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映画 『恋人たち』(☆☆☆)

3人の主人公とその恋人が、互いに微妙に絡み合いながら進んで行く、
近年流行のオムニバス的な作品。
それぞれ主人公は、通り魔によって妻を殺された男(1)、
家の中でうっ屈してる主婦(2)、同性愛者の弁護士(3)。

(1)に関しては、まず何と言ってもこの国の犯罪被害者や
その遺族に対する冷淡さであろう。
通り魔が犯行当時精神耗弱だったことも不幸だったと言えなくもないが
(その根拠となる刑法39条も正直どうかと思わなくはないが…)、
精神的ケアにしろ、それに伴う資金的援助もほとんどない(ようにな描写がされている)。
確かに、人を殺しても犯罪として認められないような、
殺すにも値しないようなヤツに私的制裁を加えることは賛成しがたいが、
健常者の更生もなおざりなこの国では、
やはり被害者に対する対応がしっかり行われていないことは確かであろう。

(2)に関しては、正直いろいろちょろい女性ではあるが、
見方を変えれば「スーパーポジティヴ」とも言える。
周辺の人々にも「本当の悪人」がおらず、
彼女の話になるとなぜかほんわかとしたタッチになって行く。
職場でそれなりにガス抜きもしており、存外たくましく生きているとも言えるだろう。

(3)は、最近話題のセクシャルマイノリティの悲哀。
しかし、それ以前にに減としてちょっとアレで、
(1)に損害賠償裁判に関して相談された時も
「(自分のキャリアに)キズがつく」という理由で結局取り下げたり、
パートナーに対して思いやりが無かったりと、正直あまり同情できない。
古い友人((3)が思いを寄せる相手でもあるのだが)から
「息子にいたずらするのでは」と疑われるのも自業自得と言えなくもない。

会話がかみ合わない個所も散見されるし、
ラストの唐突感もありやや見づらい作品と言えなくもないが、
世知辛くうっ屈したこの国で、それでも懸命に生きてる人々を、
穏やかな目で映し撮っている作品と言えるだろう。

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