映画 『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』(☆☆☆)
おととし上映された『アンナプルナ南壁 -7,400mの男たち』は2008年の話だが、
今作では、同じく救助登山(この表現は正確ではないが)に2005年に挑んだ話である。
山に登る人間なら分かるとい思うが、
普通登山は登りより下りの方が荷物自体は軽い。
しかし、救助登山となると、帰りは救助対象(今作では遺体だが)を引っ張って
降りなければいけないわけだから、当然荷物が増えるということになる。
当たり前だが、山は登るだけでも大変なのに、
さんざん労力を使った挙句降りる、という作業をしなければならないわけである。
荷物が軽くなった普段の登山でも大変なのに、
そこに「荷物が増える」というさらに過酷な状況が加味されるわけだから、
山を知ってる人間なら登らなくてもその苛酷さは想像がつく。
しかし、『アンナプルナ~』でも語られているように、
山を登る人間たちには特別な絆があるのである。
同国人の、しかも師弟となれば、その絆も、またひとしおだろう。
しかし今作、その「絆」を作るまでの前置きが非常に長い。
124分の映画なのに、半分以上使ってんじゃないか、と思うぐらい長い。
もちろん、気持ちは充分にわかるけど、
ペラの段階とかで「何をしに行く」かわかっているので、
別にそこまで絆そのものの話をこってりとやる必要はないと思うわけである。
むしろ、「これがどれほどの難事であるか」を
丁寧に説明する必要があったように思われる。
あと、遭難の経緯なんかも出来ればもっと詳しく描いて欲しかった
(まともな生存者がいなかったんだから難しいかもだけど…)。
前半に重きを置き過ぎて、実際の難事だった「救出登山」に至る経緯から、
その中身が薄っぺらくなってしまったのが本当に残念(結末も結末だし…)。
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