映画 『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』(☆☆☆)
戦後間もなくのイギリスを舞台にしてはいるが、
扱っている題材は介護問題などの現代老人を取り囲む今日的な話。
名探偵シャーロック・ホームズを引退に追い込んだ事件を、
ある意味自らのリハビリ(アンチエイジングとも言えるか)のために使うが、
凡百な食事療法よりも無邪気な子供の若い知能の方が、
脳味噌にはいい刺激になって薬に立つ、という話も
頭脳労働の探偵らしい仕上がりになっている。
しかし、今作の主題はどちらかと言うと過去の話ではなく、
今を生きるホームズと家政婦親子の交流という、
孤独死問題や介護問題の寄りそう方向に向かっているように思われた。
タイトルから考えると脱線しているようにも思えるのだが、
観客を惹きつけるという意味ではこの上ない題材なわけで、
それをうまく使っていると言えなくもない。
ただし、タイトル通りのものを期待して観に行くと、
悪い意味で裏切られることになるかも…。
事件を見事に解決できる名探偵も、
人の心に巣食う闇までは晴らすことができないということである。
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