映画 『レッキング・クルー 伝説のミュージシャンたち』(☆☆☆☆)
1960~1970年代、セッションミュージシャンとして
LAのスタジオから多くの名曲を生み出した「影武者軍団」がいた。
彼らは、当時クレジットされることなく
(もしクレジットされていたら、いろいろと面倒なことになってたと、
作中では語っていたが…)、
シンガーソングライターやライヴバンドの登場とともに、
その役割を終えて行った、業界では「レッキング・クルー(壊し屋)」
と呼ばれた人々である。
その「レッキング・クルー」のギタリスト、トミーテデスコの息子さんが、
父の思い出とともにその業績を残そうと映画化を思い立ったのだが、
楽曲使用料がバカ高くて(それだけ名曲揃いということなのだが…)、
資金調達に頓挫するも、寄付とクラウド・ファウンディング
(この辺が実にアメリカらしい)を利用し、
撮影開始から18年を費やしてついに世に出たという労作である。
高い楽曲使用料に劣らぬ名曲揃いで、
しかも「レッキング・クルー」の技術が高すぎて、
元のバンドたちは実際に弾かなかった楽曲もあるというほどだったそうな。
なんといっても、彼ら最大の功績は、
アメリカ音楽界の中心をロサンゼルスに持ってきたことと言えるだろう。
そういう意味では、まさに「壊し屋」の面目躍如といったところだろう。
1975年生まれのワシはともかく、
聴けば「懐かしい」と思える名曲揃いの作品で、
「必見」というよりも「必聴」の一作と言えるかもしれない。
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