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映画 『神は死んだのか』(☆☆☆☆)

まさに現代の神学論争であり、
『スーパープレゼンテーション』的でもある今作。
アメリカ国内で数多ある宗教関連の訴訟を下敷きに
作られた作品であるが、
KKKなどの狂信的集団がいる一方で、
こういう議論が真剣に交わされている点を考えると、
改めてアメリカという国の懐の深さを感じさせてくれる。

ただ、原題(God's Not Dead)を考えると、
結論ありきな映画である感も否めない。
そして、その原題を疑問形にした邦題を見るにつけ、
宗教というか信仰に対するアメリカ人と日本人の
温度差を感じずにはいられない
(単に商業的に勿体つけてるだけかもしれないが…)。
『母の身終い』の回でも書いたように、
日本人は宗教色の薄い国であるにも関わらず、
例えば尊厳死に関する話などは言論封殺に近い現状である。
逆にアメリカでは、州ごとに出来たり出来なかったりするわけで、
そういう意味では敬虔である一方で融通性のあるわけである
(この辺も、単に日本人は議論を好まないだけなのかもしれないのだが)。

今作では、イスラムとキリストという、
信仰そのものの違いの問題や、
人間からの承認の欲求と神からすでに承認されているとする、
心理的な問題などにも触れている。
これらの問題に関しては、
あまりどちらかに偏らない方が良いのでは、
と今作を見て改めて思った。
前者で言えば、作中ではキリスト教を信じる娘を、
イスラム教徒の父が平手打ちした上に家から追い出してしまう。
しかし、もし神が存在し、意志を持っていたとして、
たとえ敵対する(と言っていいのかも難しいところなのだが)
宗教に転向したからといって、
こういう行為に及ぶことを果たして望んでいるのだろうか
(まぁ、案の定作中でも後悔してるわけだが…)。
後者に関して言えば、これが行き過ぎると
自分のことを「選ばれた人間」だと勘違いするヤカラがいるので、
どっちの方向にしろ、過度な承認欲求は持たない方が良いということだろう。

正直、日本人にはあまりなじまない題材ではあるが、
今年はカトリックでは法皇の交代があり、
また「イスラム国」や「ボコ・ハラム」といった、
イスラムの先鋭的な部分が現れた年でもある。
ややもすれば、「十字軍」の時代の再来すら危惧されるわけだが、
むしろ宗教や信仰と言ったものが注目されている時代
(世界的に見れば当たり前のことなのかもしれないが)とも言える。
ワシ自身は、
「神はいるが、個々損の運命のような瑣末なことに、
神はいちいち首を突っ込まない」
と思っている、そんな生臭い考え方なのではあるが、
宗教を知ることは世界を知ることとも言えるので、
これを機会に髪について改めて考えてみるという、
年末年始の過ごし方も悪くないと思うのだが…。

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