映画 『ジョーのあした-辰吉丈一郎との20年-』(☆☆☆)
この人は、「辰吉丈一郎」という人生をメッチャ楽しんでいるよね。
それをずっと追いかけている阪本監督との20年をまとめたドキュメンタリー。
話を聞いていて思ったのは、
この人はボクシングをやっていて、まだ本当の意味での「エクスタシー」を
感じてないのではないか、と思った。
そして、だからいつまでも「現役」を続けているのではないか、とも思った。
でも、いい加減体の方が追いついてこなくなってきているのも事実だし、
なんといっても息子さんがプロデビューしてしまうわけである。
今となってはライセンスも無い身分である
(しかし、そうなってからもちゃんと試合ができるというのも面白いわけだが)。
年齢的に日本からはライセンスは出ないわけだし、
いくらネームバリューがあっても試合を組むこと自体容易ではない状況が、
もう何年も続いているわけである。
彼にとっての「エクスタシー」が、今となっては何であるか、知りようが無い。
何せ彼は、都合3度もチャンピオンベルトを巻いているわけである。
それでやめられない彼が、いったい何で「やめる」というのだろうか。
そして、父粂三さんの存在である。
正直、もう少し掘り下げて欲しかったかな。
この辺が、ドキュメンタリ畑の監督でない阪本監督の弱さとも言えるのだが、
それでもこのドキュメンタリーは阪本監督以外には撮れないだろう。
「人まねですらしないオレが、作り物のまねなんかするか」と、
毒づいた辰吉ではあるが、彼にとっての「エクスタシー」は、
もしかするとリング上で「真っ白な灰」になるまで完全燃焼することなのかもしれない。
しかし、確実に彼は今も「辰吉丈一郎」をエンジョイしている。
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