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映画 『大地を受け継ぐ』(☆☆☆)

チラシにも「これは風評じゃない、現実なんだ」と書かれているが、
基準値以上の放射能が漂ってること自体は、動かし難い現実なわけだから、
農家の方から「好んで買いたいとは思わないでしょう?」と問いかけられても、
「いいえ」とも「はい」とも言いにくいわけである。
で、この農家さん、「あの震災」の少し前に、
父親から福島県須賀川市の農地を受け継いだのだが
(そこに至るまでに親子で色々あったようだが)、
「あの震災」発生から半月後、
「お前に農業を勧めたのは、間違っていたかもしれない」という言葉を残して、
自殺してしまったのである。
それでも、この息子さんは農地を耕し作物を作り続けている。
作るたびに赤字でも、どんなに土地が汚染されていても…。
それが、先祖から受け継いできた土地を「守る」ことであると信じて…。
その話を、都会の子どもたちが聞いているわけである。
出稼ぎをなくすために作ったはずの原子力発電所。
しかし、この事故で多くの地元民にとって帰れない場所にしてしまった。
そのことについて、国も東電も大して責任を感じていないように思われる。
特に国の罪は大きい。
またぞろ「故郷喪失」の爆弾にあちこちで火をつけようとしている。
「限界集落は強制移住」という考え方のワシではあるが、
それは老朽インフラを支えきるだけの財力を、
国も地方自治体も持ち合わせていないと考えているからである。
地震の避難には、当然そういった老朽インフラを頼みにしていると思われるが、
地震の時に橋やトンネルが一緒に使えなくなる、という想定を、
彼らはしているのだろうか。

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