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映画 『ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』(☆☆☆)

世界の名だたる映画賞に輝きながら、
なぜかアカデミー賞だけは「名誉賞」しか取れなかった
(その名の通り、勝ち取るものではなくいただく賞である)、
天才映画監督ロバート・アルトマンの(ほぼ)一代記と言ってもいい、
ドキュメンタリー映画。
今では常識となったさまざまな技法を生み出し、
それがために当時の映画界から総スカンを食うという、
革命者らしい生き方を貫いた、という意味では確かに見るべきものがある。
しかも、彼の映像作品だけでなく、ホームビデオやメイキングなど、
彼に関わるさまざまな映像によって、彼を振り返るわけである。
ただし、今作はあくまでも「映画人」ロバート・アルトマンの
ドキュメンタリーであって、
そのプライベートについて今作では多くを割いていない
(家族を大切にした、という話だけはいくつも登場するが)。
とはいえ、彼は多くの革新的な撮影技術を生み出してきたが、
映画作りで一番大事なものに「演者」、すなわち人間を持ってきていることである。
もっと言えば、彼が生み出した撮影技法は、
演者を輝かせるために生み出されたと言っても良いのではないだろうか
だからこそ、俳優たちは彼の呼びかけに快く応じるのであろう。
製作者側から見れば危なっかしい監督でも、
演者から見れば自分を美味しくしてくれる名監督、というわけである。

翻って日本である。
ロバート・アルトマンは、上記のように製作者側から嫌われる存在であり、
彼自身もなかなか自由を与えてくれない製作者側と距離をとっていた。
つまり一匹狼であり続けたのである。
だからこそ、新しいことに挑戦できたし、そういう発想もできたように思われる。
しかし、日本人の多くは群れることを好み、
群れからはぐれることに不安を感じる。
こういうところからは、新しいものはなかなか生まれないのではないだろうか。
ロバート・アルトマンのような存在を許し、
それを受容する態度こそ、今の日本には必要ではないかと、
ワシは今作を観て改めて思った。

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