映画 『64-ロクヨン- 後編』(☆☆☆☆)
模倣事件が起こったところで前編が終わったわけだが、
模倣事件の犯人は、テレビ版と違ってアッサリと判明します。
今作は、テレビ版を全く意識してないはずはないので、
そうなると違いを際立たせる必要があるわけで、
その部分は後編における被害者のはずの目崎(緒形直人)が
警察で取り調べまがいのことをされて以降を引っ張ることに出ている
(ちなみにテレビ版は、その部分がすごくアッサリしてる、
というか目崎はしょっ引かれたらアッサリ認めて終了だったからなぁ)。
つまり、その部分の出来が、後編の、
いやこの映画全体の評価を左右すると言えるだろう。
ワシとしては、テレビ版のあまりにもアッサリしてるのもどうかとは思ったが、
映画版は逆にこってりし過ぎてるというか、
後編全体がある意味「人間の良くない部分」の大売り出し的な感じで、
目崎がしょっ引かれて以降の部分は、
のらりくらりと逃げ切ろうとする目崎に、
「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」とばかりに蛮行に至ってしまうところが、
行き詰まった組織に風穴をあける唯一の方法だとわかる一方、
そういう人間が結局報われないところにやるせない感じを抱きもするわけで…。
今作に爽快感を求めるのは間違ってるし、
そういう性質の作品でないことも十分承知はしてるのだが、
テレビ版とはまた違う意味でモヤモヤさせられる作品。
「すまじきは宮仕え」とはよく言ったものである。
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