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映画 『コロニア』(☆☆☆)

1970年代に成立したチリの軍事独裁政権の
「秘密警察」的な役割を果たしていた「コロニア・ディグニダ」。
その首魁パウル・シェーファーはナチス残党で、
武器密輸などで巨万の富を築いた彼は、
軍事独裁政権と結びついて南米に深く根付いていた。
そこに恋人を拉致されたキャビンアテンダントのレナ
(エマ・ワトソン)は会社に暇乞いをした上で
「コロニア・ディグニダ」に単身潜入するのだが…。

アドルフ・アイヒマン(『ハンナ・アーレント』など
最近映画の題材ろしてやたらと扱われる元ナチス幹部)も
アルゼンチンに潜伏してたというから、
初期の「コロニア・ディグニダ」とも
関係を持ってたのかもしれないが、
南米には何かとナチスの影がちらつく。
脱出を防ぐための様々な仕掛けを施してあるという時点で、
相当な秘密と闇を抱えていることがうかがえるが、
タコ部屋的にカネを生み出し、それを原資に様々な力を蓄え、
南米で隠然たる力を持つに至ったということだろう。
今作は、一人の女性の蛮勇が「コロニア・ディグニダ」を
崩壊に導いたかのごとく描かれているが、
実際には軍事独裁政権の終了と密接に関係してることだろう。
しかし、フィクションを実録的に描いてるので、
中で行われていたことなどなかなか詳細に描かれており、
「コロニア・ディグニダ」の正体を描くという意味では
なかなかよくできてるのでは、と思う。

ただ、あまり後味のいい終わり方ではないし、
やや強引な終わり方なのがややザンネン。

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