映画 『ハイ・ライズ』(☆☆)
たぶん、原作が生まれたイギリスの歴史がわかってないと、
うっすい理解しかできないであろう作品(もちろん、ワシもよぉ知らんけど)。
いわゆる「グローバル化」が浸透すると、
国家単体(今作の場合マンションだけど)だけではうまく運営できなくなる
(それが、大国間の牽制役になって平和が維持される、という考え方もあるんだが…)。
一方で、既得権を握ってる側は既得権を手放したくないがために、
下層に対して締めつけを強める.
しかし、運営がうまくいってないのに既得権者がそれをトリクルダウンさせなければ、
下層の人々の中に不満が溜まるのは当然である
(そういう意味では、日本は実に奇特な国なのだが…)。
で、ある破綻をきっかけに歴史的に言えば「革命」というものが起こるのだが、
じゃあ「革命」って何なのかと言えば、単純に言えば既得権争奪戦なのである。
そして、奪う側も奪われる側も大いに痛み、国家は疲弊する。
なぜなら、奪う側に運営のプランもノウハウも無いからである
(その顕著な例が「アラブの春」なわけだが…)。
今作の主人公ラング(トム・ヒドルストン)は、その混沌の中をうまく渡っていく、
と言えば聞こえは良いが,うまく距離を取って渦の外にいるもんだから、
状況を客観的に見ているのである(つまり、観客と同じ)。
だから、全体的に熱量不足の冷めた作品と言えるだろう.
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