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映画 『海難1890』(☆☆)

2013年の『勝手に映画賞』(ワシ私選の映画賞)で
最高賞に輝いた『飛べ!ダコタ』と似たタイプの映画で、
1890年に和歌山沖で沈没したトルコの軍艦「エルトゥールル号」の
乗組員救出の史実と、
1985年にイランのテヘランに取り残された日本人を、
トルコ政府が救援機を飛ばして救った話を絡めて、
両国の友好がただならぬものであることを訴えたい、というのが今作。
『飛べ!ダコタ』の話は、今作で言えば1890年の話だけで構成されているわけだが、
その分詳細でかつ丁寧な作りである。
両作ともスコットランド民謡が絡むのだが
(『飛べ!ダコタ』では「蛍の光」、今作では「故郷の空」)、
前者にはそれなりの必然性があったが
(『飛べ!ダコタ』で救出したのはイギリス人)、
今作においては唐突に出てくるし、
だいたいトルコ人とスコットランド民謡が結びつかないのである。
現地民とトルコ人との間でそういう交流があったとか言うんだったら話は別だが、
少なくとも作中ではそういう話は出てこないし、
そもそも交流のシーンがほとんどないままトルコ人の多くは帰国してしまう。
それでいて、沈没前の話がやたら長いし、
1985年の話もエルトゥールル号の話全体から考えればかなりアッサリ味。
だいたい、1985年の話の中でエルトゥールル号の話は、
ぼやかしてしか出てこないので、
この2つの話の間に脈絡が感じられないのだ。
そうするとあの沈没前の冗長さは、話のヴォリュームを持たせるために、
そうせざるをえなかったと勘繰ってしまうわけである。
そういう意味では、エルトゥールル号沈没までの話はわりと丁寧にしてるので、
沈没までの話だけは興味深かった。
しかし、それ以外は非常にザンネンな出来で、
特に1985年の話は極端な話必要ないんじゃないかってレベル
(もっとも、これが無いとトルコが一方的に助けられただけの話になるし、
だいいち『飛べ!ダコタ』と差別化できなくなってしまう)。
もっと言えば、これでは単なる「いい話」でしかない。
教科書的な「いい話」なら、今やテレビに溢れてるんだから、
少なくとももっと掘り下げてもらいたかった。

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