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映画 『アメリカン・スナイパー』(☆☆☆☆)

クリント・イーストウッドの紡ぎ出す戦争映画は、
相変わらず重くって、男くさいよねぇ。

アメリカ映画だから、表立って「反戦」とは必ずしも言いにくいんだろうけど、
だからと言って決してクリス・カイルを英雄視ばかりしてるわけじゃないし
(ラストは、確かに彼の葬儀に関する実際の映像だけど)、
むしろ、最初の出征から帰って来て以降、
出征のたびにひどくなるPTSDと、
家族との距離に苦しむさまを描いている辺りは、
家族と戦争という普遍的な話にしているという意味では、
戦争の現実をえぐり出していると言えるだろう。

戦争の現実という意味で言えば、
冒頭の子どもが対戦車手榴弾を持って部隊に近づく。
これを撃ち殺したのが、クリス最初の戦功になるわけだが、
その後、子どもに手榴弾を渡した母親は、
子どもを一顧だにせず手榴弾を拾い上げ、
再び部隊に接近するのである
(クリスは、これも射殺するわけだが)。
いかに敵が憎いとは言っても、
いかに子どもが目の前で撃ち殺されたとは言っても、
そこに母子の情愛というものは無いのだろうか。
いくら子供だからと言っても、
あんな物騒なものを持って近寄れば、
撃ち殺される可能性は充分考えられただろうに、
それをさせた上に、あまつさえ撃ち殺されても一顧だにしないというのは、
家族のあり方としても、宗教のあり方としても、
正直どうかと思うんだけどねぇ…、
と言ってはみたものの、
日本も70年前まではそれを良しとする教育を施していたわけで、
その辺に関する反省というか総括のようなものが、
特に最近の政府から感じられないのが、どうもねぇ…。

よく言えば、バランスが取れてる作品ではあるんだろうけど、
本人の手記が元になっている作品だから仕方ない面はあるのだろうが、
クリスの本当の苦しみに、今ひとつ踏み込めてない感じがしたのが、
気になる作品ではある。

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