映画 『さまよう刃』(☆☆☆)
基本的に警察寄りの日本版(2009年)と違い、
わりと被害者の父親(チョン・ジェヨン、日本版では寺尾聡)寄りに
描かれている韓国版の今作。
「恨(「ハン」と読む)」の文化と言われる韓国では、
この目線の方がしっくりくるんだろうね。
熱量も、日本版(もっと言えば原作)よりかなり高めだし、
抑揚という意味ではコッチに分があると言えるだろう。
しかし、クライマックス直前でさすがに息切れ。
雪の中のあのシーン、ちょっと長すぎたんじゃないのかなぁ。
あと、若い刑事(ソ・ジェニョン、日本版では竹野内豊)が、
熱量不足の日本版以上に存在が空気。
別にいてもいなくても…みたいな扱いにしてしまってるのも、
正直どうかと思うし…
(その分、ベテラン刑事(イ・ソンミン、日本版では伊東四朗)の熱量が
かなり高めなんだが…)。
とはいえ、韓国でも少年犯罪に関しては深刻な問題を抱えてるようで、
その辺に一石を投じようとしてるのではないかという、
メッセージ性を感じる映画になっている。
少年犯罪に対する更生のあり方や、
報道のあり方、また少年を取り囲む環境そのものを含め、
日本にとっても解決すべき問題に踏み込んでると言う意味でも、
熱量の高さを感じさせるわけである
(東野圭吾氏がそこまで意図していたかどうかは、
原作未見なのでよくわからんが…)。
ただ、こうやってちょいちょい日本の小説を映画化してる韓国の、
出版事情ってどうなってるんだろうかねぇ…。
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