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映画 『グリーン・インフェルノ』(☆☆☆)

基本構造はよくあるホラー作品に近いが、
アメリカの学生の一面が垣間見られるなかなか興味深い作品。

国連の弁護士を父に持つジャスティンは、
学内で用務員のためにハンストを起こそうと呼びかけるアレハンドロに惹かれ、
彼が提言した「反開発、原住民保護」の活動について行く。
軍隊崩れを伴ってジャングルを切り開く企業を相手に、
スマホのカメラと衛星ハッキングを駆使して立ち向かう学生活動家集団。
しかし、実は初めから「国連関係者の娘」であるジャスティン頼みの活動で、
しかもこの話自体に裏があったわけだが、
その話自体はどうでもよくて、反開発活動を行ったことで国外退去する途中で、
彼らが乗るプロペラ機がジャングルに墜落。
彼らが助けた(と思ってる)少数民族に拉致され、
彼らの重要な習慣である「食人」に供される、という話。

基本的にはスプラッタ系で、生きたまま(もちろん特殊効果によるものだろうが)
切り刻まれる学生。
目玉をくり抜かれ、舌を切られ、それらを生で食らう原住民。
それを助けようと考えていたんだから大いなる皮肉でもあるわけだが、
このリーダーのアレハンドロが実に山っ気たっぷりなのである。
ジャスティンを引き込んで自分たちの活動の保険にする。
現地のコーディネイターが、実は開発会社を追い落とすために送り込まれていて、
アレハンドロもそれを知っていた。
そのため、人食い原住民に捕まっても遠からず新しい開発会社が、
同じ軍隊崩れを連れてまたやってくると知っている。
彼は、要するにこの活動を通じて自分を売り込みたいだけなのである。
日本人から見ると、シーシェパードなんかは彼のように見えるのかも知れないが、
『ポチの告白』の例を引くまでもなく、
善悪は相対的な概念であり、
ウラでは利害で結びついている可能性はどこにでもあるのである。
『海難1890』で日本とトルコは仲がいい、みたいなアピールをしているが、
実はトルコはいわゆる「イスラム国」から石油を買ってるという疑惑があったりと、
報道などによって垣間見える国々の顔というのは、
氷山の一角でしかないということである。
そういう社会の本質を、学生時代から肌身で感じてるアメリカ人と、
大学に入ったら基本遊び呆けてるだけの日本人では
(どちらもみんながみんなそうではないだろうが…)、
やはり社会に出てからのたくましさが違うように思われる。

ホラー作品というよりは、アメリカの学生の一面を垣間見る作品。
内容が内容なのでオススメとは行かないが、
いろんな意味でえげつない作品であることは確かである。

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