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映画 『きみはいい子』(☆☆☆☆)

これから、40代独身、カノジョ無しが、偉そうなこと書きます。

今作で描かれているのは、日本の教育の現場における、
まごうことなきリアルである。
卒業したての教師に、いきなり小学4年の担任をさせる
(まぁ、どの学年でも担任の時点でキツイだろうけど)。
モンスターペアレントに学級崩壊。
さらに今作では、主役級世帯がことごとく片親みたいな状況。
近隣社会が成立していない、上っ面だけのコミュニティ。
DVや認知症、老人による犯罪…。
ワシがこの中で特にフィーチャーしたいのは、
子育ての主体にやはり男親がいないことであろう。
ワシは、究極的にはジェンダーは越えられないと思っているので、
母親が母性だけでなく父性も担保している今の子育ての現場は、
やはり歪んでいると思うわけです。
そうしているのは、多様な働き方を認めず、
残業をよしとする、あるいは残業しないと生活が成立しない、
現代日本社会に問題があると考えられる。
『アベンジャーズ エイジオブウルトロン』(ワシは観に行く予定はないが)の
予告編でも、ホークアイの奥さんが旦那であるホークアイに
「子どもたちには父親が必要なの」と言っているように、
欧米ではそういう教育が一般的なのである。
日本は敗戦からこっち、異常なペースで復興と成長の階段を駆け上がってきた。
その結果、田舎のコミュニティは活力を失い、
都会の寄せ集めコミュニティは今やその脆弱さをあらわにし、
「しつけ」と呼ぶにはあまりにも苛烈な状況が、
世代を通じて再生産されている(この話は、作中にも登場する)。
愛を教えられずに大人になる人がたくさんいるのである。
もちろん、作中ではそれなりにバランスをとってはいるのだが…。

ただし、ワシとしてはあのラストシーンは少々いただけない。
良い面も悪い面もきちんと描いているのに、
肝心のラストで混ぜっ返すようにしてしまったのは、正直どうなんだろうか。
ラストシーンなので、あまり詳しく書けないのだが、
ああいう形で中途半端に希望を残してしまうから、
結局何も前に進まないのではないだろうか。
もちろん、原作のある話なので、原作でもああいう風に描いているのかもしれないが、
なかなか厳しいフリを入れ続けているだけに、
ああいう中途半端な終わり方はやはりどうかと思うのである。

基本的にはよく出来た作品なので、一見の価値はある。

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