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映画 『バンクーバーの朝日』(☆☆☆☆)

年末年始野球映画祭り第一弾(他は『KANO』と『アゲイン』を予定)。
と言っても、今作のメインは野球というよりは、
戦前の移民の現実の方かもしれない。
2003年にカナダ野球殿堂入りした、
戦前の日本移民で構成されたチーム「バンクーバー朝日」。
メンバーは、日系カナダ移民2世が中心の若いチームで、
そうでなくても体格で劣る日本人が、
当初はいろんな意味で子ども扱いされていたのを、
現代風に言えば「スモールベースボール」と「ID野球」で、
やがてカナダリーグ屈指の強豪に育っていくという話。
もちろんそれだけでなく、カナダ人とのあり方もだんだん変わって行き、
互いに認め合う存在になっていくのである。
あの日、1941年12月7日が来るまでは…。

相変わらずの直球映画で、
ちょっと前まで「ビッグコミックスペリオール」で連載されていた
マンガ版の方がえげつない描写が多かった分(断片的にしか見てないが)、
マイルドな仕上がりなのではあるが、
オープンセットの出来が非常によく、
とても雰囲気が出ていたのがまずよかった。
また、当時の世界情勢を考えれば決していい状況ではなかったカナダ移民にとって、
バンクーバー朝日の存在が、まさに陰鬱とした闇を切り裂く
朝日のように希望の光となっていたさまが、
すがすがしく描かれているのが好印象である。

しかるに、あの戦争を始めたやからというのは、
おそらく移民たち(満蒙開拓団も含む)のことなんか一顧だにせずに、
あの戦争をおっぱじめたんだろうね。
移民が日本に帰るといじめられていたって話が作中にも出てくるが、
単一民族国家ゆえなのか日本には妙な純血主義があるからねぇ。
それに、今(に始まったことじゃないけど)の中国人のように、
移民しても現地になじまず自国民だけでつるんだりすることもあったみたいだし
(これはどこに移民にもあったことだけど)、
そういう意味ではあまり人のこと言えないわけだが…。
そういう、日本国内であまり語られない話に、
こういう形で焦点を当てたということに、
今作の真価があると、ワシは思うのである。

ただ、相変わらず邦画の悪いところで、
スタッフロールが非常に不親切である。
なんで役名と俳優名を併記せんのかねぇ。
しかも、途中でバンクーバー朝日の生き残りの方が出てくるんだけど、
名前もわからんし…。
そういうところ、ちゃんとしてほしかったんだけどねぇ。

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