映画 『荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜』(☆☆☆)
「生まれる時代と場所を間違えたヤツってのは、どこにでもいる」
というマクラで始まる今作。
主人公は、言ってみれば「逆のび太」状態の、
頭脳明晰だがサバイバル能力ゼロの男アルバート(セス・マクファーレン)。
冒頭から、西部劇名物のひとつである「決闘」を回避し、
付き合ってたカノジョには暗にヘタレだと思われてフられる。
落ち込んで「こんなこ汚い町なんか出て行ってやる」と思ってたところに、
ドラえもんならぬ美女(シャーリーズ・セロン)が登場。
彼女は、アルバートの優しくて血生臭くないところに惹かれたようだが、
彼に西部で生き抜くために銃の手ほどきをする。
とにかく彼女は、銃がめちゃくちゃうまいのだが、
それもそのはずで彼女はなんと、
当時西部一の極悪人クリンチ(リーアム・ニーソン)の妻だったのである。
そんなこととはつゆ知らず、
彼女といい仲になっていくアルバート。
そこに、当然のごとくクリンチが現れるのだが…。
みうらじゅん氏が「ウンコチンコウエスタン」と評したように、
『テッド』をホウフツとさせるオゲレツ描写が散見するわけだが、
そこにさえ目をつぶれば存外よくできた西部劇。
崩し方もなかなか堂に入っていて楽しい映画に仕上がっている。
オゲレツ描写が少なくないので万人向けではないが(実際R15指定だし)、
たまにはこういうおバカな映画も良いのではないだろうか。
むしろ、『柘榴坂の仇討』みたいにクソ真面目な時代劇ばっか撮ってないで、
日本もこういう少し崩した時代劇(あ、『さや侍』とかはダメだからね)
とか撮ってみせてもバチは当たんないと思うんだけどねぇ…。
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