映画 『ラン・オールナイト』(☆☆☆)
アメリカ映画の得意技「家族の物語」であり、
父親がワルな二組の親子が物語の中心。
ジミー(リーアム・ニーソン)は、息子には悪の道に手を染めてもらいたくないと思い、
自ら身を引いたために逆に息子から嫌われることになった。
それだけでなく、殺し屋として親族も手にかけてしまったために、
一族からも鼻つまみ者にされているのである。
一方、ショーン(エド・ハリス)は、
表向きは悪事から手を引いたと言いながらも、
闇社会に隠然たる力を持ち、裏稼業はもっぱら息子に任せていた。
そんな、交わるはずのないお互いの息子たちの人生が、
ひょんなことから交わってしまう。
リムジンタクシーの運転手を営んでいたジミーの息子マイクの、
その日の客はヤクのバイニン。
しかも行先は、ショーンの息子ダニーの家。
そこでヤクのバイニンたちがダニーに撃ち殺される。
その現場を、マイクは目撃してしまう。
その話をショーン経由で聞いたジミーは、
マイクを黙らせるべくマイクの家に向かい、ぎこちない会話を交わす。
そこに、ショーンの制止を振り切ってダニーが乗り込む。
ダニーがマイクを殺そうと引金を引こうとしたその時、
ダニーの首筋を弾丸が一閃。銃弾の主はジミーの拳銃だった。
息子の復讐に燃えるショーンは、
手なずけていた警官まで投入してジミーとマイクを殺そうとするのだが…。
まず、「ニューヨーク中が敵」という表現が大げさ。
ほぼ、マフィアと警官だけがおっかけてるので、わりとフツーです。
どうせだったら、防犯カメラ総導入とか、
もう少しきっちり追い込んで欲しかったよなぁ…。
そもそも、ジミーとショーンがもともとは仲間同士だったっていう設定に問題がある。
確かに、そうであるからこそ、
ジミーがニューヨークの裏事情に通じてるのも納得なのだが、
だからこそお互いに詰めが甘くなるっていうか、
特にショーン側が完全にやられ役だらけで
ヤバいのが最後まで追っかけてくるプライスだけ。
要するに、『96時間』バリに「最強のお父さん」をまたやってるだけっていうね…。
確かに、相変わらずアクションシーンは見ごたえがあるんだが、
息子の方がラスト以外ほとんど機能してないし
(親父が機能させないようにさせてたっていうのはあるんだが…)、
今作も「リーアム・ニーソンのための映画」になってしまってるのがなぁ…。
もったいない作品。
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