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映画 『ジミー、野を駆ける伝説』(☆☆☆)

「活動家」と言っても、右から左まであるわけで、
今作の主人公であるジミー(バリー・ウォード)は、
厳密にどっちとは言い難い存在かもしれない。
確かに、労働者の意見を代表しているという意味では、
社会主義者(左寄り)というくくりが適当なのだろうが、
今作の舞台であるアイルランドの場合、カトリックとの関わりもあるし
(今作ではこのあたりとの関わりが結構重要になってくるのだが)、
年代で言えばファシズムも一定数の勢力を持っていたし
(今作ではカトリックと結託してジミー排斥に動くのだが)、
そしてもちろん世界恐慌の波があるわけで、
日本でも『蟹工船』が生まれるころで、
労働問題自体は世界的な問題だったわけである。
最終的に、労働問題の解決を戦争に求めたのが、
第二次世界大戦であるという側面があるわけで、
そういう意味では難しい時代ったといえるのだろうが…。

ジミーが希求したのは、労働者の権利とかそういうことではなく、
「自由」という普遍的な権利だった
(そういう人間を「共産主義者」と言って弾圧していたのだが…)。
それを、宗教的権威による抑圧のもとに置き、
自由を束縛していたのは、ほかならぬカトリック側なのだから、
そこと軋轢が生じるのはある意味当然のことなのだろう。
ただ、宗教がそこまでの影響力を有するということを、
大多数の日本人は理解できないのではないだろうか。
とはいえ、「イスラム国」の台頭で、
世界が改めて宗教と向かい合わざるをない状況にあることもまた確かなわけで、
宗教に対してあまり関心を示さない
(イベントのネタか何かとしか思ってないのが大多数と見えるが…)
日本人が本来は首を突っ込むべきでない話題なのでは、という思いが強い。
本気で向かい合うならば、宗教というものをまじめに研究する必要もあるだろう。
今作は、宗教的権威と自然権との対立を描いた、
という意味では参考になる話ではあると思う。

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