映画 『馬々と人間たち』(☆☆☆)
冒頭から飼い主(♂)が乗っている白馬(♀)に、
飼い主に想いを寄せている女性が飼育する馬(♂)がまたがるシーン
(しかも、こと切れた5本目の脚がしっかり映ってる)
から始まる今作。
人間の男女の仲が若干よそよそしくなるのはまあいいとしても、
そのあと「穢された」とばかりにその白馬を飼い主が撃ち殺してしまうのである。
この二人の話を軸として作品は続いていくが、
その後も、ウォッカのために馬ともども(アイスランドの冷たい)海に飛び込む男や、
老馬ともども遭難してしまう男の話など、
人間と(アイスランド純血種の)馬との関わり合いを、
いくつかのエピソードで切り取っていく作品である。
上記のエピソードの他に馬がもう1頭と、人が2人死ぬという、
ある意味壮絶な作品ではあるが、わりと淡々と話は進んで行く。
「馬も人間も同じ動物だ」とかいう理屈をつけてる評論も見られるが、
エンタテインメント性にやや欠ける作品ではある。
ただ、人間と馬の付き合いというのは、
こういう素朴なところから始まってるわけであり
(今作のエピソード群はそれほど素朴な話ではないが)、
昔は馬と人間がこうやって普通に存在し合ってたのだな、と思うと、
現状が少々寂しく思える。
愛玩動物(にしては少々大きいが)であり、
かつ乗り物でもあるこの愛すべき存在を、
ただ見てるだけでもそれなりに価値のある作品であると、
単なる競馬バカのワシでも思うのである。
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