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映画 『シン・ゴジラ』(☆☆☆☆)

基本的には面白い映画で,
「あの震災」で見せた政府の対応や,
アメリカなどの国際社会とのやり取りは,
日本の戦後を概略的に示したものとして非常に興味深い内容だった。
ただし、以下に示す理由により,どうしても☆5つ付けたくなかったので,列記する.

第一に,あまりにも庵野色が強かったことである.
音楽やテロップなど、明らかに『エヴァンゲリオン』を意識したものであるし
(まぁ,作品が作品なのでさほど違和感もないのだが…),
次に述べる理由と関連して異なった様式美の導入に違和感を覚えたことは確かである.

第二に,圧倒的戦闘力(ただし一定の制限有)のゴジラである。
口から吐き出す,いわゆる「放射能火炎」の威力が向上するのはまあいいとして,
同様の放射物が背中や尻尾からも出てくるようになっては、
もうなんか違う生き物(もっと言えば地球外生物)である。
それに対抗する手段が非常に原始的で、
まぁその辺のギャップを楽しむ映画と言えなくはないのだが….

第三に,ゴジラがフルCG化すること自体を否定はしないが,
やっぱりあんまり合成がうまくないせいか
「いかにも合成しましたよ」的な映像が散見される点である.
大々的に3監督制を導入し、人も金も投入したにもかかわらず、である。
コレに関しては,根本的な技術不足なのか,
組織がデカ過ぎて「縦割り」的な構造になってしまったのかはわからないが,
あの伝説になり損ねたクソ映画『ガッチャマン』のレビューの時にも書いたが,
「東宝の技術の断絶」の影響はやはり小さくないように思われる.

あと、ワシとしては「結局現場力頼み」なところも、
良くも悪くも日本らしいな、という意味であまり気に食わないところなのではあるが…。
基本的には1954年版初代『ゴジラ』のインスパイアなので、
そちらと見比べるのが正しい観方と見るが,どうか.

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