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映画 『オデッセイ』(☆☆☆☆)

昔、『太平洋ひとりぼっち』なんていうのがあったけど、
今作はまさに「火星ひとりぼっち」といった趣。
でも、数値的な絶望感とは裏腹に、
主人公のワトニー(マット・デイモン)にはさほど悲壮感がない。
さすがに、当初はケガをしたこともあって
(それでもめげずに自分で何とかしてしまうところにたくましさを感じる)、
放心状態というか、何も手につかなかったが、
やがてほかのクルーが置いて行った荷物の中から生のジャガイモを見つけ出し、
自分たちが出した汚物と火星の土を居住区画内に持ち込んで
(地球より外を回っている火星では,夜は土が凍ってしまうので、
ふきっさらしの外では農業が不可能)ジャガイモの栽培を始める。
さらに、残された資材を使って水を作り,果ては20世紀の遺産である
「マーズパスファインダー」を使って地球との交信も行う
(ただし通信量が少ないので16進数を使って
ASCIIコード変換表とにらめっこしながら通信)。

そんなこんなで、最後はアメリカ映画らしくハッピーエンドなのだが、
今作はどちらかというと過程を楽しむタイプの映画なので、
ワトニーを助けるために様々な手立てを打ったり、
ワトニーを置いてけぼりにしてしまった他のクルーの葛藤がちょっとあったり、
船長の選曲センスがかなりアレだったり、
クルーの一人が重度のゲームオタクだったり
(地上スタッフもなかなかのオタクっぷりだけど)と、
全体的にコメディタッチで、そういう意味でもあまり悲壮感がないので、
緊迫する場面もけっこうあるのになんかゆる~い気持ちで観ていられる。

そして、今や宇宙開発の主役は「米ロ」ではなく「米中」に移行しつつある、
ということである。
ロシアはもともと予算規模が決して大きくないし、
野心としては今は中国の方が豊富だし、軍事大国でもあるし、
なんといっても知を集積しつつある。

エンタテインメントとしてもよくできているし、
宇宙開発史をきちんと踏まえて作ってあるし、
「安全にはきちんとコストを払わなければならない」など示唆的な話もある。
一見の価値ありである。

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