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映画 『フランス組曲』(☆☆☆)

ユダヤ人女性作家が、アウシュビッツに送られるに当たり、
娘に託したトランクから60年の時を経て2004年に発表された小説が原作。
ドイツに進駐を許したフランスの田舎町を舞台に、
戦地に旦那を送り出した女性と元作曲家のドイツ人士官の「道ならぬ恋」を軸に、
ドイツ支配下をしたたかに生きる人々を描いている。

まず、慰安婦を用意しない最前線の男が何をするか、という話であるし、
男手のない町に若い男が押し寄せてきたら女たちはどうなるか、でもある。
日々の糧を手に入れるため、単なる手慰みのため、あるいは「道ならぬ恋」のため、
彼ら彼女らは密かに情を通わせるわけである。
だからと言って「あの戦争」で日本軍のやったことを正当化しようとは思わないが、
少なくとも某大勲位などはそれを自らの功績として誇らしく思っているようだし、
かといってそれを表立って指弾しようとする者もいないわけだから、
このくにはけっきょくのところそういう国なのであろう。

今作の二人の出会いは、戦争があればこそではあるが、
戦争が無ければお互いこんなに苦しむこともなかったことだろう。
そういう意味では、実に皮肉に満ちているわけで、
作家活動が途絶するかしないかの瀬戸際にあって、
こういう作品を書けた作家さんには素直に賛辞を送るしかない。
普段あまり恋愛ものを観ないワシなので、評価はどっちつかずなものだが、
「秘すれば花」(『風姿花伝』)という言葉がふさわしい作品と言えるかもしれない。

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