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鑑賞映画レビュー 2021年2月分

☆の数は、一応絶対評価で付けてますが、
後々若干の変動の可能性があります。

アウステルリッツ(☆☆)
もともとAI研究をしていたという、セルゲイ・ロジニツァが監督する
ドキュメンタリー、その①。
現代のダークツーリズムをシニカルに眺めているのだが、
ノーナレの録って出しなので、正直眠い。

国葬(☆☆☆)
セルゲイ・ロジニツァ監督のドキュメンタリー、その②。
スターリン死去に伴う国葬関係のアーカイブを再編集しているもの。
当時のモスクワやソヴィエトの内情を映し出しており、
資料的価値としても貴重。
でも、この前後に「スターリンの葬送狂騒曲」などでも描かれている
ドロドロの権力闘争が繰り広げられており、
それを考え合わせると、いろいろ考えさせられるものがある。

ヤクザと家族 TheFamily(☆☆☆☆)
早くも2021年ベスト10クラスの作品登場。
後述の「すばらしき世界」と被る部分については後述するが、
警察に追い込まれていくヤクザ界隈をしっかり描いてるのが独自の良さ。
そういう意味では、あのラストは必然性があり、
「すばらしき世界」と違う哀愁が漂う。

シリアにて(☆☆☆)
ヤクザの世界すら生ぬるいと思わせる、
シリアの状況を、内側から描く作品。
最近のパターンとして、最後まであえて描かないラストだが、
下手に描くとかえって嘘くさくなるので、
今作に関してはこれでいいと思う。

心の傷を癒すということ(☆☆☆)
在日の精神科医安克昌(故人)をモデルに、
彼自身も被災した阪神淡路大震災の被災者の
メタンルケアの顛末などを描いた作品。
在日問題も描かれてる一方、あくまでも中心は被災者ケア。
暗にな解決法に頼るのではなく、対話や観察に基づき、
「心に寄り添う」ケアに取り組んでいるのが伝わる。
尾野真千子さん、「ヤクザと家族」に続けて2度目の登場。
しかも、ほぼ同じ役回り。

戦車闘争(☆☆☆)
1972年というから、ワシが産まれるより3年ほど前に、
相模原市で実際にあった市民による100日ほどの闘争。
こんなことあったなんで全然知らんかったよ。
日本の戦後史もまだまだ侮れないね。
この頃から日本の政党はどうしようもないっていうか、
いや、個々人としては気骨がある人もいることはいるんだけど、
組織としての「政党」はもう全然ダメね…。

イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社(☆☆)
まじめな検証モノ。
人間は「秘密」っていう響きが好きなんだよ、きっと…。
そういう意味では、昔から「オモテ社会」に対する不安やら不満というのは、
厳然と存在していて、
その鬱憤を晴らす存在として「秘密結社」が創造されてる、
っていうのはあるんじゃないかな、とは思ったけど、
映画としては正直退屈。

哀愁しんでれら(☆☆☆)
「親は自分が子供のころに受けてきた養育以上のものを
自分の子供に与えるのはそう簡単なことではない」と、
親でもないワシにもわかりやすく教えてくれる作品。
で、意識的に「自分は良い親」になろうとすると、
逆方向に振れるだけで結局極端な教育に走ってしまうというね…。
ラストは地味にえぐい。
石橋凌、「心の傷を癒すこと」以来2度目のお父さん役で登場。

名も無き世界のエンドロール(☆☆☆)
情報を小出しにして、じわじわ核心に迫っていく、
という描き方自体は結構うまく行ってるんだが、
その行きつく先というのがなぁ…。
まぁ、愛が人を狂わせる、
という安易なオチの付け方もできるにはできるんだろうが、
正直あそこまでしてやる価値のある相手だとは思えないんだが…。

すばらしき世界(☆☆☆☆☆)
コチラも2021ベストテンクラス確定の作品。
実話ベースなので、「ヤクザと家族」より主人公の作りこみが深い。
ただ、服役中に暴排条例が強化されて、
シャバに出てくると対応できない、という意味では「ヤクザと家族」と同じ。
そういう教育をしてない刑務所も問題あると思うが、
三上(今作の主人公、役所広司が演じる)ぐらい長く刑務所にいると、
刑務所の社会が三上にとっての社会になってくるし、
刑務所に入る以前も相当好き勝手やってきたんだろうから、
特段の教育もなく外に出すのは危険この上ないと思うんだが…。
まぁ、そこは市井の人々が温かく迎えてくれましたよ、
っていう「人頼み」があたかもいいことみたいに描いてることも問題だし、
心臓に爆弾を抱える三上にとって、
「ニューノーマル」がいかにストレスフルな環境なのかを
しっかり描いているのがむしろ好感。
そういう意味では、こちらもラストは必然といえるのではないだろうか。

ある用務員(☆☆)
アクション自体は悪くないが、物語自体が薄いので、
悪いい方をするとただただ主人公を痛めつけるだけのクライマックス。
まぁ、それだけ。

ノンストップ(☆☆☆)
「奥様は取り扱い注意」的な内容。
「ある用務員」の後なので、アクションは素直にコッチの方が上といえる。
南北朝鮮の状況を一応盛り込んではいるが、
「ザ・B級アクション」な内容。たまには、こういうバカなのも良い。

ファーストラヴ(☆☆☆☆)
予告編やタイトルのイメージで観に行くと
間違いなく「思ってたんと違う」ってなる内容。
意図的にミスリードさせるように仕掛けてきている。
今までの邦画の予告編とは一線を画するいい出来。
内容も良いが、タイトルのイメージで行くと「重い映画」を
観させられる羽目になるかも…。

聖なる犯罪者(☆☆☆)
常々思うが、異常性交を禁じておきながら、
修道院や神学校を男女共学にしてないのは、絶対におかしいと思うんだよね。
今作の主人公は服役者なので神学校に入れないのは仕方ないかな、
とも思うが(意外と不寛容だな、とも思うが)、
なりすましとかしちゃうようなヤツだから、
少なくとも彼個人は神学校に入れちゃダメだよね。
でも、思ったほどちゃんと神父やっちゃうし、
一度挫折してるだけあって言葉にも深みがある。
プロテスタントなら「マシンガン・プリーチャー」みたいな実例もあるので、
カトリック特有の問題なのかも…。
ラストは、先にも述べた「最後までしっかり描かない」スタイル。

モンテッソーリ 子どもの家(☆☆☆☆)
19世紀末から20世紀初頭に考え出された
欧州の幼児教育のスタイルの紹介といった感じ。
6歳ぐらいまでの教育が大事だって話は昔から知っていたが、
脳科学の確立していない時期から実証的に
それを教育に取り込んでいるのには、本当に驚いた。
「森発言」の後に観た映画なので、「多様性」の養い方が日本とは全然違うな、
とも思ったし、やはり「教育」の力は偉大だ、と思った。

藁にもすがる獣たち(☆☆☆)
日本の小説が原作の韓国映画。
ちょっと韓国テイストが強すぎるが、
邦画でやろうとするといろいろ無理がある描写があるのかも。
「カネは天下の回りもの」を地で行くエンディング。
原作小説が読みたくなった。

痛くない死に方(☆☆☆☆)
在宅医療のリアルを、実際に携わってる医師の原作と、
製作の関与によって生まれた作品。
是非を論ずるのはあまり良くないと思うが、
やっぱりワシはああなるまで生きていたい、とは思わない。
「心の傷を癒すこと」以来の柄本佑が医師役で登場。
ラストが地味に圧巻。

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