映画 『U Want Me 2 Kill Him/ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム』(☆☆☆☆)
『ディス/コネクト』とは違う意味でネットの怖さを見せつける作品。
しかも、実話ベースである分、インパクトだけならこっちの方が上とも言える。
しかし、人ひとり振り向かせるために、ここまでするもんかねぇ。
今作では敵役みたいな扱いになるジョン(トビー・レグボ)ではあるが、
キャラの立ちっぷりで言えば主人公のマーク(ジェイミー・ブラックリー)より
はるかに上だろう。
ラストを見てもわかるように、相当な虚言癖の持ち主であり、
しかもなかなかの構築力。
この妄想力をうまく使えば、作家や脚本家だって夢ではないだろうに…。
しかし、学校では家庭環境のせいもあっていじめられている。
そこから抜け出したかったっていうのはわかるんだけど、
巻き添えにされたマークはいいとばっちりである。
マークはマークで、フツーの青年。
ただ、少々視野が狭いというか、思い詰めてしまうところがある。
考え方によっては、思い込みの激しいマークの心が、
刺激的なジョンの妄想に見事染め上げられてしまったと言える。
しかし、その結末がああいう方向に向くとはねぇ…。
ジョンの心の闇も相当なものである。
正直、助かってしまって一番ショックだったのは、
マークよりもジョン本人だったのではないだろうか。
日本では、このケースは間違いなくひっそりと自殺コースだろうが、
キリスト教圏では自殺は宗教上罪とされているので、
こういう回りくどいことになるのかもしれないが、
学校というある意味閉じた社会の中で息苦しさを感じている
子どもがいるのは何も日本だけではないということを、
改めて思い知らせてくれる、そんな作品である。
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