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映画 『名もなき塀の中の王』(☆☆☆)

誰を中心(といっても主に視点は2つだが)に観るかによって、観方が変わる作品。
本来の主人公エリック(ジャック・オコンネル)は、
少年院からそのまま大人の刑務所に繰り上がるほどの、
札付きのワル(何が原因で少年院入りしたのかは不明)。
しかも、刑務所に入っても数々の暴力沙汰を起こし、
たびたび懲罰房入りするわけだが、父親(後述するもう一つの視点の主)や、
少年養護施設の施設長などろくな大人に出会わなかったせいか、
大人に愛する敬意も信頼も全くないのである。
だから、看守長にも刑務所内で再開した父親にも、
彼を更生させようとした男にもとにかく反抗し続けるのである。
彼目線から言えば、「大人への反抗の結末」ということになるだろう。
そして、もう一つの視点は、父親目線なわけであるが、
彼はエリックが幼い頃から刑務所入りし
(そのためエリックは、児童養護施設に行く羽目になるわけだが…)、
所内で人殺しをやってしまったため、
彼に言わせると「一生出られない」のだという。
そんな彼の元に、すっかりやさぐれた息子と、ある意味最悪の形で再会を果たす。
所内状況に詳しい彼は、エリックに「なるべく目立つな」と教えて、
無事に出所することをひとまずは願うのだが、
一方で腫れ物に触るような更生者のセラピーにいらだったりもし、
また所内で麻薬取引をやっている医者の意を受けて、
所内治安を守らなければならない
(エリックを押さえ込むのにはその辺りにも理由がある)。
しかし、いよいよエリックの行状が目も当てられないような状況になり、
看守長らが最終手段に打って出るのだが、
同時に父親にとってそれが「親子の絆」を取り戻す最後のチャンスになるのだ。
状況は特殊ではあるが、
親子の衝突と子にとっては親の超克、
親にとっては絆の再確認という、普遍的なテーマを取り扱っている。
ここまでの舞台を用意する必要があるかどうかはともかくとして、
普遍的(陳腐とも言えるが)なテーマを様々な視点から見つめるというのは、
常に必要なことであろうと思われるので、
そういう意味では興味深い作品と言えるのではないだろうか。

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