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映画 『栄光のランナー/1936ベルリン』(☆☆☆☆)

コレもオリンピックイヤーにふさわしい作品であり、
オバマ治世の掉尾を飾るという意味でも、
最近連発してる「反ナチス」モノの括りにも入る作品。
「ヒトラーのオリンピック」とも言われる、
1936年のベルリンオリンピックにおいて、
花形種目の陸上短距離で偉大な記録を打ち立てたジェシー・オーエンスが
今作の主人公。
後の名コーチ、ラリー・スナイダーの教えを受け、
国内大会を勝ち上がったジェシーは、ベルリンオリンピックの
陸上短距離の有力候補となっていた。
しかし、周知の通り当時のドイツは、
あの「アーリア優生主義者」のヒトラーが実権を握っている。
米国内では、反対の意味を込めてオリンピックボイコットの機運が高まっていた。
しかも、米国内でもいまだ差別対象だった黒人であるジェシーは、
「黒人地位向上委員会」なる組織からも参加しないように言われていた。
それでも、米オリンピック委員会は、オリンピック参加を決定。
ジェシーも代表選手として参加することになったが…。

実際にオリンピックに入ってからが特に素晴らしい。
差別意識むき出しで他の選手とは握手するのに、
ジェシーとは握手どころかまともに見ようともしないヒトラーに対し、
ジェシーのライバルとなるドイツ選手は、
ジェシーを選手として素直に認め、堂々たる戦いを演じる。
記録映画の監督は、上層部からの「ジェシーのことを撮るな」という命令を無視し、
「事実を残すことこそ我が使命」とばかりに、
むしろ念入りにジェシーを撮影する。
こういうのが、真の「オリンピズム」とか「スポーツマンシップ」
とか呼ばれるものだと思うんだよね。

そういう、いい話ではないところがアメリカ映画らしくもあるわけで
(まぁ「英雄、色を好む」的な話なわけだが…)、
ジェシーにとっては「激動の日々」だったということだろう。
競技シーンもけっこう盛り込まれていて、見ごたえのある作品に仕上がっている。

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