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映画 『グローリー/明日への行進』(☆☆☆☆)

ワシが勝手に言っている「オバマ政権最大の功績」である、
黒人映画の集大成的作品。
彼の存在無しにはオバマ政権は成立しなかっただろうとさえ言われる、
マーティン・ルーサー・キング・Jr扱った、初の映画化作品。
1965年3月7日の「血の日曜日事件」前後のキング牧師らの動きを、
FBIの盗聴記録(!)や当時の映像などを使い追っていく内容である。
彼は牧師であり、1964年にはノーベル平和賞も受賞しているが、
父として、夫として、カリスマとして苦悩する様を、今作では活写している。
キング牧師らの戦い方は、『ハーツ・アンド・マインズ』で描かれた、
同時代の北ベトナムと同じくメディアの力を使うというものである。
特に「血の日曜日事件」で、無抵抗の黒人を白人警官が殴打する様が
全米に放映されると、事件が起こったアラバマ州セルマには、
人種をまたいだ25000人もの人々が全米から集まり、
キング牧師でも抑えきれないほどの一大事に発展していくのである。
それを成し遂げたのが、当時35歳の一牧師だと言うのだから、
日本との違いを改めて思い知らされる。
ベトナム戦争以降、報道制限を強化する話が
『ハーツ・アンド・マインズ』で紹介されたが、
同時期に起こったキング牧師の動きもその要因の一つになったように思われる。

今年3月7日に、オバマ夫妻らがセルマで行進を行い、
「我々の行進はまだ終わってない」と演説したように、
最近のアメリカで反動のような動きが起こっていることは見逃せまい。
米国民の関心がどちらかというと外(=ベトナム)に向いていた頃でさえ、
差別は色濃く残っていた。
今、「世界の警察」をやめて米国民の関心がどちらかというと
内向きになってきているからこそ、
一向に浮上しない景気などを背景に再び差別的な動きが強まっているのでは、
という危惧もあるが、今年は節目の年である。
世界の隅々まで「民主化」の嵐を今まで散々起こしておきながら、
足元でそれを揺るがすような状況が起きているのに、
それを座視しているのは正しい行動とは言えないだろう。
いろんな意味で記念碑的作品。

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