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映画 『帰ってきたヒトラー』(☆☆☆☆)

コレは、どぎついコメディだよねぇ。
ちょっと前に、ヒトラーがナチス党を立ち上げてから、
「全権委任法」を成立させるまでを調べたことがあるので、
彼が「民衆に選ばれた独裁者」ということは多少は知っていたが、
当時の民衆も、そして現代人も、
おそらく彼の野心の本性を見抜くことはできないだろう。
なぜなら、彼の言っていることは一面にして事実であり、
それを内心良く思っていない人々が少なくないからである。
現代で実際に起きている例で言えば、
間もなく投票が行われるイギリスのEU離脱問題であり、
アメリカにおけるトランプ旋風などが当てはまるだろう。
そして、日本も阿倍晋三の動きだけを見れば、
米英の例に倣うところもあるだろう。
要するに内向きの民族主義的な動きであり、
トランプなどを見れば強権的な指導者の待望論と見て取れなくもない。
一方でヒトラーは作中で「責任ある指導者」を待望すると言っている。
M添都知事の例を見るまでもなく、
少なくとも日本のリーダーは非常に軽い。
しかもそれは昨日今日の話ではない。
民衆は、一面において「なんでも決めてくれる人」を望んでいる。
ヒトラーの台頭はその顕著な一例であり、だからこそ民衆は彼を選んだのである。

確かにこれは、素直に笑えない、風刺のききまくった作品である。
本当に、現代にヒトラーがやってきたら、
今作のように見事に適応し、80年前の悲劇を繰り返す可能性もあるし、
それを招来する土壌は、前述したように充分に存在する。
ラストがぼやかされているのが若干艶消しではあるが、
あまり断定的に欠ける内容ではないので、
良心というか、惻隠の情と言うべきものであろう。
歴史を学ぶ大事さや、マスコミの凋落(あるいは堕落)ぶり、
そして、日頃自ら言っている「いかに文明が進歩しても、問題の本質は変わらない」
ということを改めて思い知らされる怪作と言っていいだろう。

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