映画 『エンド・オブ・キングダム』(☆☆☆)
『スノーホワイト 氷の王国』に続く、まさかの続編。
そもそも、大統領とSPの個人的な関係が幹だったはず
(前作でもさほど機能してなかったが)のシリーズで、
どうスケールアップさせるのかと思ったら、まぁなるほど正常進化というか、
ただただエライ人増やしただけっていうね…。
そのための舞台だが、さすがにパリじゃ生々しすぎるし(上映中止まであったっぽい)、
当然日本ではいまひとつパッとしないし、第一不自然。
というわけでロンドンというのはある意味絶好の舞台であろう。
昨今の対テロ戦の状況を踏まえつつ、
今作で示したのは「制服」の恐さと言えるかもしれない。
制服のメリットは、とりもなおさずその「明示性」にあるわけだが、
そのわかりやすさは諸刃の剣となる、というのが今作で示される怖さだろう。
制服を着てしまえば、少なくとも外見上はその職業になりきれるわけで
(コスプレと言ってしまえばそれまでだが)、
特に警備のような制服組が入り乱れる場所において、
その明示性はむしろテロリストを潜入を容易に許す状況にあるということだろう
(私服は私服で非明示性(匿名性と言い換えてもいい)という
厄介な問題を内包しているのだが)。
今作では、主人公のバニング(ジェラルド・バトラー)は、
暗号を使ってやり取りをしていたが、
ある意味そういった前近代的な手法(ローテクと言い換えてもいいだろう)の方が、
効果がある場合もあるので、SPやスパイ、あるいは特殊部隊といった人々は、
そういった方法論に通じてる必要もあるだろう。
と言うと、やはり日本には「忍者」という立派な諜報組織が
過去において存在していたにもかかわらず、
今やその命脈は完全に絶たれ、
自力で諜報をまともに行えていない状況と言えるだろう
(実は世界最高の諜報機関が息を潜めて…、なんて言うと「妄想」になってしまうか)。
諜報、あるいは防諜といった情報戦は、
こういうわかりにくい世の中でこそ効果を持ってくると言えるし、
今作でもある意味ではそれを示していると言えるだろう。
やはり日本は、良くも悪くも「平和な国」ということなのだろう。
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