ずいぶん遅れてしまいました…。
女子高生に殺されたい(☆☆)
まともじゃない男と、まともじゃない女の、まともじゃない心理戦。
男の方がガチでシャレにならないヘンタイ(本人は否定してるけど)なので、
心理戦とかも正直どうでもいい感じ。
要するに、単に回りくどいことやってるだけ。
「帝一の國」は面白かったんだけどなぁ…。
そういう繋がりだけで観ても、だいたいロクなことない、と言う話。
シャドウ・イン・クラウド(☆☆☆)
英国空軍兵士の間でまことしやかに語られた
「飛行機の故障はグレムリンのせい」という噂を、
本気で映像化した、という話。
ただ、洋画のステキな所は、
そういう荒唐無稽な話に「女性兵」の話を盛り込むということ。
クロエ・グレース・モレッツ扮する主人公が、
ハンデを抱えながら男性兵の色眼鏡やグレムリンと空中戦を繰り広げる。
単純にアクション映画として観ても悪くない出来である。
われ弱ければ 矢島揖子伝(☆☆☆☆)
「肥後の四賢夫人」のひとりに数えられる、矢島揖子の伝記映画。
予備知識ゼロで挑んだ作品だが、こりゃドラマになる人だねぇ。
原作の三浦綾子も、実際に取材するまで知らなかったようだが、
現存する私学「女子学院」の初代院長だったり、
明治大正期に夫のDVや一夫一婦制成立のために戦い続け、
90歳過ぎになっても米国に行ったりと、
「猛婦」とも呼ばれるに足る活躍をした人。
もう、それ以上語る必要が無いぐらい「アツい」作品。
モービウス(☆☆☆)
自分が考えた、自分の病気を治す方法に、致命的な欠陥があることを知ったのに、
自分の親友がその治療法に手を染めて暴走してしまったもんだから、
それを止めるべく奔走する、という話。
その親友が資金援助してくれたおかげで治療法を確立できたので、
強く言えない面もあるが、ぶっちゃけあそこまで暴走するもんなのかねぇ、
なんて言ってると身もふたもないわけだが…。
アクション映画としては悪くないが、
「マーベルユニバース」ありきの作品なので、蛇足が付くのはいかがなものか。
東洋の魔女(☆☆☆)
「あの人は今」的な内容。
もちろん、1964東京オリンピック当時の話も出てくるが、
国内ではわりと語り尽くされた感はあるので、
当時の映像と「アタックNo1」と現在のインタビュー映像をテンポ悪く繋いでるだけにも見える。
「技術は陳腐化する」とはよく言ったもので、
当時の魔術を他国が真似し始めたら、
案の定日本はバレーボール界(だけじゃないとも言えるが)で
凋落していったからねぇ。
それと、当時のバレーボールの海外遠征は、
日本選抜じゃなくて実業団チーム単位でオリンピックに出ていたこともあり、
企業の持ち出しだったらしく、
今のマイナースポーツと同じく遠征するたびに懐が寒くなって行った模様。
右肩上がりの時代ならともかく、
やっぱり日本は国家としてスポーツ振興とか文化振興とか
まじめに考えてない、ということが、こういうことからも透けて見えてしまう。
ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(☆☆☆)
「フリーガイ」みたいな深い(と、当方は勝手に思ってる)作品の後が、
こんな「頭悪い系アクション」でいいの?、
と思うぐらい爽快なB級アクション。
それでいて、キャスト陣も無駄に豪華。
まぁ「面白ければ大概のことは許す」ワシなので、
今作は今作でアリではあるが…。
潜水艦クルスクの生存者たち(☆☆☆)
今作を観てから現実に起こってるロシアのウクライナ侵攻を見ると、
イマイチ攻勢がパッとしない理由も若干透けて見えてくる、
ロシアで2000年に実際に起こった原子力潜水艦事故を扱った映画。
さらに、沈没という意味でいえば、知床の遊覧船沈没事故に至る
ずさんな顛末にも通じる点も、有ったり無かったり…。
安全を守るにはお金がかかるが、
そこをおろそかにすると余計にお金や命が失われるという話なんだが、
こと軍事においては「人命<機密」な事例はしばしば有るからねぇ…。
「東洋の魔女」で「技術は陳腐化する」と書いておいてなんだが、
技術を陳腐化させないために、秘密にしておくのは一つのアプローチではあるんだが、
米国だって原子力潜水艦作ってるんだし、
そこまで厳重に秘密にしておく必要あったんかねぇ…。
ただ、軍幹部と乗組員家族のやり取りに、今のロシア国内の状況の一端を
うかがい知れるようにも思えるので、いろいろとタイムリーな作品ともいえる。
バーニング・ダウン 爆発都市(☆☆☆)
ややこしい話のわりに、落としどころがフツー。
しかも、結局香港にとっては大打撃エンドだし…。
製作費かかってるわりには、「ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード」バリに
「頭悪い系アクション映画」なので、
複雑なところは読み飛ばしていいかも…。
ブルー・バイユー(☆☆☆☆)
「戸籍制度」が無いとこうなる、という一例のような話。
国境を越えての養子縁組の中で書類上などの不備により、
米国では突然不法移民扱いされ、国外追放命令が出てしまう例が、けっこうあるらしい。
今作では、警察とのトラブルをきっかけに
上記のようなことが起こり、子連れの米国人と結婚直前だった
韓国系アメリカ人が国外追放を免れるために奔走する。
しかし、韓国系アメリカ人は養母と軋轢があったり(養父は死亡)、
結婚相手の女性の家族は韓国系アメリカ人との結婚をよく思ってない。
トラブった警官は結婚相手の女性の元旦那で、よりを戻したいと思ってるが、
連れ子の娘はその警察官と話そうとしない。
その状況でも、結婚相手の女性は、娘もなついてることだし、ということで、
「家族の復活」を望んでいると思われる。
それを、制度が冷酷に引き裂こうとするわけである。
韓国系アメリカ人に罪はないんだけどねぇ…。
考えさせられる作品であり、ラストに愛を感じる。
少林寺 4Kリマスター版(☆☆☆☆)
主役のリー・リンチェイ(現在「ジェット・リー」)」だけでなく、
全中国武術大会のチャンピオンクラスが大挙出演する、
まさに「リアルアクション映画」。
こういうので育ってきた世代からすると、
躍動する肉体や磨き上げられた体術。
こういう「純度の高いアクション映画」はなかなか見られなくなってしまったのが
ザンネンに思う(無くはないが、最近なら「ザ・レイド」ぐらいかな)。
ブルーノート・ストーリー(☆☆☆☆)
ジャズ史を語る上で、おそらく外すことができないであろう
レコードレーベル「ブルーノート」の設立から今に至る歴史を
関係者のインタビューを織り交ぜて語る、王道ドキュメンタリー。
創業者の二人は、ナチス政権下のドイツで人種問題を抱えて
米国に脱出してきた、ともにユダヤ人だったことにまず驚いた。
一方で、彼らでなければアメリカ黒人の立ち位置を理解して
当時黒人向けだったジャズのレコードレーベルを立ち上げ、
成功させることはおそらくできなかったであろう。
とにかく独創的人たちが登場し、ジャズらしく小粋な仕上がり。
ジャズ好きでなくても、タイムリーな内容だし一見の価値あり。
英雄の証明(☆☆☆)
「英雄か詐欺(ペテン)師か」と問われたら、
「この主人公は騙される方」って言いたい。
女性に優しい以外にこれといった取り柄の無い上に、
吃音症の息子も抱えてるという状況。
事業を興そうと金まで借りたのに、
うまくいかなくて金が返せなくなり、
借主に訴えられて投獄されてしまった。
仮出所中に金貨を拾い、それをくすねずに落とし主に返したことから、
展開がドラマチックになるのだが…。
まぁ、日本じゃドラマにならない話、って言ってしまえばそれまでなんだが、
警察とか含めて多くの人がネコババしない日本って、
やっぱり「稀有な国」なんだな、と改めて実感する。
そして、道家(老子や荘子)が言うように
「善悪は相対的な概念」であることも実感させられる。
主人公がどういう事業を興そうとしていたのかは、今作では詳しく触れていない。
お金を貸してくれた人にどう言って借りたんだろうか。
訴えられるということは、なにがしかの不義理があった可能性があるし、
その後のマスコミやSNSでの上げたり下げたりは、
作中だけでなく日常行われていることでもある。
そういうことに「致される(翻弄される)」生き方はさぞ疲れることだろう。
だからこそ、「この主人公は本来騙される方」という話になるんだが…。
ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密(☆☆☆)
ダンブルドア個人というよりも「ダンブルドア一族の秘密」が
カギを握る今作。
前作でラスボスであるグリンデルバルドを演じていた
ジョニー・デップが訴訟沙汰で出られなくなり、
「北欧の至宝」マッツ・ミケルセンに変わったが、
前作でグリンデルバルドはそんなに仕事してなかったので、
そんなに違和感は無し。
むしろ、話自体がトントン拍子で進んでいくので、
人間関係とかそんなに噛みしめてる場合じゃない、というのが実際のところ。
それよりも、時代背景的にも、ここにもあのチート組織「ナチス」の影が…。
「絶対悪」(と言い切ってしまうのは、それはそれで思考停止なんだが)に
頼って作品作るのはあまり良い傾向じゃないと思うんだが…。
パワー・オブ・ザ・ドッグ(☆☆☆)
かなり難解な作品。
もともとネットフリックス作品なんだから、
連続ドラマにして、もっと深堀りした方が良いんじゃないかとも思うんだが…。
「生きにくさ」にもいろいろある、という話ではあるんだが、
視点によって面白さのポイントが変わってくる、
という意味では興味深い作品ではあるんだが、
それを見つけるために複数回観るかって言われると…、ねぇ…。
KKKをぶっ飛ばせ(☆☆)
信州松代の「松代大本営」を見に行った時、
防空壕を掘るための労働力の大半が朝鮮人だったというのを知り、
「神と崇める天皇の疎開先を作ってるのが純粋な日本人じゃないって…」
なんて思ったが、今作を見てまず思ったのは、
「黒人は白人の食糧」と大差無いかな、という点。
よく考えたら、被支配階級が王様のための建物を建てる、
なんて話は少なくともフィクションではよくある話だし
(松代大本営の場合は、そんなに深い考えはなくて、
単純に労働力が他に無かっただけなんだろうけど)、
今作だって「封印された実話」みたいなこと書いてるけど、
どこまでホントなんだか…。
アンジェラって女性がわりと大活躍する以外は、ただグロいだけの映画。
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