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映画 『ビッグ・アイズ』(☆☆☆☆)

もう、まさに佐村河内事件を見るような内容。
力関係で言えば、旦那(クリストフ・ヴァルツ)が佐村河内で、
奥さん(エイミー・アダムス)が新垣氏となるあろう。

もちろん、似ている点と違う点がある。
似ている点は、やはり商才の有無だろう。
おそらく奥さんは、単独では画業で世に出ることはなかっただろう。
押しが弱いし、何といっても女性である
(その辺の話は後述するが)。
対して旦那は、そもそも絵が描けない
(この辺、佐村河内の「音符が読めない」に通じる部分がある)が、
セルフプロデュース力には長けており
(要するにペテン師なのだが)、
かつ不動産屋で得た経験からか口がうまい。
しかも、やたらと目ざとい(金に対する嗅覚が敏感)のである。
彼のような天才的ブローカー無しには、
「ビッグ・アイズ」が世に出ることはなかっただろう。

しかし、現代は非常に流れが速い。
コトが露見してから佐村河内が陥落するまでわずか数か月で、
しかも裁判を経ることもなかった。
対して今作は、1960年前後の話が中心である。
冒頭で「この時代は男性優位の時代であった」とナレーションが入るように、
まだまだ女性の地位が低い時代であった。
しかも奥さんは、横暴な元夫から娘ともども逃げ出したところである。
女性の働き口の多くない時代で、
しかも彼女自身まともに働いたことがなかったのである。
そこに、彼女の絵の才能を見出し、まして身元を引き受けてくれるとなれば、
少なくとも当初は多少のことには目をつむる必要もあっただろう
(この辺、『マッサン』とも重なる部分があるよなぁ)。
しかし、旦那の名声が高まるにつれ、
彼女にとって看過できない出来事がどんどん起こる。
娘に嘘をつく。
ろくろく家から出られなくなる。
友達もなくす。
挙句に、「ばらしたら殺す」とまで脅される。
結局、ニューヨーク万博における失敗を契機に、
この家族の生活は破綻を迎え、奥さんは、真相を暴露。
裁判になるが、裁判官に「実際にお二人とも絵を描いてみてください」
と言われて、旦那もいちおうは観念するが、
それでも無一文になるまで戦ったというから、
度し難いというか…(気持ちはわからんでもないが)。

ここまで書くと、実は佐村河内はこの事件の顛末を知っていて、
事件そのものまでパクったんではないかとさえ思える。
しかし、今作にしろ佐村河内事件にしろ、
一時期とはいえ互いを必要としていた時期があったわけだから、
それこそWinーWinでいられる方法があったと思うんだけどねぇ。
欲望が人を狂わせる、という典型例だということなんだろうけどね、結局。
とりあえず、ウソは良くないってことだよ。

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