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映画 『ディーン、君がいた瞬間(とき)』(☆☆☆)

会社勤めしてるワシが言っても説得力ゼロだが、
「すまじきは宮仕え」である。
勤め先にとって不利になる発言はできないし、
時間は勤務によって拘束される分だけ自由も拘束される。
ワシなどは、警備員をやっているので、関連法規によってさまざまな規制も受ける。
作中では,ワーナーから仕事をもらうその前に、
ワーナーが製作した映画にケチをつけたことをやり玉に挙げられるわけだが、
あのワーナーの社長とマネージャー&ジェームス・ディーンのやり取りなどは、
例の「SMAP騒動」をほうふつとさせるものがある
(同じショウビズの世界でもあるしねぇ)。
彼のフォトエッセイを撮ったデニス・ストックは、その様子を
「独特のぎこちなさ」と評し、そこに彼の独自性を見て取ったわけだが、
彼にとってLAやニューヨークは、
決して居心地のいい場所ではなかったのかもしれない。

ジェームスディーンに関しては全然詳しくなく、
若くして交通事故で死んだことぐらいしか知らないのだが、
その半年ほど前に撮られたフォトエッセイ完成までの顛末を見ると、
やはりもったいない人を亡くしたのだな、と思わずにはいられない。
彼がフォトエッセイを経てさらに声望を増し、
もっとわがままにあの世界を泳ぐことができたなら、
アメリカのショウビズ界は今とは少し違ったものになっていたかもしれない。
と同時に、「SMAP騒動」を見比べてみると、
「しょせん商品」である彼らがそうそう奔放に振る舞うことはできないのだろう、
ということも思い知らされる。
また、もし生きていたら、なにがしかの形で「晩節を汚す」
(作中を見る限りではクスリまみれになるとか)可能性もあったわけで、
やはり若くして死んだ者には「伝説」なり「可能性」がつきものである、
ということであろう。

ある意味ではタイムリーな作品。

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