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映画 『セルフレス/覚醒した記憶』(☆☆☆)

『秘密』と同じく記憶がテーマの今作。
余命わずかの建築家ダミアン(ベン・キングズレー)は、
ある科学者から
「最新技術で培養した肉体に頭脳を転送して若い身体を再び手に入れないか」
と持ちかけられ、その誘惑に抗えず新しい生活を手にする。
しかし、その肉体は「新品」ではなかったのだ。
科学者から勧められたクスリを飲まないと、
「元の持ち主」の記憶と混濁し、ダミアンはその記憶に触れるうち、
科学者のやり方に疑問を持ち、ただひとり反抗を開始するのだが…。

「頭脳に記憶を書き込む」という意味では、
『秘密』より今作の方が相当必然性がある。
何せ、「人生をやり直す」ためなんだから。
しかし、科学者は当初は「新しい肉体」を本気で作ろうとしていたようだが、
だったら『アイランド』みたいに本人のクローンを作って
必要な部品だけ移植すれば済むわけだから、
「記憶を移し替える」というのはあまり効率的ではないし、
だいいち人間のクローンを作るのはそんな簡単なことではなかった。
そこで科学者は、「中古」のボディを非合法な方法
(作中では「死んだことする代わりに家族に多額の遺産が入る」
みたいなシステムだった)で入手し、
元の持ち主の記憶をクスリで抑え込みつつ、
新しい持ち主をなだめすかす、という方法に切り替えた。
ここまで作りこまれると、やはり『秘密』は作りがかなり雑だし、
だいたい必然性というか切実さが希薄なことがわかる。

ラストは、ダミアンが「2度目の死」を迎えるわけだが、
なかなかいい話に仕上げてある。
しかし、登場人物の多くが科学者と結びついてしまってるという、
ご都合主義な展開がややザンネン。
あと、「中古のボディ」の入手方法にしても、
『ルーム』みたいに子供拉致って適当な年齢まで育てる
(もちろん記憶の管理をした上で)方法の方が
確実だったような気がするが、
この科学者にはそういう人脈は無かったんだろうね。
単純にライアン・レイノルズ(中古のボディ=マーク)頼みで
ないところは好感が持てる。

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