映画 『ナイトクローラー』(☆☆☆☆)
日本のテレビ番組でも「衝撃映像特集」みたいのが、
改変期を中心に放送されることがあるが、
今作を観て改めて思うことは、まずそういった「衝撃映像」を、
眉一つ動かさず黙々と撮っているカメラマンが存在するということ。
今作ラストでも主人公が言ってるように
「人々の破滅の瞬間に、我々は現れる」、彼らはそういう存在なのである
(彼ほど堂々と言い切ってしまえるのはさすがに希有だろうが…)。
開始当初、コソ泥だった主人公のゆがんだ立志伝と捉えることもできるが、
彼の言ってること自体はそれほど間違ってない、というか、
新人育成にすぐ使えそうな話もいくつかあるぐらいまともなことを言っている。
「欲望だけが世界を転がしていく」のだとすれば、
まさに主人公は欲望に正直なのであるが、
最後まで「コソ泥根性」だけは治らなかったねぇ…。
他人の受け売りを堂々と語ったりするし、
不法侵入や他人の足を引っ張るなんてお手の物。
しかし、欲望に週時期であるがゆえに、他人の欲望のありようにも敏感であり、
その辺をうまく「アメとムチ」のように使い分けるテクニックもある。
テレビ局のプロデューサーじゃないけど、
「絶対に敵に回したくないタイプ」の人間であることは確かだろう。
なんといっても、これだけの悪人でありながら、
危ない橋を渡りながら「立志伝」と先述したように、
ちゃんと成功しちゃうというところがすごい。
『デスノート』で言うと、「L」が死んだところで終わっちゃうぐらいの黒エンディング。
ある意味、俗な正義論をぶっ飛ばしちゃうところが
アメリカ映画の魅力の一つと言えるだろう。
主人公を演じるジェイク・ギレンホールの切れっぷりも当然注目の一作である。
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