデジオ教授がカシンを外してなかったら、
こうなっていない可能性もあったわけで、
その辺りオリンピックの代表選手選定を思わせる、
失敗できない難しさと言えるのかもしれない。

最近は「単独登頂」がもてはやされている感じもしないではないが
(『アンナプルナ~』に出てくる登山家の中にもそういう人が出てくるが)、
シェルパも含めたチームプレイによる登頂というのも、
充分に難業なのである
(それはそれで、資金力の有無がモノを言ったりしてしまうわけだが…)。
ただ、征服欲なしに、こういった難行は成し遂げられないわけで、
欲望の光と影を鮮明に映し出した映画だと言えるだろう。

映画 『アンナプルナ南壁 -7,400mの男たち』(☆☆☆☆)

ついに初冠雪まで観測され、
いよいよタイムリミットが近づいてきた御嶽山の救助活動。
それを阻む一因に、
御嶽山が3000m級の高山であることが挙げられているわけだが
(だからこそ、早々と初冠雪も記録されてしまうわけだが)、
今作はタイトルの通り標高7400mの位置にある、
ヒマラヤ屈指の難所アンナプルナ南壁での救助活動の顛末を描いた
ドキュメンタリー映画である。

つい最近も、「安全な山」発言でマイミクさんにたしなめられたばかりなのだが、
そんなワシでもメンバー全員が第一キャンプで咳をし始めたら、
さすがに撤退するよ。別段記録に興味があるわけでもないし…。
ところが、今作の救助対象であるイナキ・オチョア・デ・オルツァのチームは
それでも、「致死率40%」とまで言われる難所に挑んだんだから、
ワシみたいな腰抜けからしたら無謀としか思えない。
で、案の定彼は高山病にかかり極限の状況に陥る。
チームメイトのホリアは、チーム全滅の危機を救うべくSOSを発信。
そのSOSに、世界各地から「現代登山ドリームチーム」とも言える面々が、
救助に駆けつけた。
しかし、イナキがいるのは標高7400mの、しかも尾根の途中。
その地点に到着するだけでも命がけなのに、
生死の危険が目前に迫っている人間を、
無事に山から降ろすということまでやってのけなければならない。
当然、救助は失敗(ぶっちゃけ自業自得のような気もするんだが…)。
今作の監督は、当時を振り返ろうと、
この救助に参加した人々に追跡取材を始めた。
今作は、言ってみればそのインタビュー集である。

参加者のひとりはこう言う。
「誰かの身に何かが起きれば、ただ救うことしか考えられない。
他の選択肢は存在しないんだ」
確かに、場所が場所だけに、
救助に行けるのは彼らしかいないと言ってもいいだろう。
そして、これは続けて観た『K2 初登頂の真実』でも語られることだが、
「オレたちは英雄なんかじゃない。英雄になるために参加してるわけでもない」
ということである。
滅私とかそういうことじゃなく、
山に登ったことがある人だけがわかる、「山登りの間の絆」が
彼らを突き動かすのである。
それは、たとえワシが上るような低山でも同じで、
登山道ですれ違ったら必ず挨拶をするとか、
すごく低いレベルで言えばそうこうことなのである。
彼らは、常に同じ目標を持った同志なのである。
同志ならば、助け合うのは当然ということである。
登山家の魂に触れる佳作と言えるだろう。

映画 『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』(☆☆☆)

時代劇に様式美を求めるなら、
今作ぐらい本格的に「小笠原流礼法導入」とか謳ってほしいわけである。
どうせクソ真面目に作るなら、こういうこだわりは重要なウリと言えるだろう。

ただ、原作はどちらかというと手法としての「ミステリー」を使い、
10年後の切腹を申し渡された戸田秋谷(役所広司)が、
切腹を申し渡されるに至った真相を本来監視役であるはずの
檀野庄三郎(岡田准一)が解明していくという話(原作未見なのだが…)。
とはいえ、ラストがラストなので(原作では後日談も触れてるのかもしれないが)、
真相を暴いたことで檀野や秋谷の息子がどうなったかについては触れられず。
ただで済むとは思えないと思う一方、
秋谷に下された罰(真相がわかれば罰の内容もむべなるかなと思うが)や、
冒頭の檀野に下される罰などを考えると、
良く言えば寛容、悪く言えば甘々な藩のようなので、
それほど冷遇されずに済むのかな、とも思われ…。
まぁ、話の本筋はそこにないので、取り上げるまでもないということなのだろう。

話自体、結末が割とわかりきっているので、
過程を楽しむタイプの作品であり、また様式美を楽しむ作品なのではあるが、
上映時間のわりに内容が薄く
(しかも、特段削れそうなエピソードが無いのがタチの悪いところ)、
しかも邦画の悪いところである「予告編で大事なところにほぼ触れてしまう」を、
今作でもやっているため秋谷が悪くないことは
予告編だけでわかってしまう超親切設計。

最終的に家老が完全に悪役で、
「民の痛みを知るがいい」とばかりに秋谷に一発殴られてしまうが、
それには賛否がある。
『孫子』曰く(今作では『論語』がたまに出てくるが)
「愛民は煩わさるべきなり(民を愛し過ぎると心労が絶えなくなる)」である。
改革者は少なからず汚れ役を引き受けなければならないものである
(まぁ、秋谷はその辺よく心得ていたようだが…)。
その辺の描写が全くなく、ここまで悪役に仕立て上げなくてもいいのに、
とも思うのである
(確かに、相当な手練手管を使ってるのは確かだが…)。
そういう意味では、今作の黒い部分の大半をこの家老が引き受けているわけで、
その意味では見事大役を果たしたと言えるだろう。

日本映画は、もう少し予告編での情報の出し方を考え直した方がいいだろう。
今作のようなわかりやすい予告編ばかり作っていると、
観客の方から「DVDスルー」されかねないだろう。

映画 『ハリケーンアワー』(☆☆☆)

ハリケーンカトリーナ襲来の最中、
母親の命と引き換えに生まれた赤ん坊。
しかし、早産と人手不足で型落ちの人工呼吸器に入れられてしまう。
そこに、いよいよと言うべきか停電。
型落ちの人工呼吸の予備電源は、持続時間わずか3分。
大事な娘を置いていけないと、一人病院に残った父親(ポール・ウォーカー)は、
病院内を探索して手動発電機やら娘のための点滴を集めるが、
夜泣きよりもタチの悪い時間制限の電子音のせいで、
父親はろくに眠ることもできない。
救助も満足に呼べない中、充電池の寿命はじわじわ縮み、
食糧を探してうろつき回るゴロツキどもまで現れる始末。
こんな調子で、娘のことを無事守りきることはできるのか…。

とまぁ、強引に緊迫感を高めるためのシチュエーションに見えなくもないのだが、
最愛の妻を失った男が、父親として自覚を得て成長する、
という意味ではアメリカ映画の方程式通りの映画とも言える。
シチュエーションの無理矢理感がハンパないので、
すごく感動できるかというと疑問はあるが、
もともとがポール・ウォーカー追悼企画で上映されてるわけだし、
死んだ人間のことをあまり悪く言うわけにもいかないので、
まぁ悪くない映画ということにしておこう。

映画 『荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜』(☆☆☆)

「生まれる時代と場所を間違えたヤツってのは、どこにでもいる」
というマクラで始まる今作。
主人公は、言ってみれば「逆のび太」状態の、
頭脳明晰だがサバイバル能力ゼロの男アルバート(セス・マクファーレン)。
冒頭から、西部劇名物のひとつである「決闘」を回避し、
付き合ってたカノジョには暗にヘタレだと思われてフられる。
落ち込んで「こんなこ汚い町なんか出て行ってやる」と思ってたところに、
ドラえもんならぬ美女(シャーリーズ・セロン)が登場。
彼女は、アルバートの優しくて血生臭くないところに惹かれたようだが、
彼に西部で生き抜くために銃の手ほどきをする。
とにかく彼女は、銃がめちゃくちゃうまいのだが、
それもそのはずで彼女はなんと、
当時西部一の極悪人クリンチ(リーアム・ニーソン)の妻だったのである。
そんなこととはつゆ知らず、
彼女といい仲になっていくアルバート。
そこに、当然のごとくクリンチが現れるのだが…。

みうらじゅん氏が「ウンコチンコウエスタン」と評したように、
『テッド』をホウフツとさせるオゲレツ描写が散見するわけだが、
そこにさえ目をつぶれば存外よくできた西部劇。
崩し方もなかなか堂に入っていて楽しい映画に仕上がっている。
オゲレツ描写が少なくないので万人向けではないが(実際R15指定だし)、
たまにはこういうおバカな映画も良いのではないだろうか。

むしろ、『柘榴坂の仇討』みたいにクソ真面目な時代劇ばっか撮ってないで、
日本もこういう少し崩した時代劇(あ、『さや侍』とかはダメだからね)
とか撮ってみせてもバチは当たんないと思うんだけどねぇ…。

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-14

京都09R 久多特別(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑩ダンスディレクター
  ○ ⑫シンジュボシ
  ▲ ⑨アドマイヤコリン

京都10R 平城京S(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ③ノボリドリーム
  ○ ⑭ランドマーキュリー
  ▲ ⑥ゴールデンヒーロー

京都11R 京都大賞典(3上GⅡ 芝長)
  ◎ ⑨メイショウマンボ
  ○ ③フーラブライド
  ▲ ⑩タマモベストプレイ
 1着はともかく、2着に関しては毎日王冠よりハードルの低いこのレース。
 とはいえ、1着に関してはGⅠ馬のシェアが多いので、
 京都コースと相性もいい⑨で良いのではないだろうか。
 牡馬相手というところに不安はあるが、
 馬場が渋れば勝機は充分と見るのだが…。
 対抗も牝馬。ハンデキャップホースっぽいところは気になるが、
 長い距離が向きそうな③が面白そう。
 3番手は、平坦馬場では力のあるところを見せる⑩。
 重馬場適性はまだ未知数だが、前走洋芝の札幌競馬場で勝っているので、
 力のいる芝馬場への適性はあるのでは、と見るのだが…。

映画 『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』(☆☆☆)

駐車場に勤めてるワシは、時々疑問に思うことがある。
運転がヘタなのを自覚しているにもかかわらず
(自覚してるならまだいいのだが)、
レクサスのLSやらベンツのEクラスやらに乗ってるおじいちゃんやオバハンである。
彼らはおそらく買えるだけの経済力があるのであろう。
そしてディーラーの方も、運転能力など見ずに支払能力を見て勧めるのだろう
(ディーラーは利益を最大化したいのだから当然そうなるわけだが)。
そこで彼らは「この車は操りきれないなぁ」とか考えないんだろうね。
きっと彼らは「買えるから買う」のである。
そのすんごくスケールのでかいのが、
今作の主人公デヴィッド・シーゲルとその妻ジャッキー・シーゲルであろう。
今作の撮影当初、シーゲル一家は繁栄の絶頂にいた。
前年にリーマンショックが起こったというのにである。
なぜなら彼らは「世界一の一戸建て」となる、
8500㎡の新居建築を始めたのである。
ベルサイユ宮殿を模したそれは総工費だけで100億円に達し、
内装も凝りに凝った豪華なものにするべくもろもろ買い漁っていた。
しかし、サブプライムショックに端を発するアメリカの金融不況が、
いよいよシーゲル一家を、あるいはシーゲル氏の経営する会社を襲うことになる。
もともと富裕層相手にリゾート地でコンドミニアムの共同所有を斡旋するのが、
シーゲル氏の会社である。
しかし、サブプライムショック以降、
まるで日本のバブル以降のような貸し渋りや貸し剥がしが横行し、
富裕層の金回りが悪くなった。
シーゲル氏の会社もそのあおりをもろに受けたというわけである。
当然映画の性格も大きく変わる。
成金(あえて金持ちとは言わない)の豪華な生活を追うことから、
成金が坂道を転がり落ちて行く過程を活写するものにである。

結論から言えば、一度上げた生活水準は簡単には下げられないということである。
デヴィッドは、会社の経営でいろいろと切り詰めなければならない一方で、
ラスベガスに建てた旗艦店はなんとしても確保しようと奔走しているが、
ジャッキーはと言うと高級デパートでモノを買うのはやめたが、
安売りスーパーで車に積み切れないほどモノを買っているのから、
結局そんなに節約になっていないのである。
しかも、同じモノを何個も買ってるし…。
ただ、この奥さん別に悪気は無いのである
(だから余計にタチが悪いとも言えるのだが…)。
家族をきちんと愛してるし、彼女は彼女で期待にこたえようと必死なのである。
とはいえ、必死で金策しているデヴィッドとは溝が深まるばかり。
果たしてこの後どうなるんだろうか…、というところで映画は終了。
テキストで、デヴィッドは2011年に会社の経営権を売り渡したとだけ出てくる。

理由はどうあれ、借金頼りの会社経営は、
決して健全ではないということである。
確かに、金融機関のあり様も相当問題はある。
しかし、カネに限らず「貸し」を作るということは、
それだけで自由性を損なうことなわけだから、
どんなに低金利でもそれなりの覚悟が必要なのである。
そこに思いを致さずに、ただただ数値上のカネだけを頼りに、
無尽蔵にカネを使った結果がこれである。
この辺が、「成金」と「本物の金持ち」の違いと言えるかもしれない。
確かに、シーゲル氏も社会活動に取り組んでいたようだが、
アメリカの税制は寄付した方が有利だから、
ある程度カネを持つようになると誰でも社会活動に寄付するのである
(そういう意味では、カネの回るシステムなのではあるが…)。

「他人の不幸は蜜の味」というが、シーゲル一家は実にたくましい。
それは、とりもなおさず家族の絆を大事にしているからであり、
本当の幸せはカネでは手に入らない、という考え方もできる
(そもそも、ある程度の財力が無いと所帯を持てないわけだが…)。
しかも、今年アメリカで今作の続編にあたるリアルドキュメンタリーが、
アメリカで放送されているということである
(今作の監督は今作のことでシーゲル一家ともめたため、
この続編には携わっていないそうだが…)。
この契約金を梃子に、再起を期そうとしているそうで、
このたくましさは見習うべきところがあるように思われる。

映画 『テロ,ライブ』(☆☆☆☆)

いやぁ、こりゃ腐っとるねぇ。
マスコミも、警察も、政府も、もちろんテロリストも。
でも、日本も他山の石にするべき、そんな笑えない話。

主人公は、放送局のキャスター(ハ・ジョンウ)。
しかし、賄賂社会の韓国では出世のための贈収賄は当たり前。
彼もそれに手を染め、それが表沙汰になりそうになったため、
裏街道ともいうべきラジオ部門に飛ばされた。
そこで、朝の報道番組を始めたのだが、
そこにちょっとアタマのイっちゃってる男からの電話。
キャスターは面倒くさいと思い、電話を切ろうとしていたところ、
「これから橋を爆破する」
と突然言い出した。
冗談だと思ったキャスターは「どうぞおやんなさい」と言ったところ、
数分と経たぬうちに橋は爆破。
「とんでもないことが起こった」と思うと同時に、
今のやりとりが電波に乗ってないことを幸いと思い、
キャスターはテレビという表舞台に復帰すべく、
この男との通話を独占スクープにしようと企てる。
しかし、それが国家を巻き込む一大事に発展してしまうのだが…。

何が腐ってるって、まず放送局である。
キャスターの最初の対処もそもそも悪いのだが、
キャスターがこの話を自分の野心のために逆用しようとし、
上層部もその話に乗ってしまう。
挙げ句の果てに「どうせ橋の上に取り残された人たちは助からない。
だから、電話の男にいっそさらに爆破させて悪魔に変貌させてしまうんだ」
と、完全なる人命軽視。
さらに、キャスターの上司も「視聴率が70%超えたから、あとは好きにやれ」
という無責任ぶり。
その上、キャスターが上層部の思い通りにならないと見るや、
贈収賄の話を他局にリークして脅しをかける有様。
まさに「マスゴミ」の真骨頂である。

警察も警察である。
男が、大統領に謝罪を要求したところ、
ようやく現れたのが警察の一番偉い人。
しかも、「お前のことは調べ尽くした。
子供を政府の奨学金で学校に通わせておいて、
よくも政府を脅すようなマネができたもんだな。
とっとと自首しないと、息子にも顔向けできないぞ」
とものすごく挑発的な語り口。
挙句、この偉い人は殺されてしまうんだが、
実はこの時調べ上げた男がすでに死んでいたと後でわかる。
こいつら、いったい彼の何を調べたんだか…。

政府は、アメリカと同じく「テロとは交渉しない」の一点張り。
それでいて、最終的にはキャスターまで射殺しようとするのである
(おそらく、電話の男と共謀してたことにでもするつもりだったんだろう)。
しかし、真犯人がクライマックスで言う
「一言謝るのが、そんなに難しいことなのか」というセリフの通り、
正式に陳謝すれば済む話ではないのか
(もっとも、我々日本人からしてみれば、
「ホントに1回謝罪すれば済むのかよ」と思わないでもないんだが…)。
それとも、さらなる要求があるのではと勘繰ってたのだろうか。

電話の男も確かに問題はある。
2年前に死んだ父親のために、なぜ今突然動いたのか。
それに、かなり爆弾に関する知識があるのだ。
もう少し賢い方法論があったような気もするんだが…。
薄弱な動機で首都の大動脈である橋を破壊し、
10人以上のしかも無関係な人間の命を奪ったのである。
そのぐらいのこと、想像がつかないのだったら、
それはそれで病んでいると思うのだが…。

しかし、こういう手段に訴えなければ、
国家機構というものは話を聞かないというのも一理ある。
作中でも「警察は人が死なないと動かない」というセリフが出てくるし、
キャスターが提示する裁判という方法は、迂遠だし何よりカネがかかる。
貧乏人にとってはギャンブルに近いのである。
まして、韓国という国はそうモノを自由に言ったり書いたり
できない国のようであるから、
確たる証拠も無しに話をリークしても握り潰される可能性が高い。
今作のように追い込まれたら実力行使せざるを得ないのが、
現代世界であるとも言えるだろう。

今作では、権力(マスゴミも含めて)の欺瞞を鋭くえぐり出している
(映画界も、マスゴミの一翼ではあるわけだが…)。
フィクションとはいえ、権力に対して一石を投じるぐらいの価値は、
充分にある作品である。
こういう作品が札幌ほどの都市で2週間限定でしか公開されないというのは、
正直あまりいい気分ではない。

映画 『NO ノー』(☆☆☆)

独裁政権を相手に、広告的手法でキャンペーンを行い、
みごとその転覆に成功した、
チリでの実話が元になっている今作。
作中でも描かれているように、
こういう時野党側は得てして自分たちがいかに抑圧されてきたのかを
訴えてしまいがちなのだが、
主人公である広告マン(ガエル・ガルシア・ベルナル)が言うように
「未来志向」で「NOを選んだら明るい未来がやってきますよ」
というポジティブなメッセージの方が観る方としては確かに気楽に観れるし、
「また観たいな」という気持ちにもなろうというものである。
独裁政権側は、自分たちの政権を世界的に正当化したいがために、
便宜上国民投票をしてやるだけであって、
テレビにおいては反対陣営にはわずか15分の枠しか与えられていないのである。
おそらく、街頭運動やっても治安出動で鎮圧されるのがオチなのであるから、
反対陣営には実質この枠でしか勝負させてもらえないわけである。
そうなると、むしろインパクト勝負の広告的手法の方が向くわけで、
とにかく視聴習慣をつける今作の手法は、
現代の広告にも通じるみごとな戦略だったわけである。

ただ、映画全体が広告的手法である必要はなかったのではないだろうか。
主役の広告マンも、ピノチェト陣営の宣伝担当となる主役の上司も、
良くも悪くも仕事人然としているのである。
つまり、ノンポリなのである。
主役の方は親が昔何かあったようなのだが、
作中ではほとんど触れられてなかったし、
そもそもピノチェトのクーデターがなぜ起こり、
なぜ一定の支持を得たのか(経済発展はしているようなのだが)、
そういう点にはほとんど触れずじまいで、
少々内容が薄く感じられてしまった。

とはいえ、民衆が国家のありようを自らの手で決めるという過程は、
最近でいえばスコットランド独立問題など、今日的な話題でもある。
翻って日本では、民衆がそのように国家のありようを
自らの手で決めてきたことがない。
明治維新などは「無血革命」として評価する国があるらしいが、
あの時民衆は「ええじゃないか」と踊り狂っていただけで、
一部の例外(奇兵隊とか)を除いて武士(多くは下級のではあるが)が
動き回っていたに過ぎないわけである。
そうなってしまう原因の多くは、実は天皇という存在にあるわけで、
革命がすなわち天皇制の否定に結びついてしまうからなのである。
天皇がある限り、我々には国家の形を決める権利はない、とも言えるのだが、
だからこそ天皇が「日本国民統合の象徴」となっているとも言える。
天皇が実質的には政治に関与していないのだから、
もう少しこの国の形について自由に語れるようになっても、
良いような気はしないでもないのだが、
そもそも日本人自体がそういう感覚をあまり持って来なかったのだから、
仕方ないのかもしれない。

映画 『さまよう刃』(☆☆☆)

基本的に警察寄りの日本版(2009年)と違い、
わりと被害者の父親(チョン・ジェヨン、日本版では寺尾聡)寄りに
描かれている韓国版の今作。
「恨(「ハン」と読む)」の文化と言われる韓国では、
この目線の方がしっくりくるんだろうね。
熱量も、日本版(もっと言えば原作)よりかなり高めだし、
抑揚という意味ではコッチに分があると言えるだろう。
しかし、クライマックス直前でさすがに息切れ。
雪の中のあのシーン、ちょっと長すぎたんじゃないのかなぁ。
あと、若い刑事(ソ・ジェニョン、日本版では竹野内豊)が、
熱量不足の日本版以上に存在が空気。
別にいてもいなくても…みたいな扱いにしてしまってるのも、
正直どうかと思うし…
(その分、ベテラン刑事(イ・ソンミン、日本版では伊東四朗)の熱量が
かなり高めなんだが…)。

とはいえ、韓国でも少年犯罪に関しては深刻な問題を抱えてるようで、
その辺に一石を投じようとしてるのではないかという、
メッセージ性を感じる映画になっている。
少年犯罪に対する更生のあり方や、
報道のあり方、また少年を取り囲む環境そのものを含め、
日本にとっても解決すべき問題に踏み込んでると言う意味でも、
熱量の高さを感じさせるわけである
(東野圭吾氏がそこまで意図していたかどうかは、
原作未見なのでよくわからんが…)。

ただ、こうやってちょいちょい日本の小説を映画化してる韓国の、
出版事情ってどうなってるんだろうかねぇ…。

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-13

東京08R 東京ハイジャンプ(3上JGⅡ 障害)
  ◎ ⑦エーシンホワイティ
  ○ ①アポロマーベリック
  ▲ ⑨ケイアイドウソジン
 今年、平地&芝両重賞制覇を果たした2頭を中心視。
 ⑦は、3連勝中と勢いもあるので本命視。
 ⑧は、前走落馬と、それに伴う休養を挟んでいるので3番手評価とする。
 割って入るのは、障害GⅠ勝馬の①で決まりだろう。
 こちらも休み明けではあるが、
 障害馬の雄として無様な競馬をするわけには行くまい。

東京09R レジェンドジョッキーズC(3上1000万下 D短 1点)
  ◎ ⑭サトノアルバトロス
  ○ ⑬ゴールデンスピン
  ▲ ①サンタクローチェ

東京10R レジェンドトレーナーズC(3上1000万下 芝長 1点)
  ◎ ④エイダイポイント
  ○ ②フェデラルホール
  ▲ ⑨ラングレー
  △ ⑩デルカイザー

東京11R エルコンドルパサーメモリアル(3上OP D短)
  ◎ ⑦タールタン      東京相性買って
  ○ ②エーシンビートロン 安定感買って
  ▲ ⑨アスコットシチー   連勝の勢いで

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-12

東京09R 六社特別(3上1000万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑤サトノキングリー
  ○ ②フジマサエンペラー
  ▲ ④キンシノキセキ

東京10R テレビ静岡賞(3上1600万下 D短 1点)
  ◎ ⑩ダノンレジェンド
  ○ ③シンキングマシーン
  ▲ ⑬アメージングタクト

東京11R 毎日王冠(3上GⅡ 芝中)
  ◎ ①ディサイファ
  ○ ⑪ロサギガンティア
  ▲ ②エアソミュール
 重賞連対以上がこのレースで連対する絶対条件
 (1987年まで遡っても、例外は1頭のみ)となるこのレース。
 3連勝中で、東京コースとの相性もいい⑧であるが、今回は残念ながら用無し。
 それ以外の馬の中から本命は、前走エプソムCを勝った①。
 東京コースでの成績はやや極端ではあるが、
 いちおう連対率は高いので、休み明けでも期待はできそうだ。
 対抗には、3歳馬の⑪。
 初の対古馬戦となるが、前走も惜しい内容だったし、
 左回りの方が向きそうでもあるので、こちらも休み明けでだが期待できそうだ。
 3番手には、使われている組から芝1800m4勝と相性が良さそうな②。
 今年に入って2勝と充実期には行っているようにも見えるし、
 今回は使われている分の利に期待したい。

京都09R りんどう賞(2歳500万下 芝短 1点)
  ◎ ③ダノングラシアス
  ○ ②バチスタ
  ▲ ④コートシャルマン

京都10R 清滝特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ①アルテ
  ○ ③アドマイヤカーリン
  ▲ ⑩タブレット

京都11R オパールS(3上OP 芝短)
  ◎ ⑭フギン        連勝の勢いで
  ○ ⑪ルナフォンターナ  距離相性買って
  ▲ ④ウイングザムーン 京都相性買って

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-11

東京09R 山中湖特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ⑥マリアライト
  ○ ①ヘイジームーン
  ▲ ⑪ヤマニンプードレ

東京10R オクトーバーS(3上1600万下 芝長 2点)
  ◎ ②ブリッジクライム
  ○ ⑧フレージャパン
  ▲ ⑥グレイスフラワー

東京11R いちょうS(2歳重賞 芝短)
  ◎ ⑫サトノフラム
  ○ ⑩ネオルミエール
  ▲ ⑨タケデンタイガー

京都09R 円山特別(3上1000万下 D短 1点)
  ◎ ④サトノデプロマット
  ○ ⑦アルボナンザ
  ▲ ⑬リュクスメジャー

京都10R 愛宕特別(3上1000万下 D中 ①点)
  ◎ ⑭ショーグン
  ○ ⑬タガノプリンス
  ▲ ④スノーモンキー

京都11R 大原S(3上1600万下 芝中 ①点)
  ◎ ②バッドボーイ
  ○ ⑫ダノンシンフォニー
  ▲ ③ユウキソルジャー

「新・中央競馬予想戦記」2014年第9開催を振り返って

①10/4、10/5の結果
 (1)10/4の結果
  4勝(古町特別、秋風S、ヤマボウシ賞、シリウスS) 1分(カンナS) 1敗
   回収率 99.2%
 (2)10/5の結果
  4勝(サフラン賞、飛翼特別、道頓堀S、ポートアイランドS) 3敗
   回収率 54.7%
   年間回収率 66.0%
   通算回収率 73.3%

②今開催を振り返って
  (1)1600万下がいちおう水準点
    (11戦通算 71.8%)
  (2)阪神コースもいちおう水準点
    (25戦通算 73.1%)
  (3)オープン戦は相変わらずよろしくない
    (9戦通算 41.8%)
  (4)ダート戦は全体としてはイマイチ
    (全体:14戦通算44.4% 短:6戦通算71.8% 中長:8戦通算25.6%)
  (5)新潟コースが完全に調子落ち
    (26戦通算 38.0%)

③今開催の総括
 開催回収率は54.0%と悪かったが、
 どこかいいところが特段にあったわけではなく、
 全体として数字が伸びなかった。
 本命の的中率自体は悪くなかったので、
 馬券の買い方が悪かったとも言えるが、
 実際にはどう買ってもあまり数字が伸びてないので、
 相変わらず「小さく勝って大きく負ける」のパターンと言うことだろう。
 次開催は、2週目から3場開催。
 ただ、どれもあんまり得意な競馬場ではないので、
 今後も苦しい戦いが続きそうな予感はある。

④10/11、10/12、10/13の買い方
 東京:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 京都:条件戦=複勝 OP以上=枠連

映画 『ミリオンダラー・アーム』(☆☆☆☆)

実話ベースにして、なかなかに深みのある話。
いろいろな部分を取り上げて解釈できるが、
ワシとしては「Business」というものについて改めて考えさせられる作品だった。
この言葉の語源は「Busy」、つまり「忙しい」である。
つまり、仕事とは忙しいものなのである。
また、漢字で「忙」の字は、
「心(=りっしんべん)」を「亡くす」と分けることができる。
忙しいと、心がお亡くなりになってしまうのである。
そもそも、忙しくしてるだけで細かいところに心が行き届かなくなるものである。
その上、マンガなんかでよくある、
目ん玉が「\」だったり「$」だったりしてしまうと、
もうソッチにしか気持ちが行かなくなってしまう。
つまり、「\」や「$」に心を奪われてしまうのである。
で、「\」や「$」のために「とにかく稼げ。結果を出せ」
ということになってしまったら、
それはもう働かされてる方は確実に壊れてしまうだろう。
思うような結果が出せないだけならまだしも、
二度と働けなくなったり、果ては死んでしまうことだってあるかも知れない。
それが「Business」の怖さと言えるかも知れない。
今作では、追い込まれたスポーツエージェント(ジョン・ハム)が、
一発逆転を狙って野球未開の地インドから、
メジャーリーガーを生み出そうと仕掛けるわけである。
インドで速球コンテストという形でオーディションを行い、
上位の2名をアメリカに連れてきてさらに野球を教え込もうとしたわけだが…。
そこには、インドならではの事情も絡み、
またエージェントも他のクライアントにかかりきりになったりして、
いろいろうまくいかないことばかり
(この辺も、「Business」の話につながるわけだが…)。
しかし、出資者からは「1年で結果が出なければ資金を引き上げる」と言われ、
またクライアントにも結局逃げられ、
エージェントにとってはまさにこの二人のインド人が最後の望みとなってしまう。
でも、「期限無しでじっくりやんなさい」って言われてたら、
こんな目の覚めるような成功を収めることができたかどうか…。
締切は確かに無茶振りなものもあるが
(今作の「1年」というのはまさに無茶振りだが…)、
雲をつかむような話にカネを出すヤツはそうそういないものである。
期限を設けて、そこに資産を集中して投入するほうが効率がいいのは確かであり、
だからこそ「ノルマ」というものが存在するわけである。
しかし一方で、こういうことが「一発勝負」で全てを決めてしまう、
というような風潮を生み、
その一発のために偽装したり、粉飾したり、ということが起こってしまったり、
逆に再チャレンジの機会を失い才能をフイにしてしまう可能性だって
出てきてしまうのである(今作もそうなりかけた)。
「Business」の要素はもちろん必要であろう。
しかし、当然それだけではダメなのであって、
まして今作は野球というスポーツがテーマである。
まず「自分が楽し」めなくては続かないし、
わざわざインドの片田舎から出てきた甲斐だって無いわけである。

他にも書きたいアングルはあるが、書き出すとキリがない。
そういう、いろんな切り口で楽しめる興味深い作品である。

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-05

新潟09R サフラン賞(2歳500万下 芝短 1点)
  ◎ ②スマートプラネット
  ○ ⑤スペチアーレ
  ▲ ③バリアーモ
  △ ⑫ハナズプルメリア

新潟10R 飛翼特別(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑯エイシンテキサス
  ○ ④カカリア
  ▲ ⑫アンウォンド

新潟11R スプリンターズS(3上GⅠ 芝短)
  ◎ ③トーホウアマポーラ
  ○ ⑨ストレイトガール
  ▲ ⑮ハクサンムーン
  △ ⑯セイコーライコウ
 今年は新潟開催と言うことで、
 今までのデータがどこまで使えるのかなんとも言えないが、
 思ったより実績の高いコースが中山に偏ってるわけではないので、
 ひとまず今までのデータをもとに予想。
 ポイント的には⑯なのだが、7歳馬は勝ちが無いので4番手止まり。
 とはいえ、新潟コースとの相性は良いので、無視はできない。
 替わって本命は、実績的に関連性の高い中京1200mで重賞勝ちのある③。
 荒れた内枠と言うのが気にはなるが、
 距離実績も高いし、平坦馬場の方が向くし、渋い馬場でも連対実績があるので、
 一叩きした上積み込みで期待してみたい。
 対抗には、1200mで実に8勝を挙げている⑨。
 ぶっつけ本番と言うところが気になるが、いちおう鉄砲実績もあるし、
 平坦馬場で行われる今回なら逆転のチャンスもありそう。
 3番手には、去年の2着馬である⑮。
 この馬はどっちかと言うと力勝負向きでもあるし、
 どっちかと言うと右回りの方が得意そうだし、とにかく不利な要素が多いのだが、
 地力上位だし年齢的にもまだチャンスはあると見て推しておく。

新潟12R 柳都S(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ①メイショウワコン
  ○ ⑪オリオンザジャパン
  ▲ ③トロワボヌール

阪神09R 兵庫特別(3上1000万下 芝長 2点)
  ◎ ③メイクアップ
  ○ ⑭コルサーレ
  ▲ ⑨ユキノサムライ
  △ ⑩アドマイヤスピカ

阪神10R 道頓堀S(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ⑤ラインスピリット
  ○ ⑦レムミラス
  ▲ ⑧ケイアイウィルゴー

阪神11R ポートアイランドS(3上OP 芝短)
  ◎ ⑬オリービン      阪神相性良好
  ○ ⑤ダンスアミーガ    連勝の勢いで
  ▲ ④サンライズメジャー 距離相性良好

「新・中央競馬予想戦記」 2014-10-04

9/27の結果
 2勝(セプテンバーS、大阪スポーツ杯) 1分(夕月特別) 4敗
  回収率 31.5%

9/28の結果
 1勝(寺泊特別) 2分(芙蓉S、甲東特別) 3敗
  回収率 39.2%
  年間回収率 65.8%
  通算回収率 73.3%

いっこうに調子が上がりませんねぇ。
救いなのは、2場開催なことぐらいかもしれないです。
せめてGⅠぐらいは取ってやりたいとは思ってるんですが、どうでしょうかねぇ…。
10/4、10/5の買い方は以下の通り。
 新潟:条件戦=複勝 OP以上=ワイド
 阪神:条件戦=複勝 OP以上=ワイド

新潟09R カンナS(2歳OP 芝短)
  ◎ ③ヴィクトリースノー
  ○ ⑪コウソクコーナー
  ▲ ①サフィロス
  △ ④オールオブユー

新潟10R 古町特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ⑧ピオネロ
  ○ ⑪ロジメジャー
  ▲ ⑤マイネルアウラート
  △ ④クリノサンタクルス

新潟11R 秋風S(3上1600万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑬マイネルメリエンダ
  ○ ⑤レッドセシリア
  ▲ ⑨エンドレスノット
  △ ⑰シベリアンスパーブ

阪神09R ヤマボウシ賞(2歳500万下 D短 ①点)
  ◎ ⑦ワンダフルラスター
  ○ ⑤キャプテンシップ
  ▲ ⑨グラブザフラッグ

阪神10R 芦屋川特別(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑮ワールンガ
  ○ ①カレンステイシー
  ▲ ⑫アリューシャン
  △ ⑪ツインクルソード

阪神11R シリウスS(3上GⅢ D中)
  ◎ ⑩ナムラビクター
  ○ ⑨ジェベルムーサ
  ▲ ④クリノスターオー
 2000mになって以降の7回のうち、
 このレースが初重賞制覇になったのが実に6頭。
 しかし、うち3頭が3歳馬であり、今年はその3歳馬が不在。
 そうなれば、今回は重賞勝馬の方が有利と見る。
 と言うわけで本命は、阪神ダート戦(3-0-1-0)と相性の良い⑩。
 間隔が空いているのが不安ではあるが、
 安定感もあるし地の利もあるのでなんとかなるだろう。
 対抗には、平安Sで⑩に先着(4着、⑩は5着)している⑨。
 阪神コースは初めてだが、こちらも安定感はあるし、
 平安Sと同様斤量差があるので今回も逆転の目はある。
 3番手には、エルムSで⑨に先着(2着、⑨は6着)した④。
 平安Sでは⑩や⑨に先着しており、
 勢いの面ではこの馬に分があるかもしれない。

映画 『ファーナス/訣別の朝』(☆☆)

「交通事故」と「多額の借金」という、、
小市民にとっても身近でかつ重大な転機となりうるイベントを盛り込みつつ、
兄弟仁義的なものも挟み込んで、
いい話的なもの作ろうっていうこと自体は反対しない。
しかし、今作の場合本題に入るまでが冗長で、
しかもイマイチ盛り上がらない。
全体的に流れも緩いので、後半の盛り上がってくるあたりでも、
あくびが出るほど退屈で、
しかも結末までありきたり。
「日曜の昼間」レベルの作品で、せっかくの豪華キャストも台無し。
この程度のバイオレンスなら、邦画でも間に合います、多分…。

映画 『サスペクト 哀しき容疑者』(☆☆☆☆)

上映前に、主役を演じたコン・ユが言い訳がましいことを言っていたが、
アメリカ以外の国で制作費が少ないなんて言ってはいけないし、
制作費で全てが決まるなら、
アメリカ以外の国の映画は全部クソということになるので、
限られた制作費の中で相応の努力をすればとりあえずは良いのである。
そういう意味で今作は、非常に頑張ってる映画だと思うし、
こういうシチュエーションは確かに朝鮮民族にとっては不幸な状況ではあるが、
こと韓国映画界にとっては大きな武器だと思うので、
大いに活用してやればいいのである。

しかも、実写版『ルパン三世』のアクションが韓国製であることを考えれば、
韓国もまたアジアンアクションというムーヴメントに
しっかりと乗ってると言えるし
(近日公開の『ザ・レイド GOKUDO』もオリジナルはインドネシア映画)、
また今作はカーチェイス込みで相当出来がいい。
けっこうハデにぶっ壊すわぶっ放すわで、
少ない制作費の中で充分以上にスペクタクルを表現していると言えるだろう。
ストーリーもまあまあしっかりしてるし、余韻も悪くない。
劣化ハリウッド映画と言えなくもないが、
ワシは欧米人とメンタリティが違うので、
今作のような心象風景の方がワシ的にはしっくり来るのである。

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