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映画 『オマールの壁』(☆☆☆)

「秘密警察」の存在自体、正直な話ナンセンスというか、
こんなものが必要な時点でその国は既に破綻してるわけだが、
ソレはあくまでもハタから見てそう言えるだけの話で、
実際に「秘密警察」がある国の国民にとっては、
当然死活問題なわけである。
そんな中、「友情」と「愛情」と「命」の狭間で、
主人公のオマールが孤軍奮闘する、というのが今作。
しかし、ラストが最近よく見る
「主人公が最期の蛮勇をふるう」っていう形だったもんだから
(まぁ、相手が圧倒的に強いんだから仕方ないわけだが)、
ある意味予定調和的で、見終わっても驚きはない。
確かに、彼らの現状には同情こそすれ、
彼らを救済するシステムは結局彼らが作るしかないわけである。
なぜなら、まともに機能してるとは必ずしも言い難い
「国際連合」というシステムにしたところで、
欧米の白人たちが彼らの都合で作ったシステムなのである
(連合軍に最後まで刃向かった日本は、
世界最高額の上納金を納めながら、
今だに常任理事国の末席すら与えられず、
あまつさえ「敵国」扱いされているのである)。
彼らの二枚舌にまんまと乗せられて戦争協力するような
イスラム諸国には、それこそ「石油」を牛耳るぐらいしか
抵抗手段はなかったわけだが、
それすらも今は効力を失いつつあるわけで、
このように彼らの文化に乗っかって、
ささやかな抵抗を見せるしかないというありさまである。
そこまで追い込まれたからこそ、
現実にツインタワーに向かってリアルに「蛮勇」をふるうヤカラや、
「イスラムの国」という名のテロリズムが跳梁跋扈するわけである。
何も考えなければ、壁を超えるのはそう難しいことではない
(まぁ、案外何もないのかもしれないが…)。
しかし、壁を超えた向こうに何があるのかを考えさせるのが、
ある意味では本当の「支配」というものなのかもしれない

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