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映画 『獣は月夜に夢を見る』(☆☆☆)

『赤ずきん』(2011年版)の狼の扱いも面白かったが、
今作はそれに通じる面白さがある。
なんだったら、ちょっとかぶる部分もあったりするが、
現代モノに仕上げているだけに、
家族としての葛藤みたいなものとか
(洋画における「家族」の描写って、やっぱり興味深い)、
一方で普遍的な部分(今作では、ズバリ「愛」がテーマだったりするんだが) もありと、
興味深い仕掛けがいっぱい仕込まれているわけだが、
いかんせん観終わった後もモヤモヤ感がいっこうに晴れない。
旦那さんには、愛してしまった負い目があるのだろう、
一人で奥さんの秘密を抱え込んでしまっているが
(お医者さんも多分知ってたんだろうが…)、
そうであるがゆえに娘に対する接し方を決定的に間違ってしまう
(『ルーム』の親子にも、似たようなことが言えるわけだが…)。
そのことが、破滅的局面に向かう遠因にもなってしまうのだが、
そうなってしまっても旦那さんはなす術なし。
しかも、結局コミュニティからの疑念は払しょくされてないわけで
(だから主人公である娘は、あまり良い目で見られないわけだが…)、
その辺の人間関係(特に恋人となる男がコミュニティ内の人間なのか移住者なのか)
がしっかり書かれていないので、
その辺の対立関係のようなものがあまり描かれていないのが、
モヤモヤ感が払しょくできない大きな理由かもしれない。
そういう意味では、もう少し上映時間が長くても良かったのかな、
と思わないでもないが、今作の尺でも長く感じたから、
もっと根本的な問題があるかもしれない。
設定の面白さを活かし切れなった、もったいない作品。

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