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映画 『天国は、ほんとうにある』(☆☆☆☆)

『神は死んだのか』と一対で観ると面白いかもしれない、
アメリカで実際にあった臨死体験(作中ではその表現を否定しているが)
が元になっている映画。
しかもその被験者が4歳で、その上二人も登場する。
「歌う天使」や「キリストに会った」ぐらいなら、
まぁ感受性の範囲内で済まされるかもしれないが、
「お父さんのおじいちゃん(しかも若い姿)に会った」とか、
「妊娠中に死んだ(日本風に言えば水子)お姉さん(しかも10歳ぐらいに成長した姿)
に会った」
とか言われてしまうと、もう想像力のレベルでは片付けられないだろう。
しかも父親が牧師をやってるとなれば、
その現実の受け止め方も一般人とは違うものになるだろう
(作中でも、「信者には信じろと言ってることだが、
いざ身の回りで起きるとにわかには信じがたい」と言っているしねぇ)。

しかし、こういう話の怖いところは、
こういう話や『サン・オブ・ゴッド』の中の様々な奇跡をあげつらって、
信仰や宗教が神秘主義に傾いてしまう懸念があることである
(作中でもその疑念は提示されている)。
しかし、今作の良いところは、きちんとその辺のバランスを取っていることである。
先の牧師である父の懊悩とクライマックスの説教にそれが現れている。
また、彼のような優れた語り手の存在が、
単なる信仰を宗教たらしめている一因と言えるだろう。

翻って日本の神道である。
国家神道の誕生以降(=明治維新以降)、
そうでなくても民間信仰にアマテラスだのオオクニヌシなどを
無理矢理上書きした神道を、
あまねく浸透させうる優秀な語り手を一人でも得ることができただろうか。

宗教を語る難しさを物語る作品とも言えるだろう。

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