映画 『悪魔は誰だ』(☆☆☆☆)
だいたい時効ものっていうのは、
時効に向かって話が盛り上がっていくものだが、
今作は逆に時効からすべてが始まるといってもいい作品。
そして、タイトル通り「悪魔」が誰なのかを観客に問うていく作品でもある。
まぁ、ワシは見事に騙されたわけだが、
痛快に騙されたのでむしろいい気分である。
しかし、みんな本当の意味の悪魔ではなく、
それぞれが抱える事情を斟酌する必要があり、
そういう意味では誰もが悪魔に堕する危険を孕んでいるとも言える
(『母の身終い』のアランに同じことが言える)。
多くの人間は、悪魔になりたくてなるのではない。
むしろ、良心があるからこそ悪魔に堕する場合があるわけで、
「悪」という字に「心」があるように、
悪もまた心なのである。
今作に関しては、あまり多くを書きたくない。
是非観てもらいたい。そういう作品である。
それにしても、今年の韓国映画はワシ的には豊作である。
翻って邦画ときたら、完全に二時間ドラマと競合関係にあり、
言ってみれば「たわけ(田分け)」の状態である。
地上波では、昼は過去作、夜は毎日どこかで新作が放送され、
BSでは毎日過去作、
CSもテレビ局系のチャンネルなどではBSと同様のありさまである。
で、映画はと言えば、二時間ドラマとそう変わりない脚本である。
このままでは、共倒れであろう。
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