映画 『コンフェッション 友の告白』(☆☆☆)
底辺の人間がいかに這い上がろうとしても、
ただ流される者はその奔流に呑まれ、
小悪党は足元をすくわれ、
真面目なだけの人間は結局損をする。
そして巨悪がのさばるのである。
そういう意味で、あのラストは唯一残された光明であり
(失ったものの大きさを考えれば、そう素直に喜べるものでもないだろうが)、
アレが無いとホントに救いの無い話になってしまう。
キッカケは、ウィンーウィンを狙った保険金詐欺なのだが、
一つのボタンの掛け違いからものの見事に崩壊する、という話なのだが、
そもそも保険金詐欺も地下カジノも贈収賄も全部悪いことなので、
「不当な利益を得るには不当な行為をしなければならない」
という等価交換の原則を考えれば、あの破局は充分考えられたことであろう。
今作はそういう意味では教条的(マジメがイチバン)で、
しかもそのマジメな主人公がやたら懐が深いのである。
しかし、彼ひとりが聖人ぶっていても、周りの人々はすでに闇に呑まれた後で、
聖人が一人いたところで手の打ちようがなかったのである。
ある意味韓国映画らしい、爽快感ゼロの生々しい作品。
でも、日本の闇ももう既に結構深いんじゃないかなぁ。
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