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映画 『砂上の法廷』(☆☆☆☆)

今作のような考え方は、馬鹿正直な日本人には理解しがたいだろうね。
法廷でウソの証言をすると、「偽証罪」に問われるという話は、
日本の法廷モノでもよく出てくる話である。
しかし、その「偽証罪」を成立させるためには、
その証言が「偽りである」証拠を出さなければならないわけである。
裏を返せば、偽証を立証できない、あるいは立証が極めて困難な偽証は、
してもいいということになる。
今作のような、家族内での犯罪において、この「立証できない偽証」というのは、
実はいくらでも成立してしまう、というのが今作のキモなのである。
例えば、被害者の言行をいくらでっち上げても、
それが家庭内だけで起きていることなら、偽証の立証は極めて困難である。
つまり、被害者の人格ですら加害者の好きなように形成できてしまうのである。

また、今作においては、主人公が被害者家族の「顧問弁護士」であるという点も、
話をややこしくしている。
作中でも助手と意見を戦わせているように、弁護士には2つの仕事がある。
ひとつは、法廷を構成する一員として「真実を追求」すること。
もうひとつは、依頼人の罪を減免して「依頼者の利益を保つ」こと。
まして、この弁護士はこの家族の内情に詳しい。
ラストでタネ明かしされるが、あのタネ明かしから改めて個々の証言を再検証すると、
よりドロドロしたドラマが想起されるわけだが、
そもそもそれらの証言の全てが真実である保証が無いので、
そうなると観客が信じたいものだけが真実になってしまうわけで
(まぁ、その辺りが製作側の狙いなのかもしれないが)、
そういう意味では実に凝った作りの作品と言える。

法廷のタブーに挑戦している作品といえるし、
「ルールを破るためにはルールを知ること」というダライ・ラマの言葉がしみる、
実にアメリカンな作品とも言えるだろう。

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