映画 『マクベス』(☆☆)
原作はシェークスピアの有名な戯曲であり、
そのシェークスピアも実際に下克上を成した実在の王の物語を元に描いている。
先頃お亡くなりになった蜷川幸雄氏による演出作品もあるし、
シェークスピア没後400年ということもあり
(毎日毎年誰かのアニバーサリーなのだが…)、
ある意味タイムリーな作品ではある。
良く言えば、「原作に忠実」な映画ではあるが、
原作の発表から400年以上を経ているため、
同じようなテーマに関してはある意味語り尽くされた感のあるわけで、
そういう意味では退屈な作品と言えなくもない。
マクベス(マイケル・ファスベンダー)は、王位を簒奪するが、
結果的には王たる器を持った人物ではなかったということだろう。
簒奪した者は、「自分も簒奪されるのではないか」という不安と、
ある意味常に向き合わなければならないわけで
(そうやって孤独になっていくわけだが)、
その不安と孤独に耐えられない者は、やがて王冠に押しつぶされてしまうのである。
そして、その不安は次第に夫人(マリオン・コティヤール)にも伝染して行くのである。
「原作に忠実」という意味では、初心者向けの作品と言えなくもないが、
400年の風雪に耐え切れなかったというか、
その年月の間に同じようなことが起こりすぎたせいか(人間って進歩がないねぇ)、
既視感のある作品とも言えなくはない。
« 映画 『見えない目撃者』(☆☆☆) | トップページ | 映画 『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(☆☆☆) »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 2022「勝手に映画賞」など(2023.01.31)
- 【1か月遅れ】鑑賞映画レビュー 2022年12月分(2023.01.30)
- 【1か月遅れ】鑑賞映画レビュー 2022年11月分(2022.12.31)
- 【3週間遅れ】鑑賞映画レビュー 2022年10月分(2022.11.21)
- 【1か月遅れ】鑑賞映画レビュー 2022年9月分(2022.11.01)
« 映画 『見えない目撃者』(☆☆☆) | トップページ | 映画 『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(☆☆☆) »
コメント