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映画 『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』(☆☆☆☆)

サブプライムローン破綻に端を発するリーマンショックを、
マクロ的な視点で見た『マネー・ショート 華麗なる大逆転』に対し、
今作はミクロ的な視点で見事に切って見せた。
また、以前織田裕二が主演していた『お金がない!』をほうふつとさせる、
貧乏脱出作戦(とその後の墜落)も見逃せない。
予備知識(特にサブプライムローンそのものについて)があるとさらに楽しいが
(主人公(アンドリュー・ガーフィールド)や彼から家をむしり取るリック
(マイケル・シャノン)の行動原理がよりわかりやすくなる)、
無くてもそれこそ『お金がない!』的なストーリー展開なので、
主人公が「貧すれば鈍する」様子がつぶさにわかる。
ラストは、どんでん返し的な展開だが、
「最後に人としての良性に目覚める」とも言えるし、「因果応報」とも言える結末。

成功とその代償についての考え方も『お金がない!』に近く、
主人公がカネを得る代わりにいろいろなものとお別れしていく様を鋭く描かれているが、
日本人は多分このテの成功者が大嫌いだろうね。
でも、こういう成功者がノンフィクションでも
(ドナルド・トランプってもしかしてリックみたいな感じなのかも)、
フィクションでも(近作だと『ナイト・クローラー』とか)けっこういるから、
面白いのかもしれない。
日本人から見ると『お金がない!』を凝縮したような作品とも言えるが、
ほぼこのまんまのことが実際に起きていたことを考えると、
怖い国とも言えるし、いろいろ考えてる国だな、とも思う。
札幌では公開時期も近いので、
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』と対で観ると経済の勉強にもなるかも。

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