映画 『コングレス未来学会議』(☆☆)
虚実の関係に若干の違いこそあれ、
その関係性は『マトリックス』に近いものがある。
現実世界を実写、幻想世界をアニメーションで描いてる今作であるが、
アニメーションがあまりにもケバケバしい世界観で、
ジャンキーな世界になってしまってるのが実に興醒めで、
しかもそれが主人公が望んでる世界なわけだから
(そういう意味では、『マトリックス』のように、
共通の世界を構成員全員が共有してるわけではないはずなのだが…)、
その中で主人公が懊悩してるというのは少々奇妙なわけで、
つまり世界観設定に矛盾があるように思われるのだ。
この違いは、『マトリックス』がさながらMMORPGのように、
運営者(この場合コンピュータ)に接続している構成員の脳に直接送り込んでいる点と、
今作が幻覚誘発剤によって現実世界を自分の都合のいいように見えるようにしている、
という虚構世界へのアクセスの仕方の違いに起因している。
つまり、その気になれば見たいものだけを見、
感じたいものだけを感じることだってできるはずなのである。
しかし、実際にはそうではないわけで、
この辺に今作の世界観設定の矛盾につながっている。
しかも、言いたいことは結局それかい、と言いたくなる程度の、
お陳腐な話で、ラストも超あっさり味。
原作を活かしきれてない(原作未見だが…)印象が拭えない。
むしろ、今の映画界を反映して、
売り渡した自分の若い時のイメージとのギャップに懊悩するとか、
あるいはその若い時のイメージと共演するとか、
そういうテクノロジーの使い方を提示してくれた方が良かったかな。
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