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2015 勝手に映画賞

映画館1減の影響もあり、218本と2013年(213本)並みの鑑賞数となった2015年の映画。
まずは、星の数別の総チェックから。

☆5つ=6本(2014年:5本)
 ○トラッシュ!-この街が輝く日まで-
 ○KANO~1931海の向こうの甲子園~
 ○みんなの学校
 ○エール!
 ○杉原千畝 スギハラチウネ
 ○ボーダレス ぼくの船の国境線

☆4つ=57本(2014年:74本)

☆3つ=107本(2014年:111本)

☆2つ=36本(2014年:46本)

☆1つ=12本(2014年:15本)
 ●アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう!~
 ●エイプリルフールズ
 ●ブライド・ウエポン
 ●明烏 あけがらす
 ●マッド・ガンズ
 ●シグナル
 ●虎影
 ●約束の地
 ●黒衣の刺客
 ●ザ・ヴァンパイア~残酷な牙を持つ少女~
 ●グラスホッパー
 ●全力スマッシュ

ちょっと(1本だけど)増えた☆5つ。
『杉原千畝 スギハラチウネ』以外は青少年が主役のお話ばっかり。
今年は、子どもが主役の映画できらりと光る作品がいくつかあった。
一方の☆1つ作品は、振り返ってタイトルを見ても
内容がイマイチ思い出せないぐらいピンとこない作品ぞろい。
これら全部見なければ、だいたい1万円ぐらい節約できたのになぁ…。

今年もベスト5&ワースト5形式で紹介。
まずはベスト5から。
 5位:ボーダレス ぼくの船の国境線
 4位:杉原千畝 スギハラチウネ
 3位:KANO~1931海の向こうの甲子園~
 2位:エール!
 1位:トラッシュ!-この街が輝く日まで-
5位は、今年最後の映画になったイランの映画。
戦後70年の掉尾を飾るにふさわしい現代の寓話。
4位は、邦画最高評価作品。単純な「いい人仕上げ」じゃないところがナイス。
3位は、ベタだが激アツな甲子園モノ。さわやかな感動作でもある。
2位と1位は多少迷ったものの、5位作のレビューでも引用したように、
今年1年この作品の余韻に浸りきったという意味で、
『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』を1位に認定。
とはいえ、2位作も設定が神で、ストーリー運びもうまいという上出来な作品である。
続けてワースト5.
 5位:全力スマッシュ
 4位:黒衣の刺客
 3位:虎影
 2位:エイプリルフールズ
 1位:グラスホッパー
先に書いた通り、どれもピンとこない作品ばかりなのだが、
最近見た作品の5位作は、バドミントン愛ゼロという駄作。
4位作は、「寡黙な主人公の作品はダメ」ということを
久しぶりに思い知らせてくれた作品。
狂言回しに徹するにしても、やはりしゃべって個性を出してくれないことには、
感情移入もなかなかできない(たんにワシが未熟なだけかも知れないが…)。
3~1位は全部邦画(半分わざと)。
3位作は、VFXがちゃっち過ぎて正直見てられないレベル。
2位作は、日本人にとっていかに拳銃という道具が遠くにあるかというのを、
演技の下手さによって見事に表現しきった作品。
そして1位は、主人公があまりにも空気だったという作品。
こうやって見ると、4位と1位に主人公の存在感の薄い作品が並んだ。
やぱり、主人公という芯がきちんと立ってない作品は、
出来もザンネンになるということだろう。

総括としては、やはり全世界的に「戦後70年」ということで、
戦争絡みの映画が多かった印象
(札幌地区に遅れてやってくる作品もまだいくつかあるし)。
その中でベスト5の方に2作品入るなど、なかなかの力作ぞろいだった。
「戦争を忘れない」ために、今後もこういった戦争絡みの力作に期待である。
あと、邦画に関しては今年のワースト3が全部邦画という惨憺たるありさま。
カネが使えないんだから、中途半端なVFXとか使っちゃダメだし、
かと言ってガンアクションも普段銃を使ってない俳優さんたちに
扱えというのはやはり無理があるので、これも使っちゃダメ。
唯一の希望は『杉原千畝 スギハラチウネ』で、
テレビなどでさんざんしゃぶりつくした話をさらにもう1段掘り下げて、
「単純にいい話などそうそうない」ということを見せつけるような、
陰陽描き切るような大作を腰を据えて作って行ける環境があればいいんだろうが…。

年明けは、上映時間の都合で今週観られなかった
『ソークト・イン・ブリーチ ~カート・コバーン 死の疑惑~』と、
韓国で大ヒットだった『ベテラン』のどちらかからスタート。
『ソークト~』は、大物ミュージシャンの死の真相に迫るドキュメンタリーであり、
『ベテラン』は韓国財閥と警察の癒着という社会の暗部に迫りつつの
エンタテインメント作品。日本でもこういう映画作れないもんなのかなぁ…。
鑑賞本数は、来年もおそらく今年ぐらいの水準で落ち着くと思います。

「新・中央競馬予想戦記」2015年全体を振り返って

(1)年齢、距離、馬場別(カッコ内は通算の数字)
 ①2歳限定戦 59戦 55.2%(638戦 76.6%)
 ②3歳限定戦 100戦 67.7%(1188戦 68.1%)
 ③3歳以上戦 469戦 90.5%(5602戦 73.6%)
 ④4歳以上戦 298戦 70.0%(3232戦 70.8%)
 ⑤芝戦全体 657戦 77.6%(7676戦 72.7%)
  [1]短距離戦 309戦 86.7%(3620戦 70.6%)
  [2]中距離戦 273戦 70.4%(3226戦 76.4%)
  [3]長距離線 75戦 62.7%(830戦 68.1%)
 ⑥ダート戦全体 251戦 83.8%(2790戦 73.2%)
  [1]短距離戦 121戦 88.6%(1233戦 70.6%)
  [2]中長距離線 130戦 78.5%(1557戦 75.5%)
 中京記念の万馬券があったおかげで、③、⑤-[1]が良かったのは当然として、
 ダート戦がかなり底上げされたのはうれしい誤算。
 対して、2歳戦が低調だったのは、来年に向けての懸念材料ではある。

(2)条件別(カッコ内は通算の数字)
 ①500万下 208戦 61.7%(2559戦 77.7%)
 ②1000万下 284戦 75.1%(3512戦 74.4%)
 ③1600万下 176戦 75.5%(1723戦 70.6%)
 ④オープン戦 122戦 61.0%(1315戦 66.3%)
 ⑤重賞全体 136戦 103.4%(1505戦 73.1%)
  [1]GⅢ 73戦 139.5%(807戦 69.4%)
  [2]GⅡ 39戦 88.0%(423戦 81.2%)
  [3]GⅠ 24戦 37.3%(275戦 71.7%)
 条件戦で良かったのは1600万下だけ。
 500万下は大幅減で、この辺りの数字を見る限り、
 早々にOP以上に馬券を絞ったのは正解だったと言えるだろう。
 OP以上で言えば、やはり通常のOP戦の悪さが目に付く。
 この辺も見切ってしまった方があるいはもっと長く楽しめるのかもしれないが、
 それはそれでつまらないので、まぁ楽しむための代償ということで割り切りましょう。
 しかし、GⅠが悪いのはやはり看過できないだろう。
 やっぱり、有馬記念獲っておきたかったなぁ…。

(3)馬場別(通算のみ、カッコ内は去年までの数字とそれとの比較)
  ①中山競馬場 1159戦 71.6%(1022戦 70.3%)UP
  ②東京競馬場 1298戦 66.2%(1144戦 65.6%)STAY
  ③阪神競馬場 1184戦 68.9%(1051戦 70.2%)DOWN
  ④京都競馬場 1304戦 66.5%(1150戦 69.1%)DOWN
  ⑤福島競馬場 565戦 67.6%(504戦 69.3%)DOWN
  ⑥新潟競馬場 775戦 65.9%(701戦 65.3%)STAY
  ⑦中京競馬場 711戦 79.9%(648戦 66.1%)UP
  ⑧小倉競馬場 687戦 82.2%(625戦 71.5%)UP

  ⑨函館競馬場 391戦 78.8%(354戦 78.8%)STAY
  ⑩札幌競馬場 427戦 90.7%(387戦 95.4%)DOWN
 中京のUPは前述より当然として、
 もともとわりと良かった中山競馬場の数字が戻ってきたのはうれしい。
 一方で、関西主場が揃ってDOWNというのが懸念材料。
 阪神は、最終開催でそこそこの数字が残ったのでまだ回復の目はあるとして、
 京都が常に悪いのがどうにもねぇ…。
 4主場唯一の平坦馬場というのがいけないんだろうか…。

(4)年間総括
 『第12開催総括』でも書いたように、年間回収率は78.6%
 2014年の年間回収率(63.5%)から考えればかなりの回復だが、
 裏を返せば万馬券獲ってこの数字というのも情けない。
 また、有馬記念における「印打った馬が全部掲示板に入ってるのに馬券獲れない」
 という事象が全てを象徴するように、基本的に馬券下手。
 常々そこをなんとかしたいとは思ってるんですが、
 そもそも予想に手をつけないで買い方だけでなんとかしようという
 発想自体が間違ってると言えば間違ってるわけで…。

(5)2016年の目標
 年間回収率85%
 今年の成績から言えば、少し上を見ると言う意味では、
 このぐらいの設定が適当かな、と…。

「新・中央競馬予想戦記」2015年第12開催を振り返って

①12/26、12/27の結果
 (1)12/26の結果
  2勝(江坂特別、妙見山特別) 5敗
   回収率 26.8%
 (2)12/27の結果
  9敗
   回収率 0.0%
   年間回収率 78.6%
   通算回収率 72.7%

②開催を振り返って
 (1)OP以上がおおむね良かった
  (OP:9戦通算 101.1%)
  (重賞全体:12戦164.3% GⅢ:3戦443.0% GⅡ:4戦157.5% GⅠ:5戦41.4%)
 (2)3歳以上戦も良い出来だった
  (60戦通算 118.7%)
 (3)芝戦は中距離だけは良かった
  (全体:47戦81.0% 短:27戦65.6% 中:14戦137.0% 長:6戦53.1%)
 (4)ダート戦は、短距離で大いに稼いだ
  (全体:25戦168.7% 短:11戦343.3% 中長:14戦59.6%)
 (5)開催3場では、中山と中京が良かった
  (中山:28戦121.2% 阪神:27戦96.5% 中京:19戦112.7%)

③開催全体の総括
 開催回収率は110.4%とプラス収支になり、
 年間目標の回収率80%に残り1週まで詰め寄り、
 最終週だって中山大障害(190円)、師走S(1020円)、阪神C(830円)、
 有馬記念(2300円)とOP以上を全部ワイドで買ってれば、
 年間80%なんておそらく楽勝だったのにねぇ…。相変わらずの馬券下手。
 まぁ、今年一番楽しい開催ではありましたけどねぇ…。

最終開催が終わりましたので、その他詳しいことは「今年の総括」にて。

映画 『ボーダレス ぼくの船の国境線』(☆☆☆☆☆)

今年は、『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』に星5つを打って始まったが、
最後の最後に、またしても子ども主演の傑作が登場である(札幌地区での話だが…)。
内容は、まさに「呉越同舟」を地で行くような内容で、
国境の川に放置された船に住み着く少年のもとに、
言葉の通じない子どもの兵士(しかも赤ン坊まで連れてくる)や、
家族を本国に残して前線で戦い続ける米兵がやって来て、
それぞれ行き場を失いながらもその船の中で生活をして行くのである。
最初から住んでる少年の家族がどうなったかは語られないものの、
戦争で家という「ハードウェア」も、家族という「ソフトウェア」も破壊された
子どもの兵士にしろ、家族を本国に置いてきている米兵にしろ、
「相手には家族がいる」という単純な想像力が多くの人々の中にはたらけば、
そもそも戦争なんて起こるはずもないはずなんだが、
世の中なかなかそうはならないわけでである。
なぜなら、だいたい戦争とか革命なんていうものは、
家族が殺されたから起こるわけである。
今作は寓話調ではあるが、そんな戦争の根源的命題を、
的確に語っている作品である。
「呉越同舟」の原典の話でも、コミュニケーションによる結びつきよりも、
危機感の共有によって敵同士でも協力し合える、と説いている。

ラストは、非常に思わせぶりである。
主人公の少年にとっては、ある意味元の生活に戻っただけだし、
船の外の世界の状況も変わっていない。
しかし、あの船で4人が生活するのにはやはり無理があるわけで、
ここはやはりあのエンディングに希望を持ちたいわけであるが、
その辺りは、ぜひ一度鑑賞して評価してもらいたい。

映画 『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』(☆☆☆)

統率のとれた犬たちの動きと、
リーダー犬となるハーゲンの表情など、
犬たちの演技(?)の素晴らしさに目を奪われる反面、
ストーリー展開自体はかなり雑でツッコミどころ満載。
思わせぶりなエンディングはともかくとして、
犬たちが騒ぎを起こしてるのをいきなり「ハーゲンのしわざに違いない」
とか言ってしまうリリは、マジでどうかと思うわけである。

しかし、数百匹の犬が街中を群れて移動してるのはやはり異様である。
それを、わりとフツーに描いてる高橋よしひろ(『銀牙 流れ星銀』シリーズ)は、
ある意味その辺の想像力が欠如していると言える
(まぁ、あのシリーズにおいて一般市民の存在感は空気ですけどね…)。
今作は、基本的に犬を観る映画である。
対する人間たちがあまりにも醜い。
飼い主のリリにしたところで、家庭環境には同情もするが、
犬に対する接し方がいい加減で、
父親に「施設か捨てるか」を迫られても何も言い返せないところにも
それは現れていると言えよう。
その上で、前述の「ハーゲンのしわざ」発言である。
野良犬をはびこらせる原因を作った「雑種制限令」を含め、
ある意味人間のダメっぷりを見事なまでに描いている怪作と言えるだろう。

映画 『完全なるチェックメイト』(☆☆☆☆)

「ガラスのチェスバカ」ことボビー・フィッシャーが、
世界チャンピオンボリス・スパスキーに勝つまでの話。
それにしても、ボビーは子どもの頃からメッチャ繊細。
よくあんな調子で2008年まで生き続けられたもんだよ、と思うぐらい。
とはいえ、陰謀史観に走るのは、家庭環境にあったのかもしれないね
(ユダヤ系でしかもイヤの周辺には共産主義者が集まってる)。
そのめんどくさい親を追い出してまで「静寂」を手に入れ、
チェスにのめり込み、史上最年少でグランドマスターにもあで上り詰めたものの、
そこにスパスキーが立ちはだかるのである。

お互い、盗聴が嫌いで、おそらく国の思惑などそっちのけで
ただ互いに優劣を決めたいだけなんだろうけど、
お互いに生まれた国が国であるがゆえに、
あの時代ではいろいろな思惑が絡んでしまう。
スパスキーはあまりそれを表には出さないものの、
ボビーは露骨にそれを表に出し、
果てはマスコミやチェス協会にまで噛みつく。
ある意味でボビーは生粋の「チェスバカ」なわけであるが、
それにしてはボビーは生臭いというか、
やれ「ソ連の選手と同じくリムジンで送迎しろ」だの、
やえ「オレを見に来てるんだったら、チケット収入の30%をよこせ」だの、
一面においてはちっとも「純粋」ではないわけである。
挙句に、後日談では完全に猜疑心の虜になって、
アメリカの意向を無視してスパスキーと再戦したり
(まぁ、この辺は純粋なチェスバカならでは、と言えなくもないが…)、
そのせいでアメリカで逮捕されそうになるとアイスランドに亡命したりと、
ホント、チェス以外ではただの偏屈である。
しかし、「天才とは何かが欠けているものである」という格言にしたがって言えば、
ボビー・フィッシャーは間違いなく「天才」であろう。
そして、チェスをやり続けても精神の破たんを迎える一方、
チェスを取り上げても精神が破たんするのでは、と考えると、
因果なモノにはまってしまったものである、と改めて思ってしまう。

久しぶりにスクリーンに登場のトビー・マグワイヤの熱演にも注目である。

映画 『ストレイト・アウタ・コンプトン』(☆☆☆☆)

「ギャングスタ・ラップ」でアメリカ中に良くも悪くも大きなムーヴメント起こした
「N・W・A」(主張するニガーの略らしい)の結成から、
ヴォーカル(ラッパーと言うべきか)のイージーEの死去までの
栄光と挫折を描いた作品。
と同時に、彼らの詩の原点となったカリフォルニア州コンプトンの
1980年代~1990年代の世相を描き、
今に続く警官の横暴と黒人差別を浮き彫りにしている。
オバマ政権下で公開された、
数々の「黒人映画」の系譜に列せられるべき作品の一つとえるだろう。

対外的には、当初はロス市警、
そして全米デビュー後はFBIにさえ目をつけられるほど
挑発的なメッセージを発し続けてきたわけだが、
それは彼らの地元コンプトンの現実の裏映しであり、
また強圧的な警察の態度への強力な反発であり、
その抑圧が強いからこそメッセージも切実の度を増す、という顕著な例と言えるだろう。
一方対内的には世に出るきっかけを作った白人マネージャーと、
ビジネスのイロハがわかるイージーEの蜜月が、
ユニット内に不和を招き、作詞担当のアイスキューブ、
さらに作曲担当のドクタードレーが脱退してしまう。
そのことが、むしろこの「半グレ文化」の拡大を促進することにもなるわけだが、
当然イージーE陣営は窮地に立ってしまう。
さらに、彼自身の不摂生が原因か、エイズに侵されてしまう。

ビジネスは、需要の喚起が重要であると同時に、
今日本で盛んに叫ばれている「コンプライアンス(法令順守)」に代表される
社会との折り合いも重要である。
確かに、イージーEたちだけでは「N・W・A」が
全米に旋風を起こすことはおそらくなかったであろう
(作中でも彼らはそう言っている)。
しかし、白人マネージャーが商習慣を口実に
ユニットを私物化していたことには当然賛否があるし、
『アメリカン・ドリーマー』にも通じる、
「クリーンだが儲からない商売」と「ダーティーだが儲かる商売」の
狭間の問題でもある話である。
そういうことをメンバーの一人ひとりが考えているというところが、
やはり日本とはちょっと違うところだな、とも思うし、
若くしてそういうドロドロした話をこなして自分のレーベルを持つ
アイスキューブやドクタードレーは、
感覚的に経営というものがわかってるという意味で非常に興味深いわけでもある。

音楽の大きなムーヴメントを起こした内幕と言うだけでなく、
ショウビズ界の光と闇の一つを描き出した、佳作と言えるだろう。

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-27

中山07R グッドラックハンデキャップ(3上1000万下 芝長 1点)
  ◎ ⑬レイズアスピリット
  ○ ⑮ディスキーダンス
  ▲ ⑦ジューヴルエール

中山08R フェアウェルS(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ⑥リッカルド
  ○ ⑬エルマンボ
  ▲ ⑨キープインタッチ

中山09R ホープフルS(2歳GⅡ 芝中)
  ◎ ②プランスシャルマン
  ○ ⑬ブラックスピネル
  ▲ ①アドマイヤエイカン

中山10R 有馬記念(3上GⅠ 芝長)
  ◎ ④ラブリーデイ
  ○ ⑪キタサンブラック
  ▲ ⑯マリアライト
  △ ⑦ゴールドアクター
 今年の総決算。
 ④、⑪、⑮辺りにとっては、年度代表馬争いの上でも重要な一戦と言えるだろう。
 本命は、距離に不安は残るものの今年1年堅実に走った④。
 今年10戦目というのも不安要素ではあるが、少なくとも大敗はないと見る。
 対抗には、乗り替わりはやや心配だが若き中山巧者⑪。
 ミトラが出てたら一点買いまで考えたぐらいで(菊花賞の時散々言ってたのにねぇ)、
 今年の混戦ぶりを象徴するこのレースのメンバーを見ても、
 決して見劣りするものではない。あとは馬主のオーラの強さかな。
 3番手には、ゴールドシップのとなりの枠というのは不安ではあるが、
 いちおう中山コースで2勝の実績がある⑯。
 血統だけ見れば、この距離は充分対応できそうだし、GⅠ勝ちの勢いもある。
 あとは、ホントにゴールドシップ次第なのだが…。
 あとは、3連勝で有馬記念に乗りこんでくる⑦の勢いは侮れない。
 ただし、鞍上は正直アレではある。
 ⑮は、JCの時と同じく「歴史に残って欲しくない」という理由で消し。

中山11R ハッピーエンドC(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑪アルティマブラッド
  ○ ⑩ヤマニンマルキーザ
  ▲ ⑯クリノスイートピー
  △ ⑧アスペンサミット

阪神09R 千両賞(2歳500万下 芝短 1点)
  ◎ ⑨リボンフラワー
  ○ ⑤サンライズクロンヌ
  ▲ ①レインボーライン
  △ ④マサノホーク

阪神10R サンクフルハンデキャップ(3上1000万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑧サウンドバーニング
  ○ ⑬アトム
  ▲ ⑦ヴェネト

阪神11R カウントダウンS(3上1600万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑤キングストーン
  ○ ⑨ムーンクレスト
  ▲ ①ショウナンバーキン

阪神12R ファイナルS(3上OP D短)
  ◎ ⑧グレイスフルリープ 阪神相性良好
  ○ ⑨サクラエール     前走評価して
  ▲ ⑪オールブラックス  距離相性買って

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-26

12/19の結果
 5勝(ひいらぎ賞、仲冬S、樅の木賞、つわぶき賞、中京日経賞) 4敗
  回収率 56.5%

12/20の結果
 4勝(香取特別、ディセンバーS、クリスマスキャロル賞、名古屋日刊スポーツ杯)
 1分(豊川特別) 5敗
  回収率 101.1%
  年間回収率 80.1%

  通算回収率 73.3%

実馬券で取れたのは、ディセンバーSだけだったが、
先週に関しては条件戦の方でけっこう粘ってくれたおかげで、
年間回収率はなんとか80%をキープして最終週を迎える。
2場開催ながら、土曜日からOP以上が4戦とハイリスクハイリターンな状況。
うまく取り切って、少しでも上積みを狙いたいところだが…。
12/26、12/27の買い方は以下の通り。
 中山:条件戦=単勝 OP以上=枠連
 阪神:条件戦=単勝 OP以上=枠連

中山09R クリスマスローズS(2歳OP 芝短)
  ◎ ⑦タイセイエクレール
  ○ ⑩マレボプール
  ▲ ⑨キンシロケット

中山10R 中山大障害(3上JGⅠ 障害)
  ◎ ⑧サナシオン
  ○ ⑬アップトゥデイト
  ▲ ⑤マキオボーラー
 前哨戦を勝った⑧と今年の中山グランドジャンプを勝った⑬の一騎打ちの様相。
 本命は、障害転戦後5連勝でもある⑧を取ったが、
 斤量実績のある⑬にも勝機は充分にある。
 この2頭をかろうじて追えそうなのは,4戦連続連対中の⑤ぐらいか。

中山11R 師走S(3上OP D中)
  ◎ ⑨パワーポケット  連勝の勢いで
  ○ ⑧ランウェイワルツ 鞍上にも期待
  ▲ ⑬パンズーム    中山相性良好
  △ ⑦モズライジン    距離相性買って

中山12R グレイトフルS(3上1600万下 芝長 3点)
  ◎ ④サムソンズプライド
  ○ ⑦ヴェラヴァルスター
  ▲ ⑨ヤマニンボワラクテ

阪神09R 江坂特別(3上1000万下 芝長 2点)
  ◎ ①アルター
  ○ ②カラフルブラッサム
  ▲ ⑫グランディフローラ
  △ ⑧ディルガ

阪神10R 妙見山S(3上1600万下 D短 2点)
  ◎ ⑩ヒルノデイバロー
  ○ ⑧テーオーヘリオス
  ▲ ④サノイチ

阪神11R 阪神C(3上GⅡ 芝短)
  ◎ ①ビッグアーサー
  ○ ⑤ウリウリ
  ▲ ⑮ダンスディレクター
 本来ならGⅠ連対以上の実績がある馬(②⑧⑪⑫)が強いレースなのだが、
 今年の場合どれもパッとしないので、
 それ以外で唯一勝っている重賞連対級の馬から、
 今年は8戦6勝2着2回と優秀な①の重賞初制覇を予想。
 阪神コースとも相性が良さそうなので、あとは距離だけが問題か。
 対抗には、なぜか勝馬が出ていない重賞勝馬から⑤をチョイス。
 前走の成績はGⅠ連対級と見れば、逆転の目もあると言えばある。
 3番手には、半年近くぶりだが距離相性の良い重賞連対級⑮を推す。
 リフレッシュ効果が出ていれば、
 同じ重賞連対級でもこちらが勝つ可能性は充分にある。

映画 『クリード チャンプを継ぐ男』(☆☆☆☆)

やはり、この熱さである。
思えば、年始めに『KANO』で同じことを書いただけに、
今年の「熱さ」締めはこの映画で決まり、である。
偉大なる親の背を追うというのは、実は並大抵のことではないのである。
特に実力の世界では、逆に親の名が重い枷になることだって少なくないのである
(今作でもその話はイヤというほど出てくるし、
長嶋一茂や野村克則の例を引くまでもないだろう)。
しかし、政治の世界がそうであるように、
「カンバン」があるからこそ掴めるチャンスだってあるのである。
今作のようなシンデレラストーリーは実際にはありえない
(実質キャリア1戦で世界タイトル戦なんてねぇ…)。
しかし、今作ではそこに「興行」としてのボクシングゆえに、
「アポロ・クリードの息子」という金看板にすがろうとする者が出てくる、
という話があってこそであるから、
「コネもまた才能」というのも宜なるかな、ということである。

しかし、あの結末を見てしまうと、
どうにも「セルフリメイク」臭がしてしまうのだ。
それこそ、金看板にすがってると言えなくもないわけだが、
いちおう現代風に味付けはされてるし、
興行的には当時のファンをキャリーオーバーしたいわけであるから、
その辺りは「ファンサービス」としてある程度許容されるだろう
(その辺の話は『スターウォーズ フォースの覚醒』にも通じる話だが)。
と同時に、当然「評判が良ければ続編」ということになってくるだろうし
(その辺は、初めから続編ありきの『スターウォーズ』と違うが)、
まぁ作るんでしょう。
ただ、「セルフリメイク」臭がしてしまってるので、
今後の話の筋はなんと無く読めてしまうわけで、
その辺りはいい意味で「裏切ってほしい」気持ちは当然ある。
単作としては、当然上位の評価であるが、
「セルフリメイク」臭がするため☆5つとは行かないなぁ。

映画 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(☆☆☆☆)

まぁ、2度も三部作作ってるだけあって、1作目なのに手慣れた感じ。
新キャラ紹介、世界観の紹介などと言った説明的なシーンから、
キッチリ山場に繋いで、三部作全体を貫く因縁付けまでよどみ無く持って行く。
なんと言っても、予告編でも
「主要人物はキチンと出してるのに大事なことは何も言わない」
見事な作りだったのに、
本編に入っても主人公のレイが何者なのかさっぱりわからない。
コレが惹きつけられるわけですよ。
ちょっと考えただけで、
・彼女の強力なフォースの源は?
・(上記に関連して)彼女の両親は何者なのか、なぜ連れ去られたのか
なんていう、三部作の恐らく根幹に関わる疑問が湧いてくるわけである。
また、「ファーストオーダー」の成り立ちや、
ルークとカイロ・レンの間に結局のところ何があったのかなど、
興味深い話が既に連発である。
そして、カイロ・レンは暗黒面から抜け出すことはできるのか、
そのカギは誰が握っているのか。
ワクワクする謎だらけなわけである。
でありながら、エピソード4の焼き直しっぽくはあるが、
大規模な戦闘シーンもちゃんと用意してるし、
良くも悪くも「こなれた」感がハンパないのである。
というわけで、既に結末が気になりまくりなので、
最後までおつきあい決定であり、単作ではやはり評価しにくい作品である。

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-20

中山09R 香取特別(3上1000万下 D中 2点)
  ◎ ⑪アンヴァリッド
  ○ ③バスタータイプ
  ▲ ⑤ソルティコメント

中山10R クリスマスC(3上1600万下 芝短 2点)
  ◎ ⑤カシノワルツ
  ○ ③ローズミラクル
  ▲ ⑯サザナミ

中山11R ディセンバーS(3上OP 芝中)
  ◎ ③トーセンレーヴ    距離相性絶好
  ○ ⑦スーパームーン   連対率はそこそこ
  ▲ ⑨コスモソーンパーク 距離こなせば

阪神09R 元町S(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ⑩ドラゴンストリート
  ○ ⑬ブラックムーン
  ▲ ⑤ピークトラム

阪神10R ベテルギウスS(3上OP D中)
  ◎ ⑩メイショウウタゲ 安定感買って
  ○ ⑪モズライジン   連勝の勢いで
  ▲ ③ドコフクカゼ    鞍上にも期待

阪神11R 朝日杯フューチュリティS(2歳GⅠ 芝短)
  ◎ ⑪エアスピネル
  ○ ⑬シャドウアプローチ
  ▲ ⑨ボールライトニング
  △ ⑫シュウジ
 今回は、素直に重賞勝馬&OP勝馬のみで馬券を構成。
 本命の⑪は、阪神コースでも実績があるし、
 鞍上も全GⅠ制覇に向けて気合もまたひとしおと見る。
 対抗の⑬は、OP勝ちまでしか実績が無いし、この大舞台で乗り替わりも痛いが、
 相手なりに走れる力はありそうだし、前走も悪い内容ではない。
 3番手の⑨は、1ハロン延長さえこなせば逆転も充分だろう。
 4番手の⑫は、唯一の3勝馬。
 血統からは早熟な感じは見受けられないが、もしかしたら相当強いのかも…。

阪神12R クリスマスキャロル賞(3上1000万下 D短 1点)
  ◎ ⑫サンライズネオ
  ○ ⑨メイショウワダイコ
  ▲ ⑦シークロム

中京10R 桑名特別(3上500万下 芝短 1点)
  ◎ ③オートクレール
  ○ ⑨キネオリュウセイ
  ▲ ⑰メイショウキリサメ

中京11R 名古屋日刊スポーツ杯(3上1000万下 ①点)
  ◎ ③ルミナスウォリアー
  ○ ⑧ウインスペクトル
  ▲ ①ピースオブジャパン

中京12R 豊川特別(3上500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑪クワトロガッツ
  ○ ③レッドオルバース
  ▲ ⑦ガルデルスリール

映画 『サクラメント 死の楽園』(☆☆☆☆)

現代宗教とは、まさに「解釈」である。
オウム真理教だって、仏教典の解釈による産物であり、
今作の「お父様」だって聖書の解釈によってカルトを生み出したわけだし、
引用される聖書の断片のひとつひとつは至極まっとうなことを言ってるのである。
問題は、経典の文句をいかに運用するかなのであり、
それは経典を持つ「世界三大宗教」の全てに言えることである。
そういう意味では、経典とは便利な道具で、
人を活かしも殺しもするわけである。

今作は、1978年に実際にあった話が元になっており、
実際には今作で示された以上の人間が「集団自殺」したそうである。
それでも、今作の「集団自殺」のシーンは衝撃的であり、
やはり「この世で一番こわいのは人間である」ということを思い知らされる。
えげつない描写とは裏腹に、
「宗教」の光と影を描いた佳作と言えるのではないだろうか。

今作の前に観た『独裁者と小さな孫』もそうだったが、
「イスラム国」に影響されて上映されてる(単なる偶然かも…)映画が少なくない。
それだけ、彼らの世界に与えたインパクトが大きかったと言えるわけだが、
彼らのことをそのうち映画化出来るようになったりするんだろうな、きっと…。
それは、ある意味では平和になった証拠と言えるのだが、
その時「イスラムj国」はどのように描かれるんだろうか…。

映画 『独裁者と小さな孫』(☆☆☆☆)

今作の予告編を見てから、「革命のその後」について自分なりに考えていた。
元祖無血革命の「名誉革命(イギリス)」はともかくとして、
もっとも有名なフランス革命にしろ、
明治維新(本来革命に括るべきではないのだが)にしろ、
共産主義革命の「ロシア革命」にしろ、
いわゆる「アラブの春」にしろ、
決して民衆がより良い方向に行っているとは言えないわけである。
・フランス革命
革命後、ギロチンによる粛清の嵐が吹き、結果的にナポレオン帝政を招来
・明治維新
度重なる飢饉で幕府財政も逼迫していたところに、
内戦が起こり、また秩禄問題(今の年金問題にも通じる)で新政府財政は
その初頭からあっぷあっぷ。
・ロシア革命
特にレーニンの死後首班に就いたスターリンの性格ゆえか、
首班就任前後から度重なる粛清による恐怖政治がはびこることに
・アラブの春
革命を起こした人々に政権ビジョンが無く、結果的に無政府状態に。
さらには、いわゆる「イスラム国」の台頭を招き、世界を混乱に落とすことに

とまぁ、作品とあまり関係ない話から始めたが、
今作はまさに革命を起こされる側にとっての「革命のその後」の話である。
独裁者である祖父は、ある程度状況を飲み込んでおり、
家族を巻き込みたくないがゆえに海外へ逃がそうとしたのだが、
純粋培養された「ワガママ殿下」の孫が、
「おもちゃも持って行きたい」だの
「マリア(御学友ってやつだなぁ)は一緒に行かないの」だのと
ダダをこねまくって居残ったために、
二人で革命のただ中で逃亡生活を送ることとなる。
言ってみれば、そのロードムービーなわけだが、
独裁者の住む首都と、逃亡中に見るそれ以外とのギャップなどは、
まさに隣国北朝鮮を見るようである。
その中を祖父と孫は旅芸人に身をやつして逃げ回るのだが、
その中で祖父は過去と否応無く対峙させられ、
孫は人の生き死にの現場を目の当たりにしていくわけである。
特に、クライマックスにつながる政治犯たちとの道行きが興味深い。
彼らの中には、祖父にとっては息子であり、
孫にとっては父である一族を殺したテロリストも混ざっており、
祖父はそのテロリストを背負って移動するのだ
(拷問の影響で足に大けがを負ってるため)。
祖父は「殺したい」という気持ちを抑えつつ(正体がばれるせいでもあるんだが…)、
その男を自宅まで送るのだが、
そこである意味本当の悲劇が起きてしまう。
また、彼ら政治犯こそが祖父と孫の命を握るキーにもなってくる。

独裁者は確かに危険な存在であり、
今作冒頭に描かれるような行為は愚かそのものではあるが、
真っ先に裏切る軍人や、明確な政策ビジョンを持たず、
単に復讐のために革命を起こす民衆なども問題である。
「政治」や「革命」の本質を突いた佳作である。

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-19

12/12の結果
 4勝(北総S、姫路特別、チャレンジC、犬山特別) 5敗
  回収率 86.9%

12/13の結果
 3勝(カペラS、オリオンS、阪神ジュベナイルフィリーズ)
 2分(こうやまき賞、遠州灘特別) 3敗
  回収率 291.1%
  年間回収率 80.1%
  通算回収率 73.3%

今開催は好調。先週はカペラSで○-▲を枠連でゲットして配当3850円。
OP以上は両重賞もゲットで底上げして、年間回収率80%台回復。
ココで買うのをやめれば、今年の目標はとりあえず達成なのですが、
当然それではつまらないので今週ももちろん買います。
あと2週、この好調が続けばいいんですが…。
12/19、12/20の買い方は以下の通り。
 中山:条件戦=単勝 OP以上=枠連
 阪神:条件戦=単勝 OP以上=枠連
 中京:条件戦=複勝 OP以上=馬連

中山09R ひいらぎ賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑤アーバンキッド
  ○ ③ドーヴァー
  ▲ ⑬レッドシルヴィ
  △ ⑥モーゼス

中山10R 仲冬S(3上1600万下 D短 1点)
  ◎ ①ブルドッグボス
  ○ ⑥キタサンミカヅキ
  ▲ ④マルヴァーンヒルズ

中山11R ターコイズS(3上重賞 芝短)
  ◎ ⑫カフェブリリアント
  ○ ③ノボリディアーナ
  ▲ ②アルマディヴァン
  △ ⑥ディープジュエリー
 愛知杯の施行時期変更を受けて重賞に格上げされたこのレース。
 データ的には、当面両にらみで見て行く。
 本命は、間隔が空いたものの距離相性の良い⑫。
 乗り替わりは気になるが、持ち時計も優秀なので今回も勝負になると見る。
 対抗は、ポイント的には②なのだが、
 ハンデキャッパーの評価がやや低いので3番手に降格。
 代わって府中牝馬Sで⑫を負かしている③を推す。
 前走のエリザベス女王杯も、着順ほど負けていないし、
 本質的には右回りの方が得意なので再び⑫を負かす可能性は充分にあると見る。
 ②の方は、中山で実績があるし、
 夏競馬とはいえ牡馬相手に健闘している実績もあるので、
 今回は鞍上強化と見て買ってみたい。
 あとは、新馬戦から3連勝した関東に戻って改めて期待の⑥辺りが無視できない。

阪神09R 樅の木賞(2歳500万下 D中 ①点)(③取消のため一部変更)
  ◎ ②スマートシャレード
  ○ ③スーパーライナー⑭キョウエイギア
  ▲ ⑭キョウエイギア⑧グランジャー
  △ ⑬アドマイヤムテキ

阪神10R 摩耶S(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ②エノラブエナ
  ○ ⑥トップディーヴォ
  ▲ ③メイショウスミトモ

阪神11R リゲルS(3上OP 芝短)
  ◎ ⑨ウインプリメーラ   相手なりに走る
  ○ ⑪ダッシングブレイズ 連勝の勢いで
  ▲ ⑥ダローネガ      鞍上にも期待

中京10R つわぶき賞(2歳500万下 芝短 1点)
  ◎ ⑯エスティタート
  ○ ⑦ウォーターピオニー
  ▲ ④アッラサルーテ
  △ ⑪ハマヒルガオ

中京11R 中京日経賞(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑫フェルメッツァ
  ○ ④アドマイヤライン
  ▲ ③メイクアップ
  △ ⑪タガノリバレンス

中京12R 大須特別(3上500万下 D短 ①点)
  ◎ ⑮タマモユウトウセイ
  ○ ③ゴールドスーク
  ▲ ⑩ノーザンバローズ
  △ ⑧オーバーウェルム

映画 『アクトレス~女たちの舞台~』(☆☆☆)

経験というか成熟というものが、俳優にとって、ひいては人間にとって、
財産と見るか重荷と見るかは、やはり個人差があるだろうが、
端から見れば財産と見る反面「昔やってるんだから今もできるだろう」
という見方もするわけだから、
プレッシャーという名の重荷になる可能性はあるわけである。
今作では、20年前に世に出るきっかけとなった作品に、
今も自分にとって気に入らない方の役で出て欲しいと言われた大女優が、
自分の理想の演技像と現実の要求の狭間で葛藤する、
というのが主な筋なわけだが、
もちろんそれだけでなく、20年前に自分が演じた方の役を演じる若い女優や、
マネージャーをやってくれる若い女性との
ジェネレーションギャップから生じるいさかいなど、
容易に受け入れられない「老い」という名の成熟に当惑する様が描かれている作品。
まぁ、日本にもそういう俳優さんが結構いそうだけどねぇ
(俳優である以前にキムタクであることを要求される木村拓哉や、
吉永小百合以上でも以下でもない吉永小百合とか)。

ただ、まずその大女優の恩師とも言える舞台作家さんの死のくだりから、
本編に入るまでが長く、しかも退屈。
また、マネージャーさんが途中退場するのだが、
それが唐突に訪れ、しかもマネージャーさんの後日談もない。
つまり投げっ放し。
確かに、信頼してたマネージャーに逃げられた大女優は憐れではあるが、
彼女には彼女で問題があるので、そう同情もできない
(もっと言えば、いつまでも若さを追い求めていてみっともなくも映る)。
とはいえ、そこに彼女の矜持がある場合もあるし、
彼女の場合おそらくそうなのであろうから
(作中の彼女は、颯爽としていてどちらかというと男っぽい)、
離婚協議中の男性とも衝突が絶えなかった(あるいはすれ違いばかり)ことだろう
(もっとも、作中には声とかだけしか出てこないのでなんとも言えないが…)。

「老い」とか「成熟」というものを考える上では、
非常にわかりやすく、また示唆もあるのだが、
全体的に掘り下げ方が浅く、登場人物にあまり共感できないのがザンネン。

映画 『グリーン・インフェルノ』(☆☆☆)

基本構造はよくあるホラー作品に近いが、
アメリカの学生の一面が垣間見られるなかなか興味深い作品。

国連の弁護士を父に持つジャスティンは、
学内で用務員のためにハンストを起こそうと呼びかけるアレハンドロに惹かれ、
彼が提言した「反開発、原住民保護」の活動について行く。
軍隊崩れを伴ってジャングルを切り開く企業を相手に、
スマホのカメラと衛星ハッキングを駆使して立ち向かう学生活動家集団。
しかし、実は初めから「国連関係者の娘」であるジャスティン頼みの活動で、
しかもこの話自体に裏があったわけだが、
その話自体はどうでもよくて、反開発活動を行ったことで国外退去する途中で、
彼らが乗るプロペラ機がジャングルに墜落。
彼らが助けた(と思ってる)少数民族に拉致され、
彼らの重要な習慣である「食人」に供される、という話。

基本的にはスプラッタ系で、生きたまま(もちろん特殊効果によるものだろうが)
切り刻まれる学生。
目玉をくり抜かれ、舌を切られ、それらを生で食らう原住民。
それを助けようと考えていたんだから大いなる皮肉でもあるわけだが、
このリーダーのアレハンドロが実に山っ気たっぷりなのである。
ジャスティンを引き込んで自分たちの活動の保険にする。
現地のコーディネイターが、実は開発会社を追い落とすために送り込まれていて、
アレハンドロもそれを知っていた。
そのため、人食い原住民に捕まっても遠からず新しい開発会社が、
同じ軍隊崩れを連れてまたやってくると知っている。
彼は、要するにこの活動を通じて自分を売り込みたいだけなのである。
日本人から見ると、シーシェパードなんかは彼のように見えるのかも知れないが、
『ポチの告白』の例を引くまでもなく、
善悪は相対的な概念であり、
ウラでは利害で結びついている可能性はどこにでもあるのである。
『海難1890』で日本とトルコは仲がいい、みたいなアピールをしているが、
実はトルコはいわゆる「イスラム国」から石油を買ってるという疑惑があったりと、
報道などによって垣間見える国々の顔というのは、
氷山の一角でしかないということである。
そういう社会の本質を、学生時代から肌身で感じてるアメリカ人と、
大学に入ったら基本遊び呆けてるだけの日本人では
(どちらもみんながみんなそうではないだろうが…)、
やはり社会に出てからのたくましさが違うように思われる。

ホラー作品というよりは、アメリカの学生の一面を垣間見る作品。
内容が内容なのでオススメとは行かないが、
いろんな意味でえげつない作品であることは確かである。

映画 『わたしはマララ』(☆☆☆)

「名は体を表す」とはよく言ったもので、
今作冒頭で紹介されるアフガニスタンでの伝説
(「戦乙女」とか「勝利の女神」とかに近い話だけど…)にちなんで、
彼女マララ・ユスフザイの名は付けられた。
伝説の女性と同じく、彼女も凶弾に倒れるわけだが、
一つ違うのは、彼女は見事生還したことである(障害は残ったみたいだけど…)。
今は治療を行ったイギリスに家族ともども在住しているが、
作中ではタリバンに脅迫されながらも母国パキスタンに帰ったり、
国連での演説も収録されているのでニューヨークに行ってたりと、
父がつけた偉大な名前にある意味ふさわしい活躍を見せるわけですが、
普段は至ってフツーの女の子、って言う話。

彼女に関して言えば、何といっても環境がすばらしい。
父親は学校を作るほど教育熱心で
(偉大なる名付け親でもあるわけだし…)、
彼女が足り番批判の活動をしてもむしろ応援するぐらいだそうだから、
相当意識が高い親御さんなんだろうな、と思うわけであります。

パブリックな話は、だいたい報道されてる以上の話が出てこない今作。
今作では、彼女のプライベートや家族環境などを垣間見る、
というのが正しいスタンスのように思われる。
「フツーの女の子」の「フツーじゃない生活」を垣間見るドキュメンタリー。

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-13

中山09R チバテレ杯(3上1000万下 芝短 ①点)
  ◎ ④クリノスイートピー
  ○ ⑦カービングパス
  ▲ ①プラチナロンド

中山10R 美浦S(3上1600万下 芝中 1点)
  ◎ ⑧ダイワレジェンド
  ○ ⑥シャドウウィザード
  ▲ ②ローレルブレット

中山11R カペラS(3上GⅢ D短)
  ◎ ⑦サウンドガガ
  ○ ⑭キクノストーム
  ▲ ⑬カジキ
 データ数が少ない(7年分)とはいえ、以下の馬は全く来ていない。
  (1)8歳以上(②、⑫)
  (2)昇級初戦かつOP未経験(④、⑮)
 また、7歳馬も連対実績が無いため、今回は重い印は打たず。
 以上より、本命は6歳牝馬の⑦。
 牝馬も過去1度(2011年1着ケイアイガーベラ)しか来ていないが、
 チャンピオンズCのサンビスタの例もあることだし、
 メンバー中唯一中山ダート戦2勝を挙げている馬なので、力勝負向けと見る。
 対抗には、騎乗実績が良くないものの地方出身の内田博幸騎手を迎えた⑭。
 近走はイマイチだが、全6勝のうち3勝を挙げているD1200mなので、
 改めて期待したい。
 3番手には、安定感を買って⑬。
 持ち時計が優秀なので、スピード勝負に持ち込めば逆転も充分と見る。

阪神09R 境港特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ⑦エイシンエルヴィン
  ○ ②カラフルブラッサム
  ▲ ⑫ブレイヴリー
  △ ①トーセンデューク

阪神10R オリオンS(3上1600万下 芝長 ①点)
  ◎ ⑤シュヴァルグラン
  ○ ⑦マイネルアイザック
  ▲ ①シホウ

阪神11R 阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳GⅠ 芝短)
  ◎ ②メジャーエンブレム
  ○ ⑪ブランボヌール
  ▲ ⑮キャンディバローズ
  △ ⑦クロスコミア
 本命は、前走で惜しい競馬だった②。
 今回は初遠征が気になるところではあるが、鞍上の手腕に期待したい。
 対抗には、函館2歳Sを勝っている⑪。
 前走で一叩きした分の上積みと、血統からかんじる豊かなスピードに期待したい。
 3番手には、前走で⑪を抑えて勝った⑮。
 鞍上がまだ未知数ではあるが、前走で力のあるところを見せたので、
 勝負強さには期待できると見る。
 あとは、経験豊かな⑦も相手なりに走れる馬なので、今回も無視できない。

阪神12R 高砂特別(3上1000万下 D短 1点)
  ◎ ⑬アグネスエーデル
  ○ ⑥ラディカル
  ▲ ②サウススターマン
  △ ④リバーソウル

中京10R こうやまき賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ③ダンツプリウス
  ○ ⑧クラシックリディア
  ▲ ⑫クナウ
  △ ⑩ブルーオリエント

中京11R 三河S(3上1600万下 D短 ①点)
  ◎ ⑥ダイリュウキセキ
  ○ ②サノイチ
  ▲ ⑤ミッキーシーガル
  △ ①サウンドアドバイス

中京12R 遠州灘特別(3上1000万下 芝中 2点)
  ◎ ⑤ピップレボルシオン
  ○ ①ロンギングゴールド
  ▲ ④トーホウスペンサー

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-12

12/5の結果
 7勝(イルミネーションジャンプS、舞浜特別、ステイヤーズS、赤穂特別、逆瀬川S、
  寒椿賞、金鯱賞)  1分(万両賞)  2敗
 回収率 196.1%

12/6の結果
 3勝(アクアラインS、タンザナイトS、浜松S) 2分(シクラメン賞、堺S) 5敗
 回収率 122.0%
 年間回収率 77.6%
 通算回収率 73.0%

実馬券で言えば、5つあったオープン戦及び重賞のうち、
チャンピオンズC(まぁ、サンビスタは買えないですよ…)以外の4つ全て的中
(土曜日は枠連でセコく取ってますが…)で、回収率200%以上(4020/1600)を達成。
特別以上でも、上記の通り土日ともプラスで、
年間回収率80%に向けて望みを残した。
この好調をひとまず今年いっぱいは続けて行きたいところだが…。
12/12、12/13の買い方は以下の通り。
 中山:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 阪神:条件戦=単勝 OP以上=枠連
 中京:条件戦=複勝 OP以上=馬連

中山09R 黒松賞(2歳500万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑪コスモアルコン
  ○ ⑥ファド
  ▲ ⑦ヒルダ
  △ ④タイセイエクレール

中山10R 北総S(3上1600万下 D中 ①点)
  ◎ ⑩パンズーム
  ○ ③アールプロセス
  ▲ ④メガオパールカフェ
  △ ⑫グレナディアーズ

中山11R ラピスラズリS(3上OP 芝短)
  ◎ ⑪ゴールドペガサス 距離実績高い
  ○ ③ネロ          連勝機
  ▲ ①シンボリディスコ  惜しい競馬続く

阪神09R 姫路特別(3上1000万下 D中 2点)
  ◎ ⑤アドマイヤシャイ
  ○ ⑦アスカクイン
  ▲ ③ティンバレス
  △ ⑧オーシャンブルグ

阪神10R 六甲アイランドS(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ④ダイシンサンダー
  ○ ③ラッフォルツァート
  ▲ ⑨フォーチュンスター

阪神11R チャレンジC(3上GⅢ 芝中)
  ◎ ⑪フルーキー
  ○ ⑩ヒストリカル
  ▲ ⑨シャトーブランシュ
 本命、対抗は最近絶好調の両外人騎手を安城に迎える馬たち。
 特に本命の⑪は、連対率も高く、しかも阪神芝(4-1-0-1)と相性が良く、
 いよいよ重賞制覇の舞台が整ったと言えるのではないだろうか。
 とはいえ、対抗の⑩も今回は連勝機で、しかも阪神芝では3勝を挙げている。
 既に重賞勝ちもあり、逆転も充分だろう。
 3番手には、今年のマーメイドS勝馬である⑨。
 前走もそう悪い内容ではないし、持ち時計が優秀なので、
 時計勝負に持ち込めばこの馬にも勝機はある。

中京10R 長良川特別(3上500万下 芝中 1点)
  ◎ ⑮サウンドメモリー
  ○ ⑤マイネルカレツァ
  ▲ ⑱マイネルレオーネ

中京11R 浜名湖特別(3上1000万下 D中 1点)
  ◎ ⑤マルカウォーレン
  ○ ①ストロベリーキング
  ▲ ③カレングラスジョー

中京12R 犬山特別(3上500万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑯サクラディソール
  ○ ⑤オウノミチ
  ▲ ⑪ノミネーション
  △ ③ウィズアミッション

映画 『杉原千畝』(☆☆☆☆☆)

テレビドラマでも何度か取り上げられている人物であり、
「日本のシンドラー」(特に『シンドラーのリスト』以降)とも呼ばれるが、
特に後者の呼称は、いかに日本人が彼の存在を知らずに来たかという証拠であり、
今作冒頭でも「『センポ・スギハラ』という外交官は知らない」と、
外務省の人間がのたまうぐらいの存在なのである。
それもそのはずで、彼は戦後すぐ外務省を依願退職
(ということになってるだけで、退職勧告を出しているようなので、
良くも悪くも目立つ存在で、しかも彼の情報を握りつぶしたのだから、
外務省としても後ろめたかったのだろう)していて、
しかも外務省は彼を今風に言えば「黒歴史」扱いにしていたのである
(彼の名誉が回復されたのは、終戦から55年経った2000年のこと)。
そんな彼の、外交官としてのキャリアをほぼ全て網羅したという意味で、
ほぼ「完全版」と言って良い出来に仕上がっている対策であり快作。
惜しむらくは予告編なりTVCMであり、
いかに短い時間しか与えられてないとはいえ、
旧態以前の「単なるいい話」仕上げなのである。
今作で見るべき点は、参考資料に『諜報の天才 杉原千畝』(白石仁章著)が
挙がっているように、外交の一態様としての「諜報」を盛大にやっていた
「エージェントとしての杉原千畝」なのである。
既存の作品では全くと言っていいほど触れられていなかった
(そして予告編やTVCMでもほとんど触れていない)その部分に光を当て、
本来優秀な外交官であった杉原をして、
あのような(少なくとも当時の外交官としては)暴挙を起こすに至ったかを
描いているわけで、(少々あっさりめだが)そのあたりの葛藤を描いている、
という意味でもよくできた作品と言えるだろう。
コレを観てしまうと、『海難1890』がいかにも雑な作品に見えてしまう。

今作を観て勘違いして欲しくないのは、
日本軍はナチスドイツのような傍若無人な振る舞いはしてない、
というわけでは決して無い、ということである。
今作冒頭でも、関東軍の千畝お抱えのスパイに対する扱いなどほんの一例にすぎない。
日本公開をずいぶん渋っていた『アンブロークン』みたいな話が、
無かったと信じたいのだろうが、
日本では『顔のないヒトラーたち』(札幌では近日公開)のように、
自らの手で旧軍を裁いた経緯がないため、そういう論法がまだ通じてしまうのだ。
「戦後70年」の今年は、風化しつつある戦争の記憶を掘り返すことに汲々とするのみで、
やはり「総括」は出来なかった。
それどころか、あの時代を思わせるフレーズや法制が政府から出される有様である。
『母と暮らせば』で今更のように戦争の話をしだした山田洋次などのように、
今日まで「あの戦争」について黙して語らずに来た、
この国の年寄りたちの罪は、やはり重い。

映画 『サンローラン』(☆☆☆)

去年の『イヴ・サンローラン』(以下『イヴ』)は、財団公認の作品ゆえに退屈なのかと思ったら、
今作もあまり変わらなかった。
今作では『イヴ』の後半部分(主に1965~1976)を取り上げており、
広告によれば「最も輝き、最も堕落した10年」を描いている。
だいたいのことは『イヴ』で観ているので驚くほどのことはないが、
経営上のパートナー(昔はそれ以上の関係だったわけだが)であるベルジュの
「拡大路線」により、年2回の締め切りを設定されてしまった。
つまり、6ヶ月ごとに新しいファッションのアイデアを
何十と捻り出さなければならなくなったわけで、
そのうち行き詰ってくるのもいたしかたない。
性癖だから男に走るのはまだしも、
表現者がクスリ(麻薬とかだけでなく睡眠剤とかも含む)に走ってしまったら、
ある意味終わりだと思うんだけどねぇ…(彼の場合公然の秘密だったようだが…)。
こういう寄り道が多いからこそ、
ベルジュは仕事漬けにしようと考えたのかもしれないが、
表現者がアウトプットするためにはインプットも必要なわけで
(サンローランの場合、インプットの意味が違うっぽいが…)、
マラケシュに行ったり、お忍びでホテルに逃げ込んだりするのも理解はできる。

それにしても、ファッションに理解の無いワシなどからしたら、
服というのは工業製品であり、
作中のファッションショーで見せるオートクチュールなどは、
良くも悪くも芸術品であり(しかも不自然なスタイルを持つ女性の、
眉毛を全部抜かせるなど相当な作為も加えられている)、
それを半年で何十点も発表しなければならないというのは、
やはり相当なプレッシャーだったように思われる。
経営上拡大路線やブランディングが必要なのも理解できるが、
結局のところサンローランの頭脳ひとつに頼っている
(というのはやや言いすぎであり、サンローランもそれは認めている)のだから、
もう少し大事にしてやっても良かったんじゃないだろうか…。

あと、サンローランの浮気相手に「アリ」だの「モハメド」だのという
名前が出てきて思ったのは、
イスラム系の移民が当時から既に入り込んでいたという事実である。
当時は「イヴ・サンローラン」のような高級ブランドが飛ぶように売れてたらしいから、
国民生活にも余裕があったためにそれほど問題視されなかったんだろうが、
ファッションも「ファスト・ファッション」化してる現状では、
社会に彼らのような移民を受け入れる余力が無くなってきているのだろう
(そして、それは世界全体に言えることかもしれない)。
作中でそれを話題にすることはないが、
当時の世相を映す作品としてはそれなりに興味深い作品ではある。

映画 『全力スマッシュ』(☆)

タイトルは「全力」だが中身は「脱力」系。
しかし、汚い絵面にいちいち品のない登場人物。
そしてもっとも致命的なのは、
バドミントンに対する愛が全くと言っていいほど感じられないこと。
別に小難しい「技術論をしろ」と言ってるのではない。
マナーの悪い観客や、
対戦相手に罵声を浴びせる(しかもその主が警察官チームだったりする)といった、
スポーツマンシップにも人倫にも劣るような登場人物ばかりでは、
「あ、バドミントンいいな、面白いな」とはならないだろう。
そういう作品に(おそらく)現役のバドミントン選手まで駆り出すのもどうかと思うし、
またノコノコ出て行く方も出て行く方である
(香港や中国のバドミントン協会はそんなにカネがないんだろうか)。
さらに、あのオチ。
せめてスカッと勝負だけはつけて欲しかった。
少なくとも、あんな終わり方をしなければ、☆1つということはなかった(と思う)。
徹頭徹尾ダメ!

映画 『技術者たち』(☆☆)

韓国の俳優のことがわからなくても、
「たぶんこの主人公はクライマックス前には退場しないだろう」
ってわかるぐらい、序盤から目立ちまくってるので、
後半の仕掛けがすべて分かり易すぎるほどのベタなダマしにしかならない。
序盤から実は「これでもか」というほどエサ撒きまくってるし
(そういう意味では無駄がないのだが)、
こういう作品はそもそも爽快感とか痛快感ありきなので、良くも悪くも裏切らない出来。
ちょっとしたヒマつぶしに観る作品。

映画 『海難1890』(☆☆)

2013年の『勝手に映画賞』(ワシ私選の映画賞)で
最高賞に輝いた『飛べ!ダコタ』と似たタイプの映画で、
1890年に和歌山沖で沈没したトルコの軍艦「エルトゥールル号」の
乗組員救出の史実と、
1985年にイランのテヘランに取り残された日本人を、
トルコ政府が救援機を飛ばして救った話を絡めて、
両国の友好がただならぬものであることを訴えたい、というのが今作。
『飛べ!ダコタ』の話は、今作で言えば1890年の話だけで構成されているわけだが、
その分詳細でかつ丁寧な作りである。
両作ともスコットランド民謡が絡むのだが
(『飛べ!ダコタ』では「蛍の光」、今作では「故郷の空」)、
前者にはそれなりの必然性があったが
(『飛べ!ダコタ』で救出したのはイギリス人)、
今作においては唐突に出てくるし、
だいたいトルコ人とスコットランド民謡が結びつかないのである。
現地民とトルコ人との間でそういう交流があったとか言うんだったら話は別だが、
少なくとも作中ではそういう話は出てこないし、
そもそも交流のシーンがほとんどないままトルコ人の多くは帰国してしまう。
それでいて、沈没前の話がやたら長いし、
1985年の話もエルトゥールル号の話全体から考えればかなりアッサリ味。
だいたい、1985年の話の中でエルトゥールル号の話は、
ぼやかしてしか出てこないので、
この2つの話の間に脈絡が感じられないのだ。
そうするとあの沈没前の冗長さは、話のヴォリュームを持たせるために、
そうせざるをえなかったと勘繰ってしまうわけである。
そういう意味では、エルトゥールル号沈没までの話はわりと丁寧にしてるので、
沈没までの話だけは興味深かった。
しかし、それ以外は非常にザンネンな出来で、
特に1985年の話は極端な話必要ないんじゃないかってレベル
(もっとも、これが無いとトルコが一方的に助けられただけの話になるし、
だいいち『飛べ!ダコタ』と差別化できなくなってしまう)。
もっと言えば、これでは単なる「いい話」でしかない。
教科書的な「いい話」なら、今やテレビに溢れてるんだから、
少なくとももっと掘り下げてもらいたかった。

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-06

中山09R 霞ヶ浦特別(3上1000万下 D中 ①点)
  ◎ ⑯シンボリハミルトン
  ○ ⑩リッカルド
  ▲ ②ポイントブランク
  △ ⑭ピグマリオン

中山10R 市川S(3上1600万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑤オコレマルーナ
  ○ ⑦マイネルメリエンダ
  ▲ ⑫ウインフェニックス

中山11R アクアラインS(3上1600万下 D短 1点)
  ◎ ⑬キタサンミカヅキ
  ○ ⑫パイメイメイ
  ▲ ③アピア

阪神09R シクラメン賞(2歳500万下 芝中 2点)
  ◎ ⑨レプランシュ
  ○ ③サンライズクロンヌ
  ▲ ⑦ダノンシャルマン
  △ ⑥ヒーズインラブ

阪神10R 堺S(3上1600万下 D中 2点)
  ◎ ⑤メイショウウタゲ
  ○ ③エノラブエナ
  ▲ ①トップディーヴォ

阪神11R タンザナイトS(3上OP 芝短)
  ◎ ⑭ブラヴィッシモ    安定感買って
  ○ ②テイエムタイホー  阪神実績買って
  ▲ ⑬ダノンプログラマー 距離実績買って
  △ ⑪ミッキーラブソング この斤量なら

中京09R 栄特別(3上500万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑥サダムロードショー
  ○ ⑬クワトロガッツ
  ▲ ⑧フローレルダンサー
  △ ⑱ファシーノ

中京10R 浜松S(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑫アットウィル
  ○ ⑧マルヨバクシン
  ▲ ⑬サンシカゴ

中京11R チャンピオンズC(3上GⅠ D中)
  ◎ ⑦コパノリッキー
  ○ ①ノンコノユメ
  ▲ ⑬ホッコータルマエ
 本命は、秋シーズンも好調そうな⑦から。
 前走では⑬も破ってるし、中央GⅠも制覇しているので、実績上位と見る。
 対抗には、4連勝中と勢いに乗る①
 ⑦ともども時計面でやや不安は残るが、
 鞍上との相性も良さそうだし、とにかく勢いがあるので一気の戴冠も充分と見る。
 3番手は、去年のこのレースの覇者⑬。
 1年ぶりの中央競馬ということで戸惑いもあるかもしれないが、
 実績最上位で、記録もかかっているので侮れない。

中京12R 鳴海特別(3上1000万下 D短 1点)
  ◎ ①メイショウオオカゼ
  ○ ②ラテンロック
  ▲ ⑭コスモピーコック

「新・中央競馬予想戦記」 2015-12-05

中山08R イルミネーションジャンプS(3上JOP 障害)
  ◎ ⑥サナシオン    連勝の勢いで
  ○ ⑪オールアズワン 地脚は高い
  ▲ ⑮ラステラ      惜しい競馬続く

中山09R 葉牡丹賞(2歳500万下 芝中 1点)
  ◎ ⑭ドンチャプ
  ○ ⑦コスモプロテア
  ▲ ⑥マツリダバッハ
  △ ①ファスナハト

中山10R 舞浜特別(3上1000万下 D短 ①点)
  ◎ ④モルジアナ
  ○ ⑬チュウワベイビー
  ▲ ⑭ロトラトゥール
  △ ⑤メランコリア

中山11R ステイヤーズS(3上GⅡ 芝長)
  ◎ ⑧メイショウカドマツ
  ○ ②アルバート
  ▲ ⑪ファタモルガーナ
 ポイント的には、2年連続してこのレースで2着している⑪なのだが、
 このレース7歳以上は特例的な馬(例:トウカイトリック)しか来てないので、
 3番手まで降格。印を打っているのは、
 この馬も特例的な馬である可能性があるため。
 代わって本命には、前走でバッサリ消した⑧を手のひら返しで推す。
 相手関係的には2着だった前走よりラクに見えるし、
 あとは距離さえこなしてくれれば…、っていう父馬じゃないところが不安…。
 対抗には、3連勝でOPまで駆け上がって来た②。
 この馬も血統的には距離に不安が残るが、勢いと強力な鞍上の手腕に期待したい。

阪神09R 万両賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑥アンシエルワープ
  ○ ③ゼンノトライブ
  ▲ ②プリンシパルスター

阪神10R 赤穂特別(3上1000万下 D中 2点)
  ◎ ⑮トラキチシャチョウ
  ○ ②ブロンクスシルバー
  ▲ ⑦ロゼッタストーン

阪神11R 逆瀬川S(3上1600万下 芝中 1点)
  ◎ ⑧ガリバルディ
  ○ ④タイセイアプローズ
  ▲ ③ムーンクレスト

中京10R 寒椿賞(2歳500万下 D短 1点)
  ◎ ①ヴェンジェンス
  ○ ⑫ミキノヘラクレス
  ▲ ②リチュアルローズ

中京11R 金鯱賞(3上GⅡ 芝中)
  ◎ ①ディサイファ
  ○ ⑩ミトラ
  ▲ ⑧ベルーフ
 本命は、中京実績馬のうち近走実績が一番高い①。
 左回り自体得意だし、距離相性も良好。あとは最内枠をどうさばくかだろう。
 対抗には、中山では好調な⑩。
 前走内容は良いので、好調持続ということで。あと左回りも決して悪くない。
 3番手には、前走は距離的に度外視の⑧。
 既に対古馬戦もこなしており、安定感もあるし、距離相性も良いので、
 あとは鞍上の手腕に期待したいところ。

中京12R 鳥羽特別(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑭トウカイセンス
  ○ ⑨スマートプラネット
  ▲ ①ハギノナトゥーラ
  △ ⑫アースプレイ

「新・中央競馬予想戦記」2015年第11開催を振り返って

①11/21、11/22、11/23、11/28、11/29の結果
 (1)11/21の結果
  1分(もちの木賞) 5敗
   回収率 11.7%
 (2)11/22の結果
  3勝(ユートピアS、観月橋S、マイルチャンピオンシップ) 4敗
   回収率 70.7%
 (3)11/23の結果
  4勝(伊勢佐木特別、秋明菊賞、花背特別、修学院S) 3敗
   回収率 51.7%
 (4)11/28の結果
  1分(京都2歳S) 5敗
   回収率 33.3%
 (5)11/29の結果
  3勝(ベゴニア賞、シャングリラ賞、京阪杯) 1分(オータムリーフS) 5敗
   回収率 51.3%
   年間回収率 75.8%
   通算回収率 72.8%

②開催を振り返って
 (1)重賞は、武蔵野SのおかげでGⅢだけは良かった
  (全体:17戦69.0% :9戦106.0%、:4戦22.5% :4戦38.3%)
 (2)武蔵野Sのおかげもあるが、ダート戦は全体的に好成績
  (全体:27戦134.9% 短:15戦132.1% 中長:12戦139.4%)
 (3)普段よくない福島コースが、今回は悪くなかった
  (18戦通算 88.7%)
 (4)芝戦は長距離を中心に悪かった
  (全体:64戦41.7% 短:31戦52.9% 中:26戦36.0% 長:7戦10.7%)
 (5)2歳戦が足を引っ張った
  (19戦通算 25.4%)

③開催全体の総括
 開催回収率は62.1%と年間を10ポイント以上下回る低成績。
 やっぱり重賞で取れてないのがダメだよなぁ…。
 残り1開催。前回良かった中山と、今年唯一の万馬券を取った中京があるので、
 まだ年間80%に向けて望みは捨てていないが、
 これから増える2歳戦の調子が落ちているのと、
 もともとレース数の多い芝戦の成績が悪かったのが気がかり。
 これらを引きずらなければ、クリスマスプレゼントもゲットできるかな…。

④12/5、12/6の買い方
 中山:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 阪神:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 中京:条件戦=複勝 OP以上=馬連

映画 『ルンタ』(☆☆☆)

北京オリンピック以降、中国による弾圧が強まったチベット国内で、
これに対する抗議の形として「焼身」する者が、
今年3月までの約10年で141人に上るという。
建築家で、今は元政治犯などの支援もしている中原一博の視点を中心に、
「焼身抗議死」した人々のバックグラウンドや、
デモに参加した人々、さらにはチベットの現状などを描くドキュメンタリー。

ガンジーの例もあるように、「非暴力」には一種独特の恐さというか、
当然「暴力」に対する大きなアンチテーゼという意味合いが大きいのだが、
それが通用するのは理性のある相手なのであって、
その理性を自ら「中華」と名乗り、
数千年前の価値観をいまだに世界に押し付けているような相手に求めるというのは、
彼らのリアクションなどを見ても少々無理があるように思われる
(だからって武装闘争やるほど資金力があるわけじゃないだろうけど…)。
一方の中国は、古人のいいお言葉とう、数千年の叡智があるんだから
(例:「縮めようとするなら、まず伸ばしてやる」(老子)、
「敵を必死にさせないために完全包囲してはならない」(孫子九地篇))、
もう少し統治論とか真面目に勉強すればいいのに、
始皇帝以来全然統治手法が変わってないっていうのがねぇ…。
そして日本である。
日本人には、「自由を抑圧された」歴史が、本質的には無い
(それどころか、強圧的な統治者をそれほど経験してない)。
だから、ここまでして「自由」を希求する気持ちが、
ホントのところ理解できないのではないだろうか
(ワシも、そういう意味では理解できんかったけど…)。

彼らには、もともと「利他」の精神があると作中では言っているが、
一方で「焼身抗議」した人々の遺書には
「自分たちに続いて来てはいけない」と、ある意味では断絶を望んでいる
(まぁ、あんなことがそう立て続けに起きても困るだろうが…)。
でも、それってあまり建設的でないっていうか
(対話のチャンネルを閉ざしている中国にももちろん問題はあるのだが)、
これで解決するとはやはり思えないわけで…。
そもそも、チベットは中国にとっては国家ではないわけで、
つまり国内問題であって外国の入り込む余地も少ないわけで、
だからこそそういう行動を取らざるを得ないのは充分に理解できる。
しかし、それが相手に通用してないことは今作からでも明らかだし、
世界的な影響力だけで言えば、ウイグル族によるテロ活動の方が、
よっぽどセンセーショナルに映るのは、
ワシのニュースの取り方が偏ってるからなんだろうか…。

いわゆる「イスラム国」のように、資金力があればあれほどの大事もできるのだろうが、
チベットの人々にはそれがない。
だからと言って、どこかの誰かから巨額の資金援助を受けてしまったら、
その「どこかの誰か」に注目も集まるし、
「どこかの誰か」の影響力がチベットに及ぶ可能性(危険性)も指摘されることだろう。
飛び地の独立はそう難しくないのかもしれないが、
地続きの地域の独立というのはそう簡単なことではないのだろう。
チベットの未来は、決して明るくない。

映画 『黄金のアデーレ 名画の帰還』(☆☆☆☆)

今年は、日本にとって「戦後70年」なのではなく、
世界の多くの国家にとって「戦後70年」なのである。
だから洋画では(『杉原千畝』もあるから邦画でもそうだが)、
ナチス関連の映画が少なくない
(延び延びになってた『ミケランジェロ・プロジェクト』も、
戦後70年に合わせて延ばしたと考えられなくもない)。
今作も芸術関連の話なので、その『ミケランジェロ・プロジェクト』とも
無関係ではない話なのではあるが、
今作で扱われているクリムトの『ウーマン・イン・ゴールド』
(原題はこの画題をそのまま用いている)は、ドイツ国内に持ち去られることなく
(退廃的な作風のため好まれなかったらしい。
確かに、贅沢に金箔を貼りまくったこの作品は、
取りようによっては悪趣味と言えなくもないが…)、
オーストリアの美術館に「譲渡」されたことになっていた
(だから、『ミケランジェロ・プロジェクト』でも
リストアップされていなかったのだろう)。
しかし、今作ではその「譲渡」の事実自体から洗い直し、
最終的に美術館から取り戻すまでの顛末を、
その絵画のモデルの姪(ヘレン・ミレン)と、
累代の付き合いがある一族に属する弁護士(ライアン・レイノルズ)を
中心に描いている。
姪やその一族(もちろんモデル本人も)はユダヤ人で、
ナチスドイツのオーストリア併合時に、家財一式を差し押さえられ
(その時点でモデルの女性は死んでおり、その遺言のみが遺されていた)、
姪とその夫は姪の両親を置いてようやくの思いでアメリカに逃げてきた、
という経緯がある。
姪は、それを取り戻そうとオーストリア政府に掛け合ったが、
当時「オーストリアの至宝」とまで言われていたこの絵画を、
政府が手放すはずもなく、また高額な訴訟費用もあって
結局は泣き寝入り…、とは行かなかった。
この係争でオーストリアに渡った弁護士は、自分のルーツに触れ、
現在の醜態に対し義憤にでも駆られたのか、
最初乗り気でなかったこの裁判に、結局は一番のめり込むことになってしまうのだ、
家族の苦労もいとわずに…。
そして彼は、アメリカにいながらにしてオーストリア政府を訴える離れ業を見つけ出し、
遂には訴訟の舞台にオーストリア政府を立たせるところまで持ち込むのだが…。

相手が国家ということもあり、まず異色の法廷ものという捉え方ができる今作。
その意味では、この訴訟を通じて成長する弁護士が主人公という一面を持つ。
当初はせいぜいカネ目当て(1億ドルは下らないという価値のある絵画)で、
「頼りない」だの「少年」だのと揶揄されながらも、
最高裁や調停の舞台で堂々とプレゼンするところまで来るわけだし、
家族の生活がかかってるからとはいえ、最後まで粘り強く戦いきったわけである
(彼の奥さんも、彼の背中を押すいい奥さんである)。
対する姪の方は、やや偏屈。
ユダヤ系ということもあり、
祖国オーストリアから受けた扱いを考えれば仕方ない面もあるが
(その辺の話は、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』でも触れられているが)、
「絵を取り戻すためとは言え、オーストリアに行くぐらいなら死んだほうがマシ」
まで言っちゃうんだからねぇ…。
ワシなら「その程度の思いなら、どうぞ1人でご勝手に」とか言いかねないわぁ
(実際弁護士さんも、縁故で仕方なく頼まれた上に、
実績づくりとカネ目当てだったわけだからねぇ)。
ただ、彼女にもやはり両親を置いて逃げてきた負い目があったりするわけだし、
彼女なしにはこの話自体進まないわけで、
絵が描かれた経緯以外はわりと丁寧に描かれている作品。

弁護士さんの方を主役だと思って観ると、
異色の法廷ものとしてかなり評価できる作品。意外とアツい。

映画 『クロスロード』(☆☆☆)

映画の方、観てまいりました。
まぁ、「いい」映画なんじゃないでしょうか
(いきなり、引っかかる書き方だなぁ…)。
もっとうがった書き方をすれば,「青年海外協力隊」のプロモーションビデオ
(これは,さすがに少し書きすぎだが…)。
とはいえ、ワシも大学の福祉系の授業の小論文なんかで
「24○間TVなんか偽善だ」とか平気で書いてたから、
沢田(黒木啓司)の気持ちはわからないではないです
(彼が抱える事情は、ずっと深刻だけどねぇ…).
一方で沢田は、「相対的貧困」と「絶対的貧困」をはき違えてて
(なまじ知らないからこそ、フィリピン人兄弟に夢を与えることもできたわけだが)、
しかもボランティア目的じゃなくして「青年海外協力隊」に参加して、
「結局何もできなかった」とか言ってるし…
(むしろ、このトンチンカンなところを狙ってるようにも見えるが…)。
一方、彼と対立する羽村(渡辺大)は、バカ真面目なせいか、
意気込み十分なのに現地に溶け込めない。
ともに、ピュリッツァー賞をとった「少女を狙うハゲタカ」の写真を見て、
羽村が「どうして写真家は目の前のこの子を助けないんだ?」と言うと、
沢田は「この1枚の写真が何万人もの命を救う力を持つ」と反論するという、
ジャーナリストなら誰でも持つ命題をわかりやすく提示したりと、
わかりやすい作りの映画なのではあるが、
いかんせん「いい映画作ってまっせ」感を出しまくっているために、
本当に「いい映画」止まりなのである。
まぁ、「青年海外協力隊」は本当にヤバいところには派遣されないっぽい、とか、
「他人に使われてるうちは、自分のやりたいことなんてそうそうやれない」とか、
そういう部分は垣間見えるが、
基本的には「お涙頂戴」の「いい映画」仕立て。
感動したい人、泣きたい人向けの映画。

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